- 特集 小一プロブレムの予防と保幼小連携
- 序章
- 小一プロブレム特集にあたって
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- T 小一プロブレムの今
- 子どもたちはいま
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- 大阪「小一プロブレム調査2008」より見えてきたもの
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- 小一問題の予防・解決のために【資料】「東京都公立小・中学校における第一学年の児童・生徒の学校生活への適応状況にかかわる実態調査」の結果概要より
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- U 小一プロブレムの克服とスタートカリキュラム
- 私たちにとってのスタートカリキュラム ―子どもと保護者に安心を―
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- Let’s Collaborate!! ―就学前からの学力保障―
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- 幼小人事交流で見えてきたこと
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- 大分県の小一プロブレム対策推進事業と幼保小連携
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- 新しい「くぐらせ期」をスタートカリキュラムに
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- 多文化な子どもたちの声にふれる (第16回)
- この国に住む人たちへ
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- おもちゃばこ (第49回)
- おもちゃ箱のつくりかた
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- 編集部の本棚
- 『子どもたちとの七万三千日―教師の生き方と学校の風景』大森直樹:編/『どうすれば子どもは書くか―生活つづり方への指導のステップ』坂田次男:編著
- 子どもを見る眼 (第25回)
- 「ごめんなさい」といえる力
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- まいにち? マイニチ!
- 桜の下には
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- 沖縄散歩 (第19回)
- アルベルト城間さんの「人権トーク」
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- 【コラム】ノリきれない国際開発仕事人のつぶやき (第13回)
- ロスト・イン・日本
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- 映画をみる、映画でみる (第24回)
- この世界で難民であるということ―「君を想って海をゆく」
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- 共生のトポス (第109回)
- 日本語に躓く状況に置かれた子どもたち(後編)
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- 【資料】教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について(審議経過報告)
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- 編集後記
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編集後記
▼本号の特集では、新保真紀子さんに全面的に編集をお引き受けいただきました。一九九〇年代後半に大阪府同和教育研究協議会において「小一プロブレム」がいち早く注目され、その研究の中心にいたひとりが新保さんです。それ以後も着実に研究を重ね、単行本の出版もされています。本号では、そこから培われた深い問題意識と広いネットワークを活かしていただきました。ありがとうございました。また、貴重な実践の報告や問題提起をしてくださいました執筆者の方々、さらに、資料掲載をご承諾いただいた東京都教育委員会に感謝いたします。この特集が、現在小学校一年生を担任している教員だけではなく、さまざまな立場の人の対話を広げる手がかりになることを期待しています。
▼一九八〇年代に、ある小学校一年生に一年間入れていただきました。校区のほとんどが同和地区という学校でした。そこでは、入学当初から子どもたちが席に座ってはいませんでした。二ヵ月ぐらいをかけて、ようやく子どもたちが落ち着いていく姿を見せてもらい、小学校一年生はそのようなものだと思っていました。九〇年代に入って「小一プロブレム」に関するとりくみが始まったとき、「なぜ改めて?」という思いがありました。数年がたって、さまざまな学校のようすを知り、ようやくその疑問から次に移ることができました。
▼この一〇年間ほど、勤務先の大阪教育大学において「小学校教員養成課程総合認識系」という専攻の運営にかかわってきました。一学年が一〇〜一五人という小さな専攻で、入学したときから卒業後まで成長を見守ることができます。昨日も、年に一度の研究発表会があり、回生ごとにさまざまな舞台パフォーマンスを見せてもらいました。腹がよじれるほど笑えるものあり、涙があふれてくるものあり、来年に期待したいものもありです。結果としてのパフォーマンスだけではなく、その準備プロセスで学生たちの越えてきたものが少しでもわかるだけに、改めて意義深く感じます。小・中・高で取り組んでおられる方たちは、もっとそうなのでしょう。
(森)
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