楽しい算数の授業 2012年2月号
「言語力」を鍛える算数授業

S331

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楽しい算数の授業 2012年2月号「言語力」を鍛える算数授業

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ジャンル:
算数・数学
刊行:
2012年1月6日
対象:
小学校
仕様:
B5判 74頁
状態:
絶版
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目次

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特集 「言語力」を鍛える算数授業
「言語力」を鍛える算数授業
志水 廣
総論
子どもの表現の質を高めるために
日野 圭子
数直線図で鍛える言語力
佐々木 寿洋
考える能力と表現する能力
和田 裕枝
学年別実践事例
[1年]つながる言葉を大切にした算数の学習
纐纈 千春
[2年]もとにする思考や表現を大切に
長間 清人
[3年]「問い返し」で子どもの算数言語を引き出す
岡田 淳史
[4年]「はてな?」「なるほど!」「だったら…」のある算数授業を
種市 芳丈
[5年]三つの角度の和が180°になることを説明しよう
岡部 寛之
[6年]日々のよい授業の積み重ねが“言語力”を鍛える
一瀬 孝仁
算数科教育―私の提案 (第11回)
振り返りを大切にした授業をしよう
松尾 七重
自著を語る
『略案で創る中学校新数学科の授業』(全3巻)
國宗 進
算数教育ホットニュース (第119回)
授業研究と教材研究
銀島 文
ここが知りたい!算数授業何でもQ&A (第11回)
「わかる」ための手だて
志水 廣
どの子も伸ばす!特別支援教育のツボ&今月の算数授業チェック (第11回)
「伸びが分かる振り返り」を工夫しよう!
大羽 沢子
授業力アップ!今月の授業と発問
【1年】おなじ かずずつ
足立 絹子
〜具体物を動かし、絵や式に表そう〜
【2年】九九の活用
長谷川 濃里
〜どんな 計算に なるのかな〜
【3年】小数
野尻 幸志
〜数のたし算やひき算をしよう〜
【4年】変わり方
笹田 美帆
〜だんの数とまわりの長さとの関係を調べましょう〜
【5年】グラフづくり
室町 規代
〜グラフのよみ方をかんがえよう〜
【6年】割合を使って
北川 尚
〜全体を1とし、割合を考えて問題を解こう〜
わかる! できる! 算数授業の取り組み紹介 (第23回)
学ぶ意欲を高める算数科の授業―井手小学校―
中村 満
算数授業奮闘記 (第117回)
「スッキリ」の声が聞きたい
岩間 絵里
算数が好きになる問題
[1年]おなじ かずずつ わけよう!
宮川 修
[2年]3mれっ車を作ろう!
早川 祐紀
[3年]20をめざせ!
山根 靖弘
[4年]カードを集めよう
山田 裕明
[5年]丸い道でできた地図
河田 弘子
[6年]単位ルーレットをそろえよう!
山口 貴久
「足場」のある算数授業の新展開 (第11回)
読解問題を用いた算数授業事例(4)
石田 淳一
〜5年 式を読み発展的に考える授業〜
子どもの意欲を高める朱書き文例集 (第23回)
2月のノート指導と朱書き
井出 誠一
イチオシ! 板書紹介 (第23回)
概念の定義、活用、定着がわかる板書
志水 廣
〜第4学年 面積〜
算数の玉手箱―授業,教材,ゲームアイディア集 (第11回)
割合を身近に
斎藤 秀樹
〜5年【割合とグラフ】〜
子どもと楽しむ12か月 算数面白小話 (第11回)
面積の移動から角の移動へ
小畑 壽
編集後記
志水 廣
数検問題にチャレンジ! (第11回)
パンダの出生と成長の不思議
財団法人 日本数学検定協会
〜級:8級 単元:わり算 学年:4年〜

成功する算数授業D 「言語力」を鍛える算数授業

 言語力の育成が課題となっています。これは,国語科だけでなくて他教科でも育成すべきことだと提言されています。そもそも原点は,文部科学省の言語力育成協力者会議が発端だと考えます。そこでは,「言語力の育成方策について(報告書案)【修正案・反映版】」において,言語力について定義されています。

「1.基本的な考え方及び課題(1)言語力について

 この報告書では,言語力は,知識と経験,論理的思考,感性・情緒等を基盤として,自らの考えを深め,他者とコミュニケーションを行うために言語を運用するのに必要な能力を意味するものとする。」

 この報告書案では,「7.教科等を横断した指導の充実の考え方(2)教科・領域ごとの特質を踏まえた指導の充実」の項目において,算数・数学科について次の記述があります。

 〈算数・数学〉

○算数・数学科では,算数・数学を活用して考えたり判断したりする活動に重点をおき,その活動がよりよく行われるよう,言葉や数,式,図,表,グラフなどを用いて,筋道を立てて説明したり論理的に考えたりして,自ら納得したり他者を説得したりする指導を行うことが大切である。また,予測や推測を生み出しそれらを確かめたり,よりよい予測や推測をしたりするための指導を行うことも大切である。

○その際,帰納的な考え方や類比の考え方,予測や推測を検証するための演繹的な考え方をはぐくむ必要があり,それらの考え方をよりよく用いるために必要な言語力を身に付けさせることが期待される。例えば,事実の説明あるいは理由や手順の説明の仕方を身に付けさせることなどである。

 なお,指導にあたっては,根拠を基にして,ある事柄が「正しい」「正しくない」ということを明確に説明できるようにすることが期待される。

 これらの文面から解釈しますと,算数・数学の内容(数,量,図形)の概念形成にかかわって,問題解決するために算数・数学的な事実,方法,理由について,自分の考えを言葉で表現する力とみなされます。

 言語力育成がもとめられているのは,算数・数学の授業が,ともすると,式と答えの発表に終わりがちであったことに対する注意喚起だといえます。

 本号では,算数科における言語とは何か,子どもが使う算数言語とは何かについて,またそれらの言語力を伸ばすためにはどのような指導をすればよいかについて具体的な実践事例をご紹介します。


志水 廣 

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