生活指導 2010年10月号
活動が子どもの関係をつくる〜学級をパワーアップする教師の提案〜

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生活指導 2010年10月号活動が子どもの関係をつくる〜学級をパワーアップする教師の提案〜

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ジャンル:
生活・生徒・進路指導
刊行:
2010年9月8日
対象:
小・中
仕様:
A5判 123頁
状態:
絶版
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目次

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特集 活動が子どもの関係をつくる〜学級をパワーアップする教師の提案〜
特集のことば
活動が子どもの関係をつくる〜学級をパワーアップする教師の提案〜
高橋 英児
論文
子どもたちに活動をどう提案するか―若い教師への手紙
竹内 常一
実践・小学校
明日もきっと しあわせ しあわせ
由布院 桃太郎
『むりー、かなりー、あきらめろー』からのスタート
内山 由紀
実践・中学校
3年生、創作時代劇「牛鬼の涙」に挑戦!
川辺 一弘
分析論文
活動を通して出会うものと立ち上がる世界
福田 敦志
第2特集 子どものやりたいことをどう原案化するか
小学校・実践報告
子どもたちの願いを原案に託して
中村 弘之
居場所ができる学級内クラブを目指して
秦 和紀
中学校・実践報告
子どもが企画した学級分散会への道のり〜六組らしくていいんじゃない〜
鈴木 直
「学校ではやりたいことなんてできない」と思っている子どもたちと
飯塚 麻子
今月のメッセージ
教育の本来の仕事
小室 貴
私の授業づくり (第19回)
小学校〈指導法〉/入門期の学習指導をどうするか
小座野 喜子
中学校〈数学科〉/数学を「数楽」に―数学は原則に従って、しかも楽しく!
土居原 和子
実践の広場
子どもの生活・文化・居場所
居場所とは、『人との心のつながり』のこと
菊地 敬三
子どもをつなぐ活動・行事
生徒会本部主催の全校レクレーション大会
竹下 朋子
いきいき部活・クラブ
大好き!「学級内クラブ」
竹内 八重子
手をつなぐ―教師・親・地域の人々
伝承の労働歌を地域の力で「音楽劇」に〜『天明のたからもの』〜
牧野 幸
私が教師を続けるわけ
「良い先生になりたい。」そういう思いを持った仲間達に会えて良かった。
関 重樹
案内板 集会・学習会のお知らせ
〈発達障害〉の理解と支援―学級・学校・地域を育てる (第7回)
発達障害児と集団づくりの課題
湯浅 恭正
子ども集団づくりの今がわかるQ&A (第4回)
「貧困と学び」―中学校―
柏木 修
教育情報
学校支援地域本部事業の政策的意義と課題
田代 高章
北から南から
サークルだより・北海道
おたるしりべしサークル川澄 宗之介
〜北の小さなサークルですが、つながりを大切にして活動しています。〜
読書案内
『子どもの貧困と社会的排除』
高橋 英児
読者の声
8月号を読んで
シリーズ/各地の実践
埼玉
北山 昇
〜星の広場の子どもたち―リーダーたちをゆさぶりながら―〜
全生研の窓
田邊 一馬
編集室だより
井本 傳枝
編集後記
高橋 英児

今月のメッセージ

教育の本来の仕事

常任委員 小室  貴


持ち上がりの中学3年を担任しています。学級がスタートした2年の4月。「どうして、こんなに問題児がたくさん集まっているの。今度の学級編成はどうなっているの」と子どもからも親からも、言われながらの出発でした。

とにかく無鉄砲で、喧嘩したら校内で右にでる者がいない、学年一の有名人のA男。朝から晩まで、いつでも、どこでも、音量をいっぱいにしてしゃべり続け、暴言をまわりにまき散らすB男。A男にくっつき、問題行動を起こし続け、自分をくずしつづけるC男。楽しければ何でもいい、あらゆるものを校内に持ち込み、遊び化してしまうD男など、ヘルプを求めている子どもたちがいました。

〈私たちの仕事を問い直す〉

学校の枠の中に入れようとするだけになってきている今の中学校の現場では、彼、彼女らの声はひろい上げてもらえないことがほとんどといっても過言ではありません。いや、声を出す、願いを持った存在としてみてもらえず、「わがまま」「わけのわからない子」と切り捨てられてしまうことが多々あります。

「彼、彼女らはどんな思いを持って、登校してくるのだろうか、まわりの子どもたちの思いとどう重なるのだろうか」という問いを立てないことには、私は彼らと出会えないと思います。

学校とは、何をするところだったのでしょうか、教育の仕事とはそもそも、どんなねうちをもっていたのでしょうか。子どもと学びながら、子どもとともどもに成長し、そこに感動や喜びを見出していくのが本来の仕事だったのではないでしょうか。

〈学校を変えるチャンスととらえる〉

彼、彼女らの存在は、見方を変えれば、学校を変えるチャンスにもなります。私の学級の教科担当の方たちと、2年の当初から、私的に、ときには学年会議や職員会議の場で、積極的に、話題にして、交流していくようにしました。困っていることや愚痴を聞くことが多かったが、一方で、彼らがどうして、立ち歩きや授業妨害をしてしまうのか、彼らの思いはどんなことなのかなどにまで、広がっていきました。彼らに「とんでもない乱暴者」とレッテルを貼って済ましてきたこれまでから、少し、彼らの見方が変わっていきました。彼らを通して、私たちの子ども観が変わっていったのです。

ある時は、こんな対話でした。「A男は家庭がバラバラで、まともに相手をしてもらえず、さみしいんですね。だから、学校に来ると楽しくてしょうがないように見える」「枠に入れようとしても無理だよね。根はやさしい」「いまのあいつなら、30分も授業に参加したら上出来ぐらいにみてやらないと、あいつもつらいよ」「はじけようぜというA男の言葉の裏には、なんか思いがつまっていそう」。

〈リーダーと読み開く〉

いろいろな人がいるということは、それだけ、いろいろな人を理解できるチャンスであり、それは自分を深く知ることでもあり、恵まれたと思えばいいと、私自身に、学級の子どもたちに、事あるごとに言い続けました。彼、彼女らに対する、地域の大人の配慮のない暴言が増える中で、リーダーたちと彼らをめぐっての読み開きは、重たいものがあったが、「不良とか言われているけど、あいつらの話を聞いていると俺らと変わらないと思えるようになってきた。無視しないでくれというのは同じ」というような対話・討論になっていきました。

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