- 特集 「ネットいじめ」にどう取り組むか
- 提言・「ネットいじめ」の問題点
- ネットいじめの緊急対策と長期的予防策
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- 自己抑止力の育成(習慣化)を―「発信しない」「参加しない」「開けない」―
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- 教師と親が知らないネット世界のいじめ
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- 発信者不明・安易な付随
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- 現状報告・「ネットいじめ」の小学校の実態
- コミュニケーションを保証し、小さな正直さを褒め続けることでネットいじめから子どもを守る
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- 「ネットいじめ」の実態はないが広まる可能性はある
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- いつだれが被害者になり、加害者になるかわからない
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- 現状報告・「ネットいじめ」の中学校の実態
- 大きなトラブルの前の、小さなトラブル
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- 軽い気持ちでの書き込みが、いじめや犯罪につながる
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- ウィキペディア(Wikipedia)にご用心!
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- 「ネットいじめ」への対策―小学校の実践
- 家庭との連携が最善の対策
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- 気安く罪を犯してしまう事実を教える
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- 家庭との連携が不可欠
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- 「転ばぬ先の杖」としての対策を!
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- ネットであってもいじめはいじめ〜人間の生き方から学ぶ授業
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- 「ネットいじめ」への対策―中学校の実践
- 「ネットいじめ」が起きる前に取り組む
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- かつてのトラブルが重要な二つの視点を与えてくれた
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- 授業をする
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- 黄金の三日間で布石を打つ
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- ネットトラブルを予防するためには保護者との協力は欠かせない
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- 「言葉の力」を育てる対話力を磨く
- 表現の原理を理解する重要性
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- 心を開かせ、言葉で語らせよう
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- 相手とトラブルを招かないスキルを身に付けさせる
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- 相手意識を持った言葉を育てるために
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- 書き言葉での対話は、まだまだ難しい
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- 楽しいクラスをみんなで創る (第10回)
- 「ビシ!シャキーン」で学校生活を楽しく
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- 心を育てる言葉かけ
- 心を潤す言葉「おあしす」
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- 規律ある教室づくり (第10回)
- 低学年の場合/始業式の日から、緊張感のある活動を行う
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- 中学年の場合/遠足のゴミ拾いで二〇〇名が熱中する
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- 高学年の場合/子どもと遊び、語る。テンポが変わってもリズムを変えない。
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- 「道徳崩壊」をどう再建するか (第10回)
- 真実・事実をこそ見つめる
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- 宗教をどう教えるか (第10回)
- 正課授業と部活動
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- 授業・学級経営のつまずき (第10回)
- 教師が人前で恥をかかないつまずき
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- 学級経営力を高める (第10回)
- 学び合いと学ぶ主体をひらく学習集団―1月の学級経営
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- 編集後記
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編集後記
○…「ネットいじめの原因は、子どもたちのコミュニケーション不全にある」と有元秀文氏(国立教育政策研)は言います。そのために「ネットによる言葉の暴力を根絶するための緊急対策」として次の三点を上げています。第一は、受容・共感の態度で被害者から聞き取りを行い、被害者の思いをくみ取るとともに事実を明らかにする。第二は、裏サイトやメールなど被害の実態がわかる証拠を入手する。第三は、事実を把握できたら緊急の職員会議を開き、被害の事実を伝え、対策を協議する。
○…さらに「ネットによる言葉の暴力を根絶するための長期的予防策」として(1)ネットいじめ根絶のための職員研修を行う、(2)ネットいじめについてのアンケート調査、(3)学級の子どもたちとの対話、(4)読書によって意識を高める。(『ネットいじめ・言葉の暴力 克服の取り組み』から)
○…「ネットいじめ」という言葉が日本のメディアを騒がせ始めたのは二〇〇七年に入った頃からだと『大人が知らない ネットいじめの真実』の著者・渡辺真由子氏は言います。「加害者は軽い冗談のつもりで行ったいじめが、被害者とその家族の人生をめちゃくちゃにする。年々抑制されるどころか、ネットいじめは拡大している」。それは何故かと渡辺氏は問いかけています。
○…そのたびに「いじめ」問題の根の深さ、解決の難しさを思い知らされます。「いじめ」問題は、いわゆる対症療法だけでは解決出来ないところにその難しさがあります。ですから「他者との望ましい人間関係の育成のために何をなすべきか」を考える時のようです。花田修一氏らの共同研究『相互交流能力を育てる「意見・説得」学習への挑戦』もその一つかも知れません。
○…本号の特集は「ネットいじめ」に正面から取り組むための提言集です。
(江部 満)
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- 明治図書