- 特集 学校での指導に活用!アセスメント最新情報
- 特集について
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- 提言
- 子どもの学校生活に変化を起こす「賢いアセスメント」
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- 論説・事例【学校で使えるアセスメント】
- 1 知能・認知のアセスメントを学習支援に生かす―弱さに配慮し、強さを利用する―
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- 2 WISC−Wによる発達障害のアセスメント:教師のための活用術
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- 3 WISC−Wは学校現場でどのように使えるか 通常学級に在籍する子どもへの支援
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- 4 理論が豊かになった日本版KABC−U
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- 5 DN−CASによる子どもの認知処理特性の理解〜PASSモデルに基づく支援につながるために〜
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- 論説・事例【アセスメントの活用事例】
- 1 WISC−Wを生かして支援に活用できる力を見つけ,支援の方針を絞る
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- 2 KABC−Uにおける認知能力と習得および学力との関係
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- 3 DN−CASの結果を生かした教室での支援〜黒板への注目や指示理解を促すために〜
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- Essay
- 「ゆっくり,そして楽しく」を大切にしたい
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- 子どものページ
- 作品名「重ねて重ねて」/「進級記念作品」
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- 【特別寄稿】発達障害の児童生徒のための適応行動の評価尺度
- ヴァインランドU適応行動尺度で通常生活の行動を評価することで指導を組み立てる
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- 親の会ニュース (第43回)
- 全国LD親の会 歩みとその活動
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- 医療との連携 (第43回)
- オプトメトリストの視点から
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- 〜見る力が弱い子どもへの具体的支援 視知覚トレーニング〜
- 実践の小箱/臨床学校現場から (第41回)
- 音読の苦手な子についての2つのケース
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- 情報最前線/行政や海外の動向は (第43回)
- 発達障害支援の今後
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- 〜ライフステージに応じたさまざまな支援と支援者の人材育成体制の整備〜
- 選べる! ユニバーサルデザインな授業づくり (第3回)
- 「学び方を学ぶ」授業への取組み
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- 〜学びを支える土台の学習と自己理解〜
- LDのための英語教育 (第3回)
- 文字と音の関係を捉えて,単語の読み書きにつなげる
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- 〜フォゥニームからフォニックス、そして単語へ〜
- 誤り分析から子どもの算数を支援する! (第3回)
- 計算問題の誤り分析
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- 発達障害の子どもを持って (第7回)
- あかしろきいろ
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- 〜個性あるそれぞれの子ども達〜
- 一度は手にしたい本
- 『エッチのまわりにあるもの 保健室の社会学』(すぎむらなおみ著)/『まなざしの地獄』(見田宗介著)
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- 編集後記
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特集について
上野 一彦/東京学芸大学名誉教授
LDやADHD,自閉症スペクトラム障害(ASD)など,発達障害と呼ばれる児童生徒の支援教育にあたって,教師が最初に考えることは,その子どもの実態について,指導という観点からどれだけその子にあった支援内容の指針が明らかにできるかではないだろうか。
教師に限らないが,医学的な診断名のついた子どもに出会うと,心のどこかで何かその子にあった,診断名にふさわしい対応策が専門家から得られると思う。しかし,発達障害に関する領域では,その期待は裏切られることが多い。診断名はあっても,様態はさまざまであり,教室での具体的支援はすべて教師に任されてしまう。診断名あって指導指針なしである。
では発達障害のある子どもを前にして,教師は何から始めればいいのだろうか。第一番目にすべきことは何と言っても子どもの実態把握である。この実態把握の土台にアセスメントがある。アセスメントは「評価」とか「査定」という意味で用いられることが多いが,より客観的に,より科学的に子どもの状態を把握することをいう。しかもこうしたアセスメントは指導(支援介入)の効果の測定にも用いることができる。
アセスメントを単に分類したり,判断したりすることと誤解している方も少なくない。繰り返しになるが,学校でのアセスメントは,まず,それが指導に役立つ具体的情報を提供するものでなければならない。実態把握のためのアセスメント領域には,まず「学力」「行動」がある。これらは教師にとって日常的な守備範囲になる。発達障害の場合,専門的情報として,認知的特性や思考のプロセスを明らかにする心理的(知能・認知)アセスメントが重視される。その子どもの学び方の特徴をどこまで明らかにできるかであろう。
本号ではさまざまなアセスメント領域の中から,心理的(知能・認知)アセスメントを取り上げ,学校では子どもたちの指導に活かすことのできる情報がどのように得られ,どのように学習に活かすことができるのかを最新の情報から特集してみた。
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