- はじめに
- 1章 担任編:思春期・青年期からの特別支援教育
- [中学・高校]
- Q1 特別支援教育コーディネーターとしてまずすべきことは
- Q2 担任としてまずすべきことは
- Q3 保護者との連携のポイントは
- Q4 小学校と中学校の連携をすすめるには
- Q5 欠席が目立ってきた
- Q6 授業中に暴言・暴力がある
- Q7 進路指導のポイントは
- [大学]
- Q8 大学の受け入れ体制はどうなっているか
- Q9 具体的な支援として,どのようなものがあるか
- 【トピックス】特別支援学校における進路指導
- [就労]
- Q10 雇用のために使える制度や支援はどのようなものがあるか
- Q11 雇用側はどのような点に配慮が必要か
- 【トピックス】発達障害者のための就労訓練(委託訓練事業)
- 2章 保護者編:思春期・青年期からの子育て
- Q1 学校との連携はどのようにすればよいか
- Q2 学校に行きたがらない
- Q3 進学・就労など進路選びのポイントは
- Q4 インターネットやゲーム,携帯などへ執着する
- Q5 家庭内での暴力・暴言について
- Q6 異性への接し方や性に関する悩み
- Q7 本人への障害告知と福祉サービスを受け入れるために
- Q8 金銭管理ができない
- Q9 自立に向けて家庭でできることは
- 【トピックス】中高生以上のソーシャルスキルトレーニング
- 3章 事例:実際の支援はどうすべきか
- 事例1 大学入学前支援 大学入学前の準備をしよう!!
- 事例2 生活支援 「知っている」から「実際にできる」につなげるために
- 事例3 余暇支援 楽しく豊かな生活を送るために
- 事例4 ひきこもりへの支援 楽しみながら本人のペースで取り組み,就労へ
- 事例5 不登校への支援 楽しく登校するための仕かけと環境調整
- 事例6 家庭内暴力への支援 本人へ,家族へ,みんなが協力した支援
- 事例7 ゲーム依存への支援 ゲームにまつわるパニックと時間を減らすために
- 事例8 社会的トラブルへの支援 悪徳商法にだまされない
- 事例9 恋愛支援 恋愛のルールを学ぶ
- 事例10 社会性支援 人とうまくつき合っていくために
- 【コラム】
- 当事者の声
- 自閉さんの結婚生活について/正社員の身分を追われ,個人事業主になった発達障害者の意見
- 障害と真っ正面に向き合ってわかったこと
- 保護者からのメッセージ
- 大学生の息子
- わが子がわが子らしくすごせる自立に向けての支援について
- おわりに
はじめに
本書は,明治図書から2007年に出版された『自閉症支援―はじめて担任する先生と親のための特別支援教育―』の続編に位置づけられます。
思春期から青年期の自閉症スペクトラムの方への支援は,ときとして困難をともなうことが多くあります。本人も,家族も,支援する側も,その困難に対し,それぞれが努力します。本書は,その努力の方向性の指針になればと願っております。
本書は,「Q&A」と「事例」に分けられます。「Q&A」では,基本的な理解と対応について記しています。前書とコンセプトは同じであり,本人と保護者と先生がともに歩んでいってほしいという思いがあります。ともすると,支援する側の歩調が一致しないことにより,当事者の抱える困難さがより大きくなることも多いように思えます。お互いに(先生と保護者,保護者と子ども,子どもと先生),ちょっとずつ歩み寄り,みんなが同じ方向を向きながら,それぞれが努力していけることが望まれます。
「事例」では,よく起こりうる課題について,どのように理解し,どのように支援していったのかを記述しています。同じような困難のある人の支援の手がかりになればと考えています。当然,同じようにやってみてもうまくいかないこともあるでしょう。その人となりやそこにある資源などの環境によって,支援方針・方法・内容は変更していくことを大切にしたいものです。
最後に,編著者の井上雅彦先生,並びに執筆いただいた方,明治図書の佐藤智恵氏に感謝の意を記します。ありがとうございます。
/井澤 信三
(2011年3月11日の東日本大震災にあたり,故郷の東北を思いながら)
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- 明治図書