きょういくじん会議
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子どもの目線で―チルドレンズ・ミュージアム
kyoikujin
2009/1/17 掲載
チルドレンズ・ミュージアムをつくろう―Knowledge begins in Wonder

 チルドレンズ・ミュージアムをご存知でしょうか。
 日本でもここ10年くらいで増えているようですが、発祥は1980年後期アメリカといわれ、現在、全米ではほとんどの州に各種のチルドレンズ・ミュージアムがあります。

 チルドレンズ・ミュージアムとは、簡単にいうと子どもが体験して楽しめる博物館(美術館)のことです。
 自由に触れて遊べる参加型の展示を取り入れたこどもたちを触発するチルドレンズ・ミュージアムは、ワークショップを通して、こども自身が内に秘める可能性を自ら遊びながら発見し、表現する手段と出会える場です。

 私たちが普通考えるミュージアムは、「Don't touch(触るな)」ですね。でも、チルドレンズ・ミュージアムは「hands on(体験型の・実践型の)」「Please touch(どうぞ触って)」です。最近では、展示物と積極的にかかわって、自分なりの解釈や意味を構成することが大切だということを強調して、「minds on」ともいうそうです。

 日本にはどのようなチルドレンズ・ミュージアムがあるのでしょうか。
 こどもの城沖縄ワンダーミュージアムは比較的有名でしょう。閉鎖された校舎を用いた篠山チルドレンズ・ミュージアム、世界的に有名な安藤忠雄氏の設計による兵庫県立こどもの館など、芸術、動物園、図書館、水族館、病院、科学館、絵本、自然科学など様々な種類のチルドレンズ・ミュージアムがあります。

 宮城県立こども病院九州大学医学部小児科もチルドレンズ・ミュージアムとされているのは興味深いです。宮城県立こども病院理事長兼院長の林富先生は、「こどもの権利を尊重し、こどもが主役となる医療を実践している」と述べられています。また、ホームページを見ると、建物や内装がおとぎの国のようになっていて、子どもがワクワクするような施設ということがわかります。

 チルドレンズ・ミュージアムは入場料も数百円と比較的安いので、是非足を運んでみては?
 そのときは、子どもだけ遊ばせるのではなく、大人も子どもの目線で一緒に楽しむことが大切ではないでしょうか。「チルドレンズミュージアム研究会の設立に寄せて」には、「自分の内部に連綿と息づく子ども性を再発見し、それを通してしか、今を生きる子どもたちに近づくことはできないということ、その子ども性を自覚することによって、現実の子どもたちと素敵な関係を築くことができ、さらに自分を真の大人にしてくれることだということ」と書かれています。

 子どものためだけではなく、大人のためにも親子のためにも、よい体験ができますように。

この記事は、『きょういくじん会議』の記事を移転して掲載しているため、文中に『きょういくじん会議』への掲載を前提とした表現が含まれている場合があります。あらかじめご了承ください。
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