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今月のメッセージ 子どもたちの話ができる関係を…
常任委員 佐藤 晋也
今年も全生研の夏の全国大会が行われました。一日目の夜に行われた若者の集いや大会を通して感じたことがあります。今の教師というのは、子どもたちとの関係よりも教職員との関係に悩んでいるのではないかということです。特に経験年数の少ない教師にとっては、大きな悩みのようです。多くの教師は大学を卒業してすぐに学校現場に飛び込み、担任を持ちます。右も左もわからない中で、学級が落ち着かなくなると、「子どもが落ち着かないのはあなたの指導が悪い」と言われます。また、子どもに寄り添った実践をしたいと思っていても、「ダメなことはダメと最初に厳しく言わないと」「子どもと教師は違うのだから」と言われます。教職員で共に手を取り合って子どもを育てていきたいと思っても、「新人なんだから言われたことを素直にやればいい」と言われます…もちろんすべての学校が同じような状況になっているとは言えませんが、少なくともこのような状況の学校があることも事実です。
では、自分はどうだったか。
私は六年間の教員生活で、一緒に学年を組んだ人は皆、自分より年代が上の人でした。しかし、前述のようなことは少なくとも経験しませんでした。
次の日の授業をどうすればいいか困ったときに聞きに行くと、「これを使うといいよ!」とプリントを渡してくれて、どうすればいいか教えてくれました。逆に自分がこんな授業がしてみたいと話すと、「やってみたら!」や「真似させて!」と、予想外の反応が返ってきました。
学年締めに向けて実行委員の活動をしていたときも、この時期にはこんな仕事をするよ、この時はこんな風に子どもに話してみたらと、わからない私に常に声をかけてくれました。そして、自分に自信がついてくると、私が子どもたちと共に創る活動を見守ってくれました。また、子どもたちに語りかけている場面を見た後に、「佐藤さんはあんな風に子どもに話すんだ。素敵だね。」とそっと感想を寄せてくれました。
私の学級にキレて暴れる子がいた時のこと。レポートを分析してもらって、たくさんのアドバイスをもらいました。実践を重ねるうちに、少しずつその子が変化している様子を見たベテランの先生が、「子どもがどうして変わったのか、佐藤さんの実践からベテランも学ばないといけないよね。」と言ってくれました。
今、職員室の中でどんな関係づくりが求められているのでしょうか?
命をも落としかねない厳しい現場の状況を乗り越えるには、ベテランとか中堅とか若手とか関係なく、実践をしながらお互いに学び合う関係を作ることが求められているのではないでしょうか。
隣にいる初任の先生が「はぁ〜」とため息をついていました。今までの私なら、自分のことでいっぱいで、あまり気にしませんでした。しかし、今は、なんて声をかければいいんだろう…と真剣に悩んでいます。
「どうしましたか?」
勇気をもってそんな一言をかけるのが、お互いに学び合う関係を築く第一歩なのかもしれません。
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