向山型算数教え方教室 2009年1月号
算数的活動の「学習の手引き」作り方と使い方

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向山型算数教え方教室 2009年1月号算数的活動の「学習の手引き」作り方と使い方

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ジャンル:
算数・数学
刊行:
2008年12月8日
対象:
小学校
仕様:
B5判 92頁
状態:
絶版
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目次

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特集 算数的活動の「学習の手引き」作り方と使い方
〈巻頭特集論文〉向山型算数は一人残らず全員に算数的活動を保証する
木村 重夫
最重要な学習の手引き「教科書」の使い方を教える
河田 孝文
TOSS百玉そろばんの出番がきた
楢原 八恵美
習得型の活動の徹底と探究型を取り入れたグラフ読み取りの手引き
松崎 力
コンパスと定規を使えるように指導せよ
根本 直樹
見当を付け,比べ,測定する
白井 朱美
型を与えることから,お隣に説明するまでのステップを示す
横崎 邦子
センチリットルを調べる学習の手引きに,「単位換算調べクン」を使う
赤石 賢司
ミニ特集 信じられない研究授業!台本・おけいこ・できない子のスポイル
内部にいたから分かった!問題解決学習の真実!
和田 嘉章
振り返ると恐ろしい,初任時の研究授業
田中 正一
問題解決学習は子どもの事実を見ない!
深山 碧
「教科書を使わない」という事実
田中 直行
子どもの事実を見ないで何が研究授業なのか
中野 慎也
命にもかかわる研究授業の体制
鈴木 正和
グラビア
学習の基本・スタイルを教えるのが教師の仕事である
村田 斎
若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
思考の混乱を整理し解決する
小倉 郁美
向山型算数キーワード
問いに正対させる
木村 重夫
巻頭論文 算数授業へのこだわり
算数の問題解決学習から算数の全員習得学習へ
向山 洋一
学年別1月教材こう授業する
1年・かたちあそび
例題の「基本型」
山本 東矢
「練習問題・スキル」と教材教具
金子 政利
2年・三角形と四角形
例題の「基本型」
細井 俊久
「練習問題・スキル」と教材教具
富越 陽平
3年・重さ
例題の「基本型」
酒井 基成
「練習問題・スキル」と教材教具
徳本 孝士
4年・がい数
例題の「基本型」
廣P 均
「練習問題・スキル」と教材教具
臼井 俊男
5年・百分率とグラフ
例題の「基本型」
橋 賢治
「練習問題・スキル」と教材教具
乙津 優子
6年・比
例題の「基本型」
今井 豊
「練習問題・スキル」と教材教具
山田 雅之
中学難教材こう授業する
1年/おうぎ形の弧の長さ
森貞 岳志
中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第106回)
向山型は「学習内容」だけでなく「学習方法」も蓄積される(2)
井上 好文
向山型算数に挑戦/論文審査 (第110回)
わり算で最もむずかしい指導
向山 洋一
向山型算数実力急増講座 (第112回)
D表検定算数指導案10か条
木村 重夫
向山型算数WEBサロン (第106回)
骨太な原理「変化のある繰り返し」で小数のわり算の活用問題を解く力を伸ばす(2)
赤石 賢司
向山型算数をDEEPに学ぶ女教師たち
これが私のDEEPな体験
田畑 典子
“問題解決学習”隣の教室の実態ルポ
できる子もできない子にも辛い授業
重成 佑希
算数の問題解決学習の弊害
山田 省吾
〈教室の障害児と向山型算数〉特に気になる『あの子』への向山型アプローチ
「エラーレス・ラーニング」が,発達障害の子どもたちを救う
小田原 誠一
もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第112回)
低学年
青木 勝美
中学年
本田 純一
高学年
村田 耕一
ビギナー専科=向山型算数ココが授業の勘所
1年/「もの」を通して理解する1年生
須貝 誠
2年/シンプルな基本型を示せ
尾上 知生
3年/できない子にやさしく
山本 大二郎
4年/子どものためと考えてやる行為が我流となる
奥田 真由美
5年/逐一指導に陥らないための4つの方法
小野 一豊
6年/やっぱり,サークルで模擬授業が一番
関澤 陽子
“若葉印”教師が向山型算数でダッシュするとき (第46回)
学び続けることで,自分の授業を客観視できるようにする
森脇 達也
向山型算数への苦言・提言・辛口応援歌
おさえるところは,おさえること
舘野 健三
向山型算数セミナー
勝負焼けする一門講師の面々
板倉 弘幸
腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
「説明しないで」と言われていた
辻 和彦
子どもが教えてくれる
田中 優
A子さんを変えた向山型算数
安達 由美子
論文ランキング
10月号
木村 重夫
実物ノートと指導のポイント
最終的な基本型はシンプルにして指導する
吉田 晴美
読者のページ
向山型はいつの時代もブレない
編集後記
木村 重夫赤石 賢司
TOSS最新情報
赤石 賢司
向山型算数に挑戦/指定教材 (第112回)
向山 洋一

<巻頭論文>算数授業へのこだわり 算数の問題解決学習から算数の全員習得学習へ―日本教育技術学会の第6回学力調査が語るもの―

向山 洋一


 日本教育技術学会は,中学校入学時の学力調査を,毎年4月,5月に実施してきた。

 算数の調査は,今回で6回になる。

 なぜ,中学校の入学時に学力調査をするのか? それは,完全に公正に,学力調査が実施されるからである。

 担任によるヒントや事前テストができないからだ。ある学校みたいに,「できない子を欠席させる」ということもないからだ。

 本年度の調査人数は,新入生1277名である。

 6年生の教科書から出題した。出身クラス別に平均点を出した(1クラス10名以上)。

 最高点は,平均84.7点。最低点は平均67.6点であった。クラスによって,最大17点の差がある。

 同一小学校の出身クラス別の差が大きいところは,次のようであった。

滋賀県 A小学校1組 84.7点

    A小学校3組 75.0点

愛知県 B小学校1組 70.6点

    B小学校2組 79.8点

北海道 C小学校1組 76.7点

    C小学校2組 67.6点


 同じ小学校でありながら,隣のクラスと平均点で10点の差がある。

 出題は,すべて教科書の基本問題である。

 クラスのほぼ全員が,学習内容を習得したと思えるときのクラス平均は,何点ぐらいであろうか。

 私の経験では,クラス平均95点以上のときは,ほぼ全員が習得しているといえる。クラス平均90点以上なら,どうやら合格というのが実感である。

 クラス10人の得点が,次のようだったとする。このときのクラス平均は76.5点である。

100,100,100,90,90,80,80,65,35,25


 左のクラスと,ほぼ同じである。

 これは「クラスの2割は,完全に落ちこぼれている。1割もあやしい」という状態である。

 つまり,クラス平均77点は,3割の子どもを落としている状態だ。

 クラス平均67点は,下のようになる。

 つまり4割を落としている。

100,100,90,90,80,70,65,35,25,15


 小学校の算数では,この点こそ問題にならねばならない。クラス平均を上げるというのは「できない子をできるようにする」ということなのだ。これこそが,教師の最も大切な仕事であり,責任なのである。

 「算数の問題解決学習から算数の全員習得学習へ」。これこそが,今,最も求められている算数指導の方針である。

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