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特集の解説
“鉄棒名人”をつくる指導のスモールステップ
千葉市立弥生小学校
根本正雄
鉄棒運動は、どのように指導していったらよいのであろうか。本特集では、鉄棒運動が上達するステップが示されている。
逆上がりの指導を例にすると次のような考え方ができる。逆上がりの指導をする中で学んだのは感覚運動の大切さである。
逆上がりのできない子供に共通していたのは、後ろに倒れることが苦手だということである。
つまり、逆さ感覚が育っていない。器械運動にとって逆さ感覚が大切であることを逆上がりの実践から学んだ。
鉄棒運動に必要な基礎感覚は、逆さ感覚、高さ感覚、回転感覚、振りの感覚、平衡感覚などがある。
低学年ではこれらの基礎感覚が育つように、次のような運動をしていく。
〇逆さ感覚 ブリッジ、足打ち、倒立
〇高さ感覚 ジャングルジム、跳び箱、鉄棒、うんてい
〇回転感覚 ゆりかご、横回り、前転、後転
〇振りの感覚 こうもり振り、足かけ振り、懸垂振り
〇平衡感覚 平均台歩き、片足ずもう、
鉄棒運動の最初のステップは、基礎感覚作りである。次のステップは基礎技能作りである。基礎技能というのは、逆上がりができるための下位技能である。
元筑波大学附属小学校の林恒明氏は兄弟運動と呼んでいる。具体的には、ジャングルジム逆上がり、登り棒で足抜き回り連続、足抜き回り、段階別台付き鉄棒などの動きづくりである。
感覚作りをした後、すぐに逆上がりの指導を行うのではなく、逆上がりにつながる基礎技能作りを行うようにする。
そして、基礎技能が身に付いた後に逆上がりの指導を行う。最後に課題運動づくりとして、逆上がりの指導を行っていく。
逆上がりの指導は両足踏み切りで行った後、片足踏み切りの練習をする。それぞれ、次の段階で練習をしていくようにする。
腰の高さで
胸の高さで
肩の高さで
頭の高さで
それぞれの高さで連続
高鉄棒で
片足踏み切りができたら、次は両足踏み切りである。
このようなステッツプを踏むことによって、誰でも逆上がりができるようになる。
できない子供がいる時に、どこでつまずいているのかがこのステップを見ればすぐに分かるようになっている。
基礎感覚ができていないのか、基礎技能が身に付いていないのか、片足踏み切りができていないのかを見ていけばよいわけである。
つまり、名人へのスモールステップは、逆上がりの診断表になっている。診断表をもとに、子供の動きを分析し子供の実態に即した指導を行っていけばよい。
本特集では、鉄棒運動の教材ごとのスモールステップを作り、具体的な指導法について紹介してある。内容は次のようである。
一、教材名
二、基礎感覚作り
三、基礎技能作り
四、課題運動作り
五、指導の実際(課題運動を中心に)
六、学習カード
どの子供も鉄棒が好きになり、鉄棒名人になれるようなステップが示してある。追試をされて、実際の効果を確かめていってほしい。
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- 明治図書