生活指導 2003年8月号
学級崩壊から教育基本法へ

L594

«前号へ

次号へ»

生活指導 2003年8月号学級崩壊から教育基本法へ

紙版価格: 765円(税込)

送料無料

電子版価格: 688円(税込)

Off: ¥77-

ポイント還元20%

ファイル形式

PDF
ジャンル:
生活・生徒・進路指導
刊行:
2003年7月
対象:
小・中
仕様:
A5判 124頁
状態:
絶版
出荷:
ダウンロード
定期購読

目次

もくじの詳細表示

特集 学級崩壊から教育基本法へ
基調提案の今日的課題
安島 文男
全生研第45回全国大会 基調提案
子ども集団づくりと学校づくりをとおして、教育の公共性を築こう
基調提案委員会
基調実践
「集団参加が困難な子ども」と歩む学級・学校―三つの共同が実践を拓く―
大和久 勝
誌上シンポジウム
意見1/子どもが生きる世界を手にするとき
徳井 裕子
意見2/「抑圧されている子ども」の側からの「公共性」創出の可能性
福田 敦志
意見3/いま求められる学校とは何か
植松 保信
学級崩壊から教育基本法へ
中教審答申の「公共性」と教育基本法の共同・自立観
折出 健二
学級崩壊から教育基本法へ―実践
管理主義の学校を変える
柏木 修
私たちが積み上げてきたものは
松山 裕
第2特集 子どもの「学校とのつきあい方」を知ろう
小学校/学校ってなに?うーん微妙
原田 真智子
中学校/「とりあえず」やっておこう―批判的に見つつ悩みを隠しつつ―
土門 大樹
高校/停学から卒業まで
野川 真
今月のメッセージ
水に流す
塩崎 義明
手をつなぐ―親と教師
おしゃべりノートのススメ
今関 和子
生活指導研究コーナー
「戦時下」の教育という視点―子どもたちとテロ・戦争を語り合うために(2)―
高橋 英児
教育情報
アメラジアン・スクールの実践が提起するもの
照本 祥敬
ほっとたいむ サークルからの発信
続けることが大事
磐周 三郎
案内板 集会・学習会のお知らせ
書評
『東京都の教員管理の研究』
川井 龍介
読者の声
6月号を読んで
全生研第45回全国大会参加要項
編集後記
鈴木 和夫

今月のメッセージ

水に流す

常任委員 塩 崎 義 明


 四年生の社会科で.水.の学習をするので..水.についていろいろ調べていて.ふと気にな.た言葉が.水に流す.という言葉です.

.水に流す.とは.全ての穢れや邪悪を川などで清め流してしまうことが語源で.これは日本独特の文化だそうです.古来.日本人は.生活で汚れたものは川で洗い.災いや祭り.祈りの時.それに関係する品々は思いを込めて川に流してきました.そして人と人のいさかいやわだかまりとい.た感情もまた.水に流す.ということで収める考え方をしてきたわけです.水の豊富な国の人.水の流れに美をみる国の人ならではのこころであ.たのだと思います.

 ところが最近では.都合の悪いことは何でも.水に流して.忘れ去.てしまうという.何となく悪い意味で使われることが多いです.

 しかしそもそもこの言葉は.次の成功を祈りつつ.水に流す.ということで.前向きな意味で使われてきたのではないでし.うか.

 さて.どうしてこの言葉が気にな.たのかというと.最近の子どもたちの様子を見ていて次のようなことを感じたからです.

. ずいぶん前にあ.たトラブルや.集団の中の.力関係.をず.とひきず.ている子が多い.

. .あの子はああいう子で.自分はこういう子.と決めつけてしま.ている子が多い.

. ゆえになかなか仲間とわかり合おうとしないし..課題.とも正面から向き合おうとしない.



のメッセージ



― 6 ―


 つまり.いままでのトラブルを前向きに乗り越えられていない.水に流せていない.のと同時に.新しい自分も発見できていないということだと思います.言い換えれば.仲間や.物.との.出会い直し.ができていないとも言えます.

 このような状況の中で.今.大切にしていきたい実践の視点はなんなのでし.うか.

 一つは.子どもたちの中に.おし.べりや対話・討論..書きコミ.ニケ.シ.ン.含む.を多層に保障していくということです.

 ここでいう.保障する.とは.そうい.た場を保障するだけでなく.子どもたち同士の関係性に着目しつつ.子どもたちを.つないで.いくことだと思います.

 二つ目は.批判的学びや共同・自治の指導を豊かに展開し.仲間とともに生活・行動していくのには何が問題になり.そしてそれはどのようにして乗り越えていけばいいのかを丁寧に指導していくことだと思います.

 三つ目が.教師自身が子どもたちや親.そして学校や仲間にはたらきかけることにより.常に新たな自分を更新的に生みだしていく事だと思います.そのためには.全生研での学びや活動が今こそ重要であることは言うまでもありません.

 様々な問題から逃れようとするのではなく.そのことと真.正面から向き合い.それをのりこえ.新しい仲間の見方や新しい自分を発見したときに初めて子どもたちは.真の意味で今までの自分を.水に流せ.るのではないかと思.ています.


    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ