きょういくじん会議
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なぜ父子家庭にはない? 児童扶養手当
kyoikujin
2009/3/28 掲載
父親だからできること―威張らない、媚びない、子育ての秘訣

 3月6日の東京新聞の記事では、埼玉県朝霞市が父子家庭にも児童扶養手当を支給する条例案を市議会に提案すると報じていました。この記事を読んで、今までは支給されていなかったの? と思う方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。また、お子さんがいらっしゃらない方は、児童福祉手当についてもぴんと来ないかもしれませんね。この手当ては、どういった基準でいくら支給されるものなのでしょうか。そして、なぜ父子家庭では支給されていないのでしょうか。

 児童福祉手当とは、18歳未満の子どもや孫を養う家庭のうち、年収が365万円未満の世帯に、所得や扶養人数に応じて月額9850円〜4万1720円が支給されるというもの。国が3分の1、自治体が3分の2を負担しています。この手当ての支給条件から父子家庭が除外されている理由は、「父親の収入が母親より多い」ということ。

 06年の厚生労働省の全国母子世帯等調査によると、母子家庭の平均年収213万に対して父子家庭は421万と確かに多いものの、年収300万未満の父子家庭も37.2%を占めており、収入の格差が大きいと言えます。不況によるリストラ、また、育児のために残業ができないなどの理由で正規雇用されないケースなど、さらに低所得家庭の割合が増えていくことも予想されます。同じひとり親家庭なのに、なぜ父子家庭だけが支給されないのか、という不公平感がつのるのもうなずけそうです。

 冒頭の朝霞市のように国の負担ではなく、自治体が独自で手当てを支給している自治体もありますが、国が支援しなければ全国で困っている低所得の父子家庭を救うことはできません。そんな中、小渕少子化相が父子家庭が除外されていることは不公平だとして厚生労働相に検討を求めたという記事が13日の毎日新聞の記事にありました。性差ではなく、収入を基準にするなど、今後国をあげて制度の見直しがされていくことが期待されます。

 男手一つで子どもを支えるシングルファーザー。シングルマザーに比べると圧倒的に人数も少なく、女性同士のようにコミュニケーションを取りにくいのでは、とも思いましたが、シングルファーザーのブログや悩みの多いお料理レシピを紹介しているコミュニケーションサイトもあるようです。ひとり親でもがんばるお父さん、公平な権利を手に入れて、家事に育児に一層がんばって欲しいと願います。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
コメントの一覧
1件あります。
    • 1
    • 名無しさん
    • 2009/4/2 19:16:51
    小渕さん、ちょっとだけ見直しました。

    国はどういう理由で改善に踏み切らないのでしょうか。
    財源がないなら母子家庭の分を減額してでも父子家庭に支給するのが本当の平等ではないでしょうか。記事にもあるように「男のほうが稼いでいるから〜」と言うなら収入を基準にすれば済む話ですし。
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