生活指導 2011年12月号
サークルで学びあう

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生活指導 2011年12月号サークルで学びあう

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ジャンル:
生活・生徒・進路指導
刊行:
2011年11月8日
対象:
小・中
仕様:
A5判 123頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 サークルで学びあう
特集のことば
サークルで学びあう
井本 傳枝
メッセージ:今、サークルで学ぼう
自分の学びを自分で主催できるところ
溝部 清彦
今こそ、サークルをしよう!
高倉 祐子
実践記録・小学校
レンタロウさんが100%悪い!〜レンタロウとはかかわれないのか?〜
青島 一郎
<実践記録が生まれるまで>
「分析」と「指導方針」が実践記録のカギ
都 真人
実践記録・小学校
誰にとっても居心地のいいクラスを求めて
新山 梢
<実践記録が生まれるまで>
新山さんのレポートができるまで
神戸 凛
実践記録・中学校
生徒の声が聞きたい
森山 わかば
<実践記録が生まれるまで>
限られた条件の中で粘り強く
笠原 昭男
実践的論文
サークル活動をどう行うか〜サークル活動活性化のための十箇条〜
谷尻 治
第2特集 存在要求と発達要求に応える生活指導運動〜第53回全国大会(千葉)に学ぶ〜
T 基調提案をこう読んだ
[1]教師として信じられるものは何か
竹内 元
[2]子どもの声に耳を傾け、自治的活動をはげます集団づくりをめざそう
中村 弘之
[3]子どもたちの自己肯定感を育むために
志木 布由子
U 自主集会から―自主集会「東日本大震災と教師・子ども」に参加して―
[1]「欠乏と恐怖を乗り越えたところに未来がある」―全生研らしく「今」を捉え直すことができました
岸田 久恵
[2]ボランティアと学級通信
地多 展英
V 大会をふりかえって
[研究のまとめ]実践レポートの特徴と研究討議から見えてきた課題
大和久 勝
[大会を終えて]<現地実行委員会より>「集団づくりの原則」がそのまま実践された大会
深澤 恭司
[大会を終えて]<大会担当より>千葉に集い、新たな一歩を踏み出す
村越 規雄
今月のメッセージ
子どもたちの話ができる関係を…
佐藤 晋也
私の授業づくり (第33回)
小学校〈国語科〉/子どもたちはスイミーと出会えたか?
本堂 進
〜低学年の子が物語の世界を楽しめるために〜
中学校〈数学科〉/「知恵」とは回り道をするちから
上村 文
〜数学の授業で身につけたいこと(方程式の授業から)〜
実践の広場
子どもの生活・文化・居場所
傷をなめあう子どもたち
飯塚 守
子どもをつなぐ活動・行事
「会社活動」(係活動)で自主活動を育てる
浜口 幸登美
いきいき部活・クラブ
シロウト顧問のきもち
坂田 恵理
手をつなぐ―教師・親・地域の人々
子どもとつながる・親がつながる
吉高 啓彰
私と集団づくりとの出会い
「出会い」の時、「出会いなおし」の時
土居原 和子
案内板 集会・学習会のお知らせ
教育情報
だれが社会と職場の当事者なのか
白石 陽一
〜「命令と競争と処分と恫喝」をもりこんだ大阪府「教育基本条例案」〜
使ってみよう!実践グッズ (第8回)
安らぎと活力をはぐくむ教室に
猪野 善弘
〜特別支援学級の教室環境〜
若者の広場 (第8回)
私の実践紹介します
土井 幸治
〜子ども支援から気づく(築く)校内体制づくり〜
北から南から
サークルだより
岡山支部津山サークル 木野 安由美
〜〈岡山〉サークルは支え。そして人と出会えて学べる場〜
読書案内
『傷を愛せるか』
福田 敦志
読者の声
10月号を読んで
シリーズ/各地の実践
北海道
山本 純
〜「不登校状態」の家族との関わり〜切らずにあきらめずにしたたかに〜〜
編集後記
井本 傳枝

今月のメッセージ 子どもたちの話ができる関係を…

常任委員 佐藤 晋也


今年も全生研の夏の全国大会が行われました。一日目の夜に行われた若者の集いや大会を通して感じたことがあります。今の教師というのは、子どもたちとの関係よりも教職員との関係に悩んでいるのではないかということです。特に経験年数の少ない教師にとっては、大きな悩みのようです。多くの教師は大学を卒業してすぐに学校現場に飛び込み、担任を持ちます。右も左もわからない中で、学級が落ち着かなくなると、「子どもが落ち着かないのはあなたの指導が悪い」と言われます。また、子どもに寄り添った実践をしたいと思っていても、「ダメなことはダメと最初に厳しく言わないと」「子どもと教師は違うのだから」と言われます。教職員で共に手を取り合って子どもを育てていきたいと思っても、「新人なんだから言われたことを素直にやればいい」と言われます…もちろんすべての学校が同じような状況になっているとは言えませんが、少なくともこのような状況の学校があることも事実です。

では、自分はどうだったか。

私は六年間の教員生活で、一緒に学年を組んだ人は皆、自分より年代が上の人でした。しかし、前述のようなことは少なくとも経験しませんでした。

次の日の授業をどうすればいいか困ったときに聞きに行くと、「これを使うといいよ!」とプリントを渡してくれて、どうすればいいか教えてくれました。逆に自分がこんな授業がしてみたいと話すと、「やってみたら!」や「真似させて!」と、予想外の反応が返ってきました。

学年締めに向けて実行委員の活動をしていたときも、この時期にはこんな仕事をするよ、この時はこんな風に子どもに話してみたらと、わからない私に常に声をかけてくれました。そして、自分に自信がついてくると、私が子どもたちと共に創る活動を見守ってくれました。また、子どもたちに語りかけている場面を見た後に、「佐藤さんはあんな風に子どもに話すんだ。素敵だね。」とそっと感想を寄せてくれました。

私の学級にキレて暴れる子がいた時のこと。レポートを分析してもらって、たくさんのアドバイスをもらいました。実践を重ねるうちに、少しずつその子が変化している様子を見たベテランの先生が、「子どもがどうして変わったのか、佐藤さんの実践からベテランも学ばないといけないよね。」と言ってくれました。


今、職員室の中でどんな関係づくりが求められているのでしょうか?

命をも落としかねない厳しい現場の状況を乗り越えるには、ベテランとか中堅とか若手とか関係なく、実践をしながらお互いに学び合う関係を作ることが求められているのではないでしょうか。

隣にいる初任の先生が「はぁ〜」とため息をついていました。今までの私なら、自分のことでいっぱいで、あまり気にしませんでした。しかし、今は、なんて声をかければいいんだろう…と真剣に悩んでいます。

「どうしましたか?」

勇気をもってそんな一言をかけるのが、お互いに学び合う関係を築く第一歩なのかもしれません。

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