- 特集 失敗させない学習法=エラーレスラーニング入門
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- 小学生の時期には、成功体験こそが必要
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- 正しく覚えよう家庭でできる漢字チェック
- 【全国漢字調査】漢字は書きの習得が難しく、熟語の音に十分配慮する
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- 【間違えた漢字だけ練習しよう】間違えた部分に注目
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- 【わり算ひっ算のための補助計算】補助計算をきちんと書いてケアレスミスをなくそう
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- エラーレスはノート選びから
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- 落書きをなくすと学習効果が倍増する
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- 真似をして育つ時期には、エラーレスラーニングが最適です
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失敗させない学習法=エラーレスラーニング入門
間違いを記憶すると間違いの脳回路ができる
本誌編集長 向山洋一
日本教育技術学会会長、千葉大学非常勤講師。無料の世界最大の教育情報サイト、インターネットランド主宰。TOSS(会員1万名の教師の研究団体)代表。
エラーレスラーニングとは、「失敗させないように学習させる」ことである。
「お手本を見せて写させる」のが、そうである。先生が教材を一文読んで、子ども達に読ませるのもそうである。水泳指導、逆あがり指導などで、補助教具を使うのもそうである。
自転車を習うとき、うしろの荷台を持ってやって、倒れないようにするのもそうである。
お習字のとき、先生がうしろから筆を持って、一緒に動かすのもそうである。
間違いがないように工夫を加えた「あかねこ漢字スキル」「あかねこ計算スキル」「暗唱直写教材」「うつしまるくん」などのTOSS教材もそうである。
子どもは、とりわけ小さな子ども、発達障害の子どもは、このように「失敗させないように工夫した学習」で、学んでいく。
それが、エラーレスラーニングである。
逆に「トライ・アンド・エラー」の学習もある。
通例は、スポーツで県大会レベルに達した上級者に使われる。
基本がきちんと身につき、かなり上達をした人に使われる。
それは、自分なりの工夫、更に高いレベルへの挑戦をしているからである。
「エラー」から、学ぶことも必要になるからだ。
しかし、初心者、小さい子、障害を持った子には、絶対にやってはいけないのである。
「なぜなら、間違いを学習してしまい、それが脳回路になってしまうからです」と、慶応大学医学部の根本ドクターは言う。
教師が、ふざけて「間違い」を教えてしまい、それを直すのに苦労した次期担任は多い。
一度間違えて、脳に入ったことを訂正するのに、半年も一年もかかるのである。
公立小中学校で「算数の問題解決学習」という指導法が流行している。附属小、一部の教育委員会が広めている。
算数の時間、一問だけ黒板に書き、自分一人で二十分位考える。できる子、塾で習った子は一分で解いてしまう。
習ってない子は、机に突伏してしまう。教科書を見ようとすると「教科書を机の中にしまって!」と、叱られるのである。
その後、できた子が四、五人黒板で解き方を説明して、教師が長い解説をして終わる。
一時間で一問しかやらない。
教科書の問題は、宿題になる、典型的な「トライ・アンド・エラー」の学習法である。クラスの半分は落ちこぼれるだろう。算数が大嫌いになる子も多い。
自分の子が心配なら、算数のノートを見ることだ。ノートに教科書の問題が全部やってあればいい先生だ。ほとんどやってあれば、まず合格だ。
プリントが貼ってあるのは最悪。教科書をやってない場合が多い。
もちろん法律違反である。教師は教科書を使わなくてはならないからだ。
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- 明治図書