国語教育 2023年8月号
あなたの知らない教材研究

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国語教育 2023年8月号あなたの知らない教材研究

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ジャンル:
国語
刊行:
2023年7月6日
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 130頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年5月7日
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目次

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特集 あなたの知らない教材研究
[提言]よりディープな教材研究のために
文学の教材研究に「深さ」を生む五つの視点
山元 隆春
説明文の教材研究に「深さ」を生む二つの視点
河野 順子
あなたの知らない教材研究 文学編
小学校1年/ずうっと,ずっと,大すきだよ(光村図書)
子どもの問いと経験を基に物語を読む
廣瀬 修也
小学校2年/スーホの白い馬(光村図書)
作品構造の複雑さを生かして
上月 康弘
小学校3年/ちいちゃんのかげおくり(光村図書)
読み解く五つのポイント
臺野 芳孝
小学校4年/ごんぎつね(東京書籍・学校図書・教育出版・光村図書)
「聞く」切実さから「語り」を読む
佐藤 宗大
小学校5年/注文の多い料理店(東京書籍)
<困った質問>と「語り手」を読む教材研究
黒瀬 貴広
小学校6年/海の命(光村図書)
価値の解釈,解釈の批評による読みの醍醐味
柳谷 直明
中学校1年/少年の日の思い出(東京書籍・三省堂・教育出版・光村図書)
語られなかったことに注目して読む
幾田 伸司
中学校2年/走れメロス(東京書籍・三省堂・教育出版・光村図書)
「走れメロス」の典拠を活用しよう
佐野 幹
中学校3年/故郷(東京書籍・三省堂・教育出版・光村図書)
「青白きインテリ」内省の語り
犬飼 龍馬
あなたの知らない教材研究 説明文編
小学校2年/ビーバーの大工事(東京書籍)
問いとリアルを大切にした教材研究
青山 之典
小学校3年/すがたをかえる大豆(光村図書)
教材の特性を柔軟で多彩な学習に生かす
正木 友則
小学校5年/まんがの方法(教育出版)
個別最適な学びに対応した教材研究
山田 博史
小学校6年/ぼくの世界,君の世界(教育出版)
解釈のクセに自覚的になる
篠崎 祐介
中学校1年/「言葉」をもつ鳥,シジュウカラ(光村図書)
筆者の主張と問題意識の関係を捉える
村井 隆人
中学校2年/黄金の扇風機 サハラ砂漠の茶会(東京書籍)
反復・類比表現を追う
辻村 重子
あなたの知らない教材研究 古典編
中学校1年/竹取物語(光村図書)
編集会議を開こう―貴公子への難題比較―
清田 朗裕
中学校2年/平家物語 扇の的(那須与一)(東京書籍・三省堂・教育出版・光村図書)
朗読でめぐる『平家物語』の旅
菊野 雅之
中学校3年/おくのほそ道(立石寺)(教育出版)
古文を読み,古文を書くために
河内 昭浩
【特別付録】もっと深い教材研究のための文献ガイド
国語教師のための「テクスト論」超入門 (第5回)
「表現」との付き合い方
上谷 順三郎
小学校 教材別 今月の子どもの「問い」から展開する授業づくり (第5回)
思考や学びの自覚を促す書く活動
立石 泰之
1年/おもいうかべて よもう
中河原 絵里
〜領域:読むこと 教材:くじらぐも(光村図書)〜
2年/しをたのしもう
星野 直樹
〜領域:読むこと 教材:雨のうた(光村図書)〜
3年/場面をくらべながら読み,感想をまとめよう
矢野 裕紀
〜領域:読むこと 教材:ちいちゃんのかげおくり(光村図書)〜
4年/題名の意味を考えよう
宮原 佳太
〜領域:読むこと 教材:一つの花(東京書籍)〜
5年/資料を用いた文章の効果を考え,それをいかして書こう
田中 充
〜領域:読むこと,書くこと 教材:固有種が教えてくれること/グラフや表を用いて書こう(光村図書)〜
6年/自分の「問い」を追究し,自分が強く感じたことについて語り合おう
橋爪 克
〜領域:読むこと 教材:海のいのち(東京書籍)〜
中学校 教材別 今月の発問づくり講座 (第5回)
二項対立で学ぶ発問論
幸坂 健太郎
〜ゆれる/ゆれない(2)〜
対話でアップデート!授業を磨く発問教室
1年/読書生活を豊かに 領域:知識及び技能(読書) 教材:本の中の中学生(光村図書)
籬 泰斗石川 晋
2年/登場人物の言動や情景を表す語句に着目し,物語の“謎”に迫ろう 領域:読むこと 教材:盆土産(光村図書)
田中 大地菅原 整
3年/「型破りな文章」の主張と例示の関係を読み,文章の構成を評価しよう 領域:読むこと 教材:async―同期しないこと(教育出版)
佐々木 来望金田 昭孝
「個別最適」な国語授業づくり (第5回)
「話すこと・聞くこと」の授業づくり3
蓑手 章吾
〜討論会〜
漢字学習 Re デザイン (第5回)
学校教育で筆順をどう指導するか
栗林 育雄
スキマ時間に使えるミニ活動アイデア (第5回)
「ことばあつめ」で関わろう
弥延 浩史
国語教育の実践情報 (第89回)
小学校/全国学力・学習状況調査問題について
大塚 健太郎
〜大問1〜
中学校/令和5年度全国学力・学習状況調査の解説資料について
鈴木 太郎
わが県の国語ソムリエ (第135回)
大分県
花坂 歩
編集後記
大江 文武
今月号 掲載教材一覧

編集後記

 松本修(2022)は,読むことの教材論の現在地として,「学習のデザインや学習過程研究を欠いた教材論は意味がないという認識が次第に共有されている」状況がより進んだと述べ,加えて,「このことは,行き過ぎると「教材論の不在」という状況を生み出しかねない。」という危惧を提起しています。小誌で「教材研究」特集を組む際も,4頁1記事というフォーマットの中で教材論と学習過程論をどのように関連付け,どのような比重で構成いただくことがよりよい形なのかということは,毎年最も頭を悩ませる部分です。そのような中,今年は,「学習過程論なき教材論」「教材論なき学習過程論」のいずれにも陥らないことを念頭に置きながらも,普段の4頁ではなかなか届けられない範囲まで「教材論」をもうひと段階深めていただきたいと考えました。松本修(2022)は,「教材研究という領域を研究の繋がりとして維持していくためには,実践者も研究者も,程度の違いはあっても先行研究の渉猟と,読みにかかわる可能性のある細部の精緻な読みという手続きは踏まなければならないであろう。」とも述べています。特集題に掲げた「あなたの知らない」という前置きは,今号が目指す内容の「深さ」を示すのみならず,読者の先生方に,(指導経験の多寡にかかわらず)授業の出発点として「知る」ことを止めてほしくないという思いを乗せています。付録の「文献ガイド」も合わせて,お役立ていただければ幸いです。


   /大江 文武


〈引用〉松本修(2022)「1 読むことの教材論に関する研究の成果と展望」全国大学国語教育学会編『国語科教育学研究の成果と展望 V』溪水社,185〜192頁

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      明治図書
    • 研究授業のネタ作りに参考になった。教材を表面的にすくって終わりではなく、教材をどこまで深く追求し、それを生徒らに見せるかがポイントだと思った。
      2023/12/1720代・中学校教員
    • 教材研究の仕方から、単元計画まであり分かりやすかったです。なかなか、単元計画まで結びつくものなかったように思うので嬉しいです。文献ガイドも良かったです。
      2023/8/2430代 主任教諭
    • 表層読みと深層読みという観点で 教材研究する手法が新鮮だった また、繰り返される叙述に着目し、微妙な変化の要因を探る活動は 物語を深く味わう有効な手だてだと考える 深層よみの構造よみ、形象よみ、吟味よみの観点で教材研究を行い、児童にとって、より主体的な学習にしていきたい
      2023/7/1560代 教員 学び続けます

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