- 特集 「我慢力」を鍛える教師の知恵
- 提言・「我慢力」を鍛える教師の知恵とは?
- 焦らず、辛抱強く、関わる
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- その本質は「利他」の心
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- 教育の父性としての我慢の指導
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- 我慢力は体力づくりから
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- 低学年のうちにルールを守る指導をせよ
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- すぐキレる子どもの問題行動―小学生の場合
- キレてしまう原因をつきとめ、適切な対処が必要
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- 我慢力を阻害する要因
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- すぐキレる子どもの問題行動―中学生の場合
- 自信がなく我慢できない生徒がキレやすい
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- 中学現場からの報告・キレる問題行動は多種多様である
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- 「我慢力」を鍛える具体策の提案―小学下学年
- 当番と係活動で我慢力を鍛える
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- 教える側が我慢強く工夫を凝らすのがポイント
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- 「ルールは守らなければならない」というルールを教える
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- 「我慢力」を鍛える具体策の提案―小学上学年
- 好きなことで「我慢力」を鍛える!
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- 我慢力の意義
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- 小さな我慢体験を何度も積ませる
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- 「我慢力」を鍛える具体策の提案―中学生
- 進路だよりに我慢力をつけるための方策を載せる
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- 努力する子に陽の目を当てることから
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- 生徒には自律を励ます言葉をかける
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- 子どもの「悩み」の聞き方・受け止め方
- 日常観察、日記、一人ぼっち調査が子どもの「悩み」を救う
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- 子どもを大切にする教師は聞き役に徹し、子どもの意思を尊重する
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- 誠実に対応する
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- 問題の生じやすい家庭の子どもへの対応
- 目の前の子どもを伸ばすことである
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- タイプ別! 問題の生じやすい家庭の子への具体的配慮の仕方
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- ありのままを受け入れ、進むべき道を共に考える
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- 楽しいクラスをみんなで創る (第9回)
- 教室に笑顔と真剣な表現を
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- 心を育てる言葉かけ
- 子どもの胸に落ちる言葉かけを
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- 子どもを守る学級の危機管理 (第9回)
- 下学年/低学年の荒れた学級の担任になったら……その5
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- 上学年/崩壊した学級を立て直す(1)
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- 中学校/《真面目な生徒》が納得する指導こそが、秩序ある学級を育て上げる唯一の方法である
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- 学級の集団意識の高め方 (第9回)
- 小学校/「TOSSランド」と「スマートボード」を使った授業で学級をつくる
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- 中学校/仲良しグループからクラス全体の活動へ その四
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- 学級をまとめる統率力を磨く (第9回)
- 小学校/審査をして「教室」を見る
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- 中学校/「対応力」を具体化する(2)
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- 学力形成としての集団思考 (第9回)
- 差異へのまなざし―授業対話を促進するために―
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- 編集後記
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編集後記
○…多湖輝氏の『我慢力を育てるしつけの知恵』を読んでいて、我慢を教えられなかった子どもたちが、今、打たれ弱い大人になっている、とつくづく感じ入りました。「優しさ、強さ、人間らしさは、我慢から生まれる」という多湖氏の提言にも大きくうなづきました。
○…すぐキレる子どもたちの言に「むかつく」といった感情のままの言葉しか使えない事例が多く聞かれます。なぜ、どうして「むかつく」のかを説明できる力をつけさせるべきかもしれません。
○…そこで我慢強く育てるためには、多湖氏が提案する二つの方法を実践的に考える必要がありそうです。第一は、日常生活の中で、できるだけ子どもたちが我慢という貴重な体験を増やすこと。第二は、我慢を嫌がる子どもたちに、我慢を感じさせないで、知らず知らずのうちに、我慢する習慣がついてくる「我慢でない我慢」ともいうべき仕掛けを大人が考えてやること。我慢状況、我慢機会がなかなかつくれない現状においては、この二つの提案を考慮する必要がありそうです。
○…もちろん悲惨な事件や国際問題などがテレビや新聞で報道された時などは、「我慢すべきことと我慢してはいけないこと」を子どもたちに教えるべきかもしれません。
○…「個性重視」という言葉が錦の御旗のように、あがめられている現在の風潮は軽々に等閑視できないと警告するのは野口芳宏氏です。野口氏は「個性重視という言葉が勝手者、わがまま者、分からずや、エゴイストを育てることになったら大変である」と警告しています。(『教育力の復権と強化』より)本号は学級づくりで見落とされがちだった「我慢力」に焦点をあてた特集です。
(江部 満)
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- 明治図書