- 特集 地域に開かれる子ども集団―中野譲「川の実践」が提起していること―
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- 子どもも地域も変わる「学びのネットワーク」を
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- 地域に開かれる子ども集団―中野実践における子ども集団の可能性―
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- 暴力の連鎖は断ち切ることができる
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- 家族を研究するために
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- 今月のメッセージ
- 今、求められている職場づくり
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- 「生活指導」誌の編集にたずさわってー
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今月のメッセージ
今、求められている職場づくり
常任委員 塩 崎 義 明
ふとまわりを見てみると、学校に(二四学級)、様々な立場の職員がいることに気がつきました。
障害児介助教員(五名)、少人数教育推進委員(五名)、図書館司書(一名)、カウンセラー(一名)、週 時間講師(一名)etc……。
そしてそれらの職員はあとから述べるようにその勤務体制も様々です。
このように、学校に様々な立場の職員が登場してきた今、当然その職場づくりのあり方も、今まで以上に豊かに展開されなければならないのではないでしょうか。
そしてその職場づくりのあり方は、やはり「対話」をベースにしながら、一つは「それぞれの勤務事情を知る」ことであり、二つ目は「彼ら同士の交流の場を保障する」ことであり、そして「彼らと課題を共有しつつ対話し、行動していく」ことではないでしょうか。
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障害児介助教員や、少人数推進委員のほとんどは、この夏に採用試験を受けた若い職員です。
一学期は、採用試験に向けての勉強をしながらの勤務になります。
また、ここにきて徐々にその勤務条件が整ってきたとはいえ、長期休業中は他のバイトをさがさなければならないことや、単年度的契約なので必ずしも次年度の勤務が保障されていないことなど、あいかわらず厳しい労働条件の中で仕事をしています。
一方、週 時間講師やカウンセラーの職員は「週に何日間だけの勤務」なので子どもたちとの交流があまりない中で指導をしなければなりません。
また、担任に連絡したいことがあっても、限られた日にちの中での勤務ですから、なかなか思うように進みません。
こういった勤務体制は、子どもとの関係がどうしても希薄になり、その指導をむずかしくしているばかりか、職員間の人間関係をもむずかしいものにしています。
また、単年度的契約の職員であるので、職員会議等で自分の意見を述べるのはむずかしいばかりか、批判的な意見などはなおさら述べることができません。二四学級規模の学校の中に、意見が言えない(言いずらい)職員が十名以上いることの重要性に気がつかなくてはならないのではないでしょうか。
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このような事情を知ったうえで大切なことは、「一人で悩む」ことのない環境をつくることだと思います。
これは、「悩みはない?」「困っていることはない?」などと私たちが聞いて回るのではなくて、彼ら同士の交流の場をまず保障することではないでしょうか。
たとえば、「少人数推進委員交流会」や「介助教員の会」が職場の中に、私的にも公的にもあってもいいし、それを保障していく職場であるべきだと思います。
これは、悩みを交流するだけでなく、その関係の中で職場や仕事に対する自分自身の要求の自覚にもつながるのだと思います。
次に、彼らとの対話の中で要求を聞き出しつつそれを実現していくことと、「子どもの指導」についての課題を共有しつつ対話していくことが大切なのではないでしょうか。
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以上のような職場は今後多くなってくると考えられます。「新たな多様化の中での職場づくり」が今、求められています。
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