生活指導 2005年2月号
憲法9条と子どもたち

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生活指導 2005年2月号憲法9条と子どもたち

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ジャンル:
生活・生徒・進路指導
刊行:
2005年1月6日
対象:
小・中
仕様:
A5判 124頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 憲法9条と子どもたち
憲法9条と子どもたち
大和久 勝
巻頭論文
憲法をめぐる情勢と私たちの課題
久保田 貢
報告
岩手/だまされない学力
酒泉 湧人
愛知/第9条の希望を語る
北原 浩平
神奈川/私と憲法、そして全生研
篠崎 修
沖縄1/子どもたちの声―日常の中に潜む暴力を考えさせるために
真栄田 岬
沖縄2/沖縄はアメリカの占領地だった
上野 郁子
論文
無力感から希望へ―憲法9条を学ぶ
子安 潤
第2特集 トピックスすすむ各地の「教育改革」
東京の教員統制
これはちょっと怖いかもしれない
加納 昌美
京都のFA制度
FA制度は教職員の希望に応えるか
細田 俊史
論文
教育改革の現状と課題
高橋 英児
今月のメッセージ
目の前の問題と大きな問題
塩崎 義明
今月の集団づくり・小学校 (第11回)
4年1組物語
坂田 和子
〜学級から学年へ〜
今月の集団づくり・中学校 (第11回)
瀧田中学校物語
花山 尚人
〜教育課程の編成に向けて〜
実践の広場
私の教室
水泳をがんばる班を作ろう!
青野 大
すぐ使える遊び
子どもと一緒に遊ぼう!フルーツバスケットスペシャル
大木 豊
授業のアイデア
中2授業不成立から全員参加へ
大空 遙
楽しいイベント
卒業の日が学級じまい!
米沢 久美子
通信・ノートの工夫
書くこと丸ごとが実践!
武藤 雅文
手をつなぐ
保護者同士のかかわりをつくる
中根 富弥
今子どもたちは
子どもが本音を見せるとき
宅田 紀子
私のオフタイム
ささやかな旅―日帰り温泉
谷尻 治
案内版 集会・学習会のお知らせ
火の国熊本で 全生研第46回全国大会報告
研究総括
<共につながる集団>の形成が個人の自立を支える
折出 健二
みんなできめてみんなで守る
永廣 正治
常任委員会
高橋 史郎
〜大会担当として感じたことなど〜
北から南から
地域・サークルからの発信 栃木
箕輪 秀樹
〜悩みを語り実践を切り拓く豊かなサークル活動を〜
教育情報
都立中高一貫校での「新しい歴史教科書をつくる会」教科書の採択をめぐって
久保田 貢
読書案内
『平和と平等をあきらめない』(高橋・斎藤著)
鈴木 和夫
読者の声
12月号を読んで
投稿 実践記録
「おれはごんだ」
今 さとる
和夫が読む
鈴木 和夫
〜新しい子どもの世界をつくる陽と陰〜
全生研の窓
編集室だより
編集後記
大和久 勝

今月のメッセージ

目の前の問題と大きな問題

全生研常任委員 塩崎 義明


 今年はいよいよ「教育基本法改悪」「憲法改正問題」が具体的な形で私たちの目の前に見えてくる年になりそうです。

 職場でもこういった「大きな問題」を語り合おうとするのですが、「今は目の前のことで精一杯でなかなかそこまで考えられない」といった表情をされたり実際にそういう返事をもらったりして話が止まってしまいます。

 私はこれを称して「かさがない状態」(井上陽水の曲をもじって)と言っていますが、今の若い人たちには「かさがない」の意味がわからないようなので二重に頭を抱えることになります。

 私たちは、今、目の前の問題の中にこそ大きな問題がかくされていること……、別な言い方をすれば、目の前のことと大きな問題がどのように結びついているのかを具体的にわかりやすく話せることが必要なのではないでしょうか。

 たとえば昨年の年始めに私は自分のホームページに次のように書きました。


『二〇〇四年は、学校改革がいよいよ私たちの目に見える形で次々と登場してくる年だと考えています。学校選択制、教師評価、二期制、特設道徳の強化、学力向上……、これらは「国民の支持を得ている」という理由で進められていく年になるでしょう。(中略)一つひとつの改革をパズルのピースだと考えると、それらが組み合わされると何が完成するのでしょう。それは公教育の縮小であり、その結果、国民に教育・子育ての自己負担をますます強いるものになってしまう懸念があります。だからこそ論議が必要なのです。』


 残念ながら、右記のことは私の予想以上のスピードとハードさで、私たちの目の前にせまってくることになりましたが、私はよくこのように一つひとつの問題をパズルのピースにたとえて話をすることがあります。

 それは「教師評価」の問題をそれだけの問題として見ていたり、その問題に追われていては、なかなか事の本質が見えてこないと考えているからです。

 そして[学校選択制、教師評価、二期制、特設道徳の強化、学力向上(一斉学力テスト)……]と一つひとつのピースを組み合わせてみてほしいことを呼びかけます。すると、そのパズルにはどんな「絵」が出来上がってくるのかが見えてきたり、一つひとつのピースの意味がわかってきたりするのです。そればかりではありません。今はまだ見えていない次のピースも見えてきて、次にどのようなことがおこりそうなのかも見通すことができるのです。

 今、目の前の問題に追われるのではなく、その問題を大切にしつつ一歩さがってながめてみましょう。

 そして、それらの問題の先に(背景に)何があるのかをみんなで考えてみようではありませんか。

 そういった作業によって具体的に闘う視点が見えてくるはずです。今、何をしなければならないのか

(何をしてはいけないのか)が見えてくるはずです。そして今、どんな人たちと手を結んでいくのかも見えてくるはずです。

 今、「憲法改正」という大きなパズルを作る準備が着々と進められています。私たちは今、目の前のことがその大きなパズルのワン・ピースになっていることを見抜いて、闘いを進めていく必要があると考えています。

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