実践国語研究 2003年1月号
文学教材の魅力と授業改革

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実践国語研究 2003年12・1月号文学教材の魅力と授業改革

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ジャンル:
国語
刊行:
2002年11月
対象:
小・中
仕様:
A5判 140頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 文学教材の魅力と授業改革
文学(教材)の魅力をうむもの
今江 祥智
新教科書に見る新しい作家・作品
目黒 強
小学校/文学教材の魅力と授業改革
文学的文章の魅力と授業のあり方
尾ア 靖二
実践/小学校低学年
昔話教材の魅力と授業
自分で読める楽しさを
辻 美由紀
実践/小学校中学年
ファンタジー教材の魅力と授業
ファンタジーの世界を味わおう
坂口 利一
実践/小学校高学年
現実を描いた物語教材の魅力と授業
自分を見つめよう将来を考えよう
萩谷 和代
詩教材の魅力と授業
童謡の世界を通して心のふるさとを見つめよう
山口 麻衣
中学校/文学教材の魅力と授業改革
ねらいを焦点化しての授業改革
尾木 和英
実践/中学校
小説教材の魅力と授業
解説付きの小説の読解指導
小滝 威
詩歌教材の魅力と授業
『個』に応じた多様な読み、作る楽しさ
保田 裕介
古典教材の魅力と授業
絵本の世界と新たなイメージづくり
坂 英晃
高等学校/文学教材の魅力と授業改革
多様な読みが言語活動を豊かにする
直正 修一
実践/高等学校
古典教材の魅力と授業「面白いと言わせる古典の授業のために」
宮地 幸子
文学教材の授業をこう改革する
単元計画の工夫を、評価規準を明確に
朴木 一史
経験させたい「読むこと」の楽しさ
中田 直人
ブックトークで語ってみませんか
高橋 ゆり子
多様で豊かな読みを保障する授業
吉田 憲一
心の琴線に響く文学教材を
坂口 幸恵
《受信》と《発信》の調和
三浦 登志一
インセンティブを拡大する
黒木 淳一郎
特集2 対談「文学教材の魅力を探る」
上谷 順三郎井上 一郎
発言
教室に「絵本の読み聞かせ」を
余郷 裕次
投稿=実践研究の広場
伝え合うことによって意欲を高める
梅本 雅典
調べたことを効果的に書くために
五十嵐 晴美
理由付けの仕方を学ぶ説明文の授業
亀崎 智明
国語科e情報
実践国語フォーラム茨城大会
田中 孝一
創意工夫のある国語教室 (第5回)
確かな学力の定着のために
津守 美鈴
〜徳島市福島小学校の実践〜
徳島市福島小学校の実践
いまさら聞けない国語の豆知識・素朴なQ&A (第5回)
読み切り連載
佐藤 きむ
新教育課程の研修テーマ・何が話題か (第5回)
「伝え合う力」という視点からの学校づくり
一之宮 英文
BOOK GUIDE《この本がおもしろい》
『中学校国語科の絶対評価規準づくり』(相澤秀夫編)
坂口 幸恵
『絶対評価を踏まえた中学校説明的な文章の指導法』(河野庸介編著)
金子 守
研究会実践紹介 (第10回)
国語教育の実践と研究をつなぐ会
堀江 祐爾
読者の声から―メール通信・前号評判記
基本となる言葉の指導 (第5回)
説明するための語彙に着目する
山口 京子
新しい国語能力の導入 (第5回)
コンピュータメディアから見た国語科の学習1
市川 真文
授業で困ったとき・失敗にどう対処し、何が変わったか (第5回)
研究授業の功
吉永 幸司
新世紀/中学校国語科の授業改革 (第11回)
指導と評価の一体化を図った授業をどうするか
花田 修一
「書くこと」新しい作文学習への変革 (第5回)
書く能力を育てる5
河野 庸介
〜効果的に伝える〜
「読むこと」の革新と新しい授業 (第17回)
読む力の諸相
井上 一郎
編集後記
河野 庸介
Keyword Index

編集後記

1 教材としての文学的な文章の魅力

文学的な文章は読者に様々な楽しみを与える。それは、文学的な文章が教科書に掲載され、教材(学習材)として国語科教師や児童生徒の前に示されても同様である。いったい文学的な文章はなぜ国語科教師をとらえ、また、児童・生徒を強く引き付けるのか。教材としての文学的な文章のもつ可能性やその魅力について改めて考える。

2 文学的な文章の指導と国語科の授業改革

国語科の授業において、「読むこと」には多くの授業時数が当てられているという実態がある。とりわけ、文学的な文章の指導には、他の文種の指導に当てられる授業時数より多い授業時数が配当される傾向がある。教育課程審議会の「文学的な文章の詳細な読解に偏りがちであった指導の在り方」を改める必要があるとの指摘を踏まえつつ、今、改めて「文学的な文章」の学習指導の改革を通して、国語科の「読むこと」の授業改革を図ることが重要である。学習指導要領の全面実施を機会に、文学的な文章の指導法について国語科全体の指導の在り方を視野に入れつつ検討する。

3 文学的な文章における様々な「読み」

一口に文学的な文章といっても、小学校から高等学校までの教科書には、ファンタジー、昔話、物語、小説、戯曲、詩歌、古典等様々な文章が掲載されている。児童・生徒の発達段階に合わせ、これらの文学的な文章を適切に指導することが求められる。

文学的な文章の学習においては、児童・生徒は、作者の述べている内容とともに、それらをどのように表現しているのかということや、物語や小説の展開に従って登場人物の心情がどのように変化しているのかということについて理解を深める必要がある。また、その小説に込められたものの見方や考え方についても考える必要がある。さらには、自分が必要とする情報を収集するために文学的な文章を読むということも大切な学習となる。それぞれの「読み」において、どのような学習指導が適切であるのか、その実践を交流させる必要がある。

文学的な文章の学習指導には、多くの魅力とともに多くの課題も同居している。本号は、国語科の授業改革という視点から、改めて文学教材の魅力について整理し、各国語科教室の実践に役立つことをねらいとしている。

(河野 庸介)


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