- 特集 二〇〇六年・教育をふりかえる
- 今、「同和」教育の課題は
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- 同和行政論の再構築
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- 教育基本法改悪の内容と私たちの向き合いかた
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- いじめ自殺と「美しい国づくり」
- 「権利を基盤とする学校」づくりこそ
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- 二〇〇六年の人権をめぐる国際動向
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- グラビアと解説
- ASIAN New Years in Japan
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- 資料/国歌斉唱義務不存在確認等訴訟(「予防訴訟」)判決(抜粋)
- だまってられへん (第24回)
- ありがとう
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- ふくおか発 今Doki子どもたち (第21回)
- 長くて短い二学期に……
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- 生かされて―ヒロシマから未来へ (第12回)
- 未来の子どもたちに
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- 【コラム】ジェンダー論の練習問題 (第23回)
- 「フェミニズムは一枚岩ではない」と生殖医療
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- 元気のもとはつながる仲間 (第24回)
- 異議あり!と言い続けることを
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- 〜新しい出発の日に〜
- メディアリテラシーの次の一手 (第5回)
- 学校で映像作品を作る
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- 共生のトポス (第60回)
- みんなちがって、みんなでまじわる子どもたち
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- 〜新宿区大久保小学校・善元幸夫さん〜
- 解放教育・バックナンバー
- 461号〜472号・二〇〇六年四月〜二〇〇七年三月号
- 共生のトポス 英文簡略版
- Every Child is Different,yet Every Child can Come Together
- 編集後記
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編集後記
▼日本の教育史を後世の人が振り返るとき、二〇〇六年は特別な意味を込めて論じられることになるのではないでしょうか。とりわけ人権や部落解放などの視点に立って論じるとき、二〇〇六年は重要な意味を持っていたように思えます。
▼まず、教育基本法の改悪が強行されました。「憲法・教育基本法体制」と呼んできた第二次大戦後の日本の教育が、国家主義、国家主権の方向へと転換させられようとしています。教育基本法をめぐるタウンミーティングでも、主催者からの依頼によって質問や発言が誘導されたことが明らかになってきました。小泉政権の継承を唱える安部政権が誕生し、憲法の改悪をはじめ、右よりの政策をどんどん打ち出しつつあります。
▼また、いじめを原因とする子どもの自殺が連鎖的に広がっています。二〇〇六年に報道された子どもの自殺は、世の中にいまの教育の問題を印象づけました。いったいどうすれば止まるのでしょうか。さらに、高校などでの単位未履修問題が広く報じられました。以前からあったであろう問題が、この時期になぜ大きく取り上げられるに至ったのでしょうか。
▼部落問題に関連するところでは、大阪市・京都市・奈良市・八尾市などで部落解放運動の在り方や同和行政の在り方を問題視する報道が繰り返されました。このことは教育にも跳ね返り、各地で教育施策の後退が方針として打ち出されています。部落への偏見をあおる報道により、部落への偏見やうわさを安易に広げる風潮が出ています。被害は、直接部落の子どもたちに及んでいます。
▼二〇〇六年に怒ったこのような出来事はいかなる意味を持っているのでしょうか。そこで本号の特集では、二〇〇六年をさまざまな角度からふりかえっていただき、問題提起を受けたいと考えました。めまぐるしく変わる情勢の中、快く執筆を引き受けてくださった皆さんに、心よりお礼申し上げます。
▼本号で、下原隆資さん、林嵜和彦さん、松村智広さんの連載が終了します。執筆いただいた私はうれしかったです。それぞれの持ち味で本誌に、未来を創造する力を醸しだしていただいたと感じています。長い間、どうもありがとうございました。
(森)
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