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今月のメッセージ
目の前の問題と大きな問題
全生研常任委員 塩崎 義明
今年はいよいよ「教育基本法改悪」「憲法改正問題」が具体的な形で私たちの目の前に見えてくる年になりそうです。
職場でもこういった「大きな問題」を語り合おうとするのですが、「今は目の前のことで精一杯でなかなかそこまで考えられない」といった表情をされたり実際にそういう返事をもらったりして話が止まってしまいます。
私はこれを称して「かさがない状態」(井上陽水の曲をもじって)と言っていますが、今の若い人たちには「かさがない」の意味がわからないようなので二重に頭を抱えることになります。
私たちは、今、目の前の問題の中にこそ大きな問題がかくされていること……、別な言い方をすれば、目の前のことと大きな問題がどのように結びついているのかを具体的にわかりやすく話せることが必要なのではないでしょうか。
たとえば昨年の年始めに私は自分のホームページに次のように書きました。
『二〇〇四年は、学校改革がいよいよ私たちの目に見える形で次々と登場してくる年だと考えています。学校選択制、教師評価、二期制、特設道徳の強化、学力向上……、これらは「国民の支持を得ている」という理由で進められていく年になるでしょう。(中略)一つひとつの改革をパズルのピースだと考えると、それらが組み合わされると何が完成するのでしょう。それは公教育の縮小であり、その結果、国民に教育・子育ての自己負担をますます強いるものになってしまう懸念があります。だからこそ論議が必要なのです。』
残念ながら、右記のことは私の予想以上のスピードとハードさで、私たちの目の前にせまってくることになりましたが、私はよくこのように一つひとつの問題をパズルのピースにたとえて話をすることがあります。
それは「教師評価」の問題をそれだけの問題として見ていたり、その問題に追われていては、なかなか事の本質が見えてこないと考えているからです。
そして[学校選択制、教師評価、二期制、特設道徳の強化、学力向上(一斉学力テスト)……]と一つひとつのピースを組み合わせてみてほしいことを呼びかけます。すると、そのパズルにはどんな「絵」が出来上がってくるのかが見えてきたり、一つひとつのピースの意味がわかってきたりするのです。そればかりではありません。今はまだ見えていない次のピースも見えてきて、次にどのようなことがおこりそうなのかも見通すことができるのです。
今、目の前の問題に追われるのではなく、その問題を大切にしつつ一歩さがってながめてみましょう。
そして、それらの問題の先に(背景に)何があるのかをみんなで考えてみようではありませんか。
そういった作業によって具体的に闘う視点が見えてくるはずです。今、何をしなければならないのか
(何をしてはいけないのか)が見えてくるはずです。そして今、どんな人たちと手を結んでいくのかも見えてくるはずです。
今、「憲法改正」という大きなパズルを作る準備が着々と進められています。私たちは今、目の前のことがその大きなパズルのワン・ピースになっていることを見抜いて、闘いを進めていく必要があると考えています。
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- 明治図書