生活指導 2007年4月号
4月・子どもと出会う―5つのポイント

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生活指導 2007年4月号4月・子どもと出会う―5つのポイント

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ジャンル:
生活・生徒・進路指導
刊行:
2007年3月6日
対象:
小・中
仕様:
A5判 124頁
状態:
絶版
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目次

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特集 4月・子どもと出会う−5つのポイント
4月・子どもと出会う−5つのポイント
井本 傳枝
出会いの演出
学級びらきと4月のイベント
(低学年)学級のスタートを演出するイベントを
清水 智
(中学年)子ども達の心をつかみ、やる気をひきだすために
細田 俊史
(高学年)特技やゲームでつながろう!
久留島 理夫
(中学校)遊び心で子どもたちと出会う
鈴木 直
4月の出会いと私の年間構想
(低学年)文句なしに楽しい学級に
北嶋 節子
(中学年)自治を考えながら構想づくり
関口 武
(高学年)子どもたちと考え、活動する学級づくりを
竹田 裕一
(中学校)子どもとの出会いと年間構想づくり
栗城 順一
出会いと組織づくり
生き生きとした班づくり・班長会・班会議の指導
(低学年)「楽しい」が一番!
今関 和子
(高学年)自治的活動と組織づくりに遊び心と見通しをもって
中村 弘之
(中学校)目の前の子どもたちを見て
木村 勝明
活発な係・当番活動などの指導
(低学年)入学期は給食当番からスタート
米沢 久美子
(高学年)高学年の特性をふまえて
谷中 龍三
(中学校)無理せず、ボチボチ働こう
佐藤 くみ子
話し合いが起きる朝の会・帰りの会
(小学校)話し合うとは「出会い直し」を作ること
坂田 和子
(中学校)話し合いは、仕かけて、短時間に
芳賀 郁雄
第2特集 保護者と出会う・つながる3つのポイント
はじめての参観と保護者会
小学校/第一印象・事前準備・コミュニケーション
溝部 清彦
中学校/どんな機会でも『集団づくり』
谷尻 治
保護者がつながるための工夫
小学校/保護者をつなぐ−丁寧な合意づくりのために
益田川 清
中学校/担任への信頼感をまず得て、親が連携した取り組みに発展させていく
近藤 賢司
気になる子の保護者と出会い、願いを知る
小学校/ねぎらい、ほめてもらい、知恵を出し合う
村瀬 唯
中学校/保護者は子どもを育てるパートナー
山田 真一
今月のメッセージ
「悲しみ」を希望に〜教師の弁証法〜
折出 健二
私の授業づくり・道徳 (第1回)
小学校/「マイノリティー」「ハンディキャップ」への理解を育てる
山本 純
中学校/学ぶことの意味を考えよう
本田 広行
実践の広場
学級のイベント
たかがラーメン、されどラーメン
奈良 光一
学年・学校行事
『創り上げる力』を!学年合唱コンクールへの道のり
原田 陽子
学びの素材
新聞記事を素材として批判的読みの力をつける
小倉 泰子
子どもの生活を見る
中学生の職場体験学習
松井 久治
部活動・クラブ活動の工夫
小学校の演劇クラブ
草野 和人
心に残る子どもとの対話
言葉にならない言葉に耳を傾けて
仲間 良子
手をつなぐ―親と教師
学年P行事「和太鼓講座」で親とつながる
佐々原 芳夫
掲示板Y・O・U
山川 浩章秋桜 佑子
ホッと一息・コーヒータイム
私のオフタイム
熊本 保之
マンガ道場
新田 行雄猪俣 修
案内板 集会・学習会のお知らせ
教育情報
パッケージ化する授業と体験
子安 潤
北から南から
各地の基調提案 熊本
入家 泰雅
〜〈2006年度・第35回熊本県生活指導研究大会基調提案〉生きづらさによりそい、共感することでつながりを深める集団づくりを創り出そう〜
読者の声
2月号を読んで
シリーズ/各地の実践
北海道
池田 学
〜照太とともに育つ学級を〜
全生研の窓
編集室だより
編集後記
井本 傳枝

今月のメッセージ

メッセージ 「悲しみ」を希望に〜教師の弁証法〜

愛知教育大学 折出 健二


いよいよ新年度が始まります。ところが、希望の持てるような状況では必ずしもありません。教育再生会議の第一次報告が公表され、安倍首相はこれを受けて、体罰規定の見直し、教員免許更新制や教育委員会の改革のための法律案を今開催中の通常国会に出す予定です。再生会議の「七つの提言」には改正教育基本法の具体化が盛り込まれ、全体として学校の権力性・管理強化・国家統制が前面に出ています。その一方で教育委員会の地方分権化を打ち出そうとするなど、改革のコンセプトがどこにあるのか、論理構成のあいまいさも見られます。

また、文部科学省は、弊害があるので廃止されたはずの全国一斉学力テストを実施するとしています。現場はますます緊張と子どもたちの管理統制を強いられるでしょう。

教職二年目のAさんは、ある教育集会に参加したときの感想文の最後に、こう書いています。「子どもも担任も追い込まれていく時代に教師になったことを悲しく思います。(決して後悔はしていませんが)」

*     *

Aさん。あなたのように、希望にあふれて教師になった若い方々に「悲しい」思いをさせているこの国が、このままでどうして「美しい国」などといえるでしょうか。教員養成に携わる一教員として、あなたの言葉をしっかりと受け止めます。



Apr.2007

今月の


メッセージ


メッセージ

しかし、Aさん。一番、悲しみ、苦しんでいるのは、あなたがいま、いろいろ悩みながらもつながろうとしている、その子どもたちではないでしょうか。

一人ひとりの生活現実は異なっても、学級の子どもたちはそれぞれに生活の諸矛盾をランドセルに詰めて教室にやってきます。彼・彼女らの「悲しみ」を受け止め、聞き取り、共にそれを超えていく活動を創り出していく伴走する他者。それこそ、Aさん、担任のあなたでもあるし、あなたが果たせる役割(他者性)だと言えます。もちろん、家庭の場では子どもの親御さんもその役割を果たす位置にいます。

「追い込まれ」ながらも教師たちは、その理不尽さや不当さを保護者・市民との対話と共同を築きながら、たたかってきています。今年は、先に述べたような施策が動きだし、ますます「追い込まれ」感が強くなっていくことでしょう。

しかも、この格差社会の現実です。絶対的な貧困を抱えている者には生活支援の保障が向けられず、国際競争を勝ち抜くために大資本優遇の税制が行なわれ海外進出やビルディング建設等に巨額の投資が向けられているのです。この社会の構図自体が、子どもたちの「悲しみ」を再生産する根源ではないでしょうか。

Aさんのいう「悲しみ」はずっとつきまとうかもしれません。でも、目の前の子どもたちは、この時代の、いまを、ここで、生きようとしています。そこに立ち上がる《学び》こそ、子どもたちの《希望をつかむ生き方》なのです。

子どもたちの現実と向き合い、「悲しみ」の中から希望を切りひらいていくこと。「教えるとは希望を語ること、学ぶとは誠実を胸にきざむこと」(ルイ・アラゴン)。

こういう実践の原点、教師の弁証法を、いま再確認しておきましょう。


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