- まえがき
- 本書の使い方
- Part1 入門期に楽しくできる! 音読活動&ゲーム
- 1 音読事始め 背中合わせ音読
- 2 音読ビンゴ
- 3 音読チャンツ
- 4 連結読み
- 5 絵で見て音読 基礎バージョン
- 6 絵で見て音読 発展バージョン
- 7 あいづち読み
- 8 床置き読み
- 9 リピート数増やし音読
- 10 英文数増やし音読
- 11 Read and take notes
- 12 15秒待ち音読
- 13 速読み競争
- 14 主語変え音読
- 15 Who am I ? 音読
- 16 音読伝言ゲーム
- Part2 ペア・クラスで盛り上がる! 音読活動アイデア
- 1 足し算音読 基礎バージョン
- 2 足し算音読 発展バージョン
- 3 引き算音読
- 4 次の単語は何?
- 5 Read,look up and hold!
- 6 自慢読み
- 7 訂正読み
- 8 線引き音読
- 9 仲間はずれ文削り音読
- 10 強調音読
- 11 サークル読み
- 12 動詞形変え音読 基礎バージョン
- 13 音読ゆっくりリスポンス 英⇒日バージョン
- 14 音読ゆっくりリスポンス 日⇒英バージョン
- 15 音読クイックリスポンス 英⇒日バージョン
- 16 音読クイックリスポンス 日⇒英バージョン
- 17 最後の文を読んだらアウト!
- 18 行列のできるダイアログ暗唱
- Part3 文法力がぐんぐんアップ! 音読活動アイデア
- 1 3ステップ虫食い音読
- 2 音読 3・2・1
- 3 音読筆写 4・3・2
- 4 5語ずつ消して
- 5 黒板消し音読
- 6 サンゴ読み
- 7 動詞形変え音読 発展バージョン
- 8 Backward reading and reproducing
- 9 最後の単語は聞き取れない
- 10 文つなぎ音読
- 11 並べ替え音読
- 12 Read, speak, listen and write
- 13 Information gap reading
- 14 音読リレー 基礎バージョン
- 15 音読リレー 発展バージョン
- 16 暗唱コンテスト
まえがき
音読活動には,いくつかの目的があると考える。
まずは,正確に音を発すること。ひとつひとつの単語の音をきちんと発音するだけでなく,文レベルになると音の連結が起きることを教える。私の経験では,生徒は音の連結を知らないことが多いが,連結を知らないと英語の発話として不自然になるだけでなく,リスニングの妨げにもなる。英語のリズムに慣れさせることも必要だろう。これらは音読の初歩であり,入門期の段階で指導しておきたい。
2つ目の目的は,英文の意味と仕組みを理解したものをしっかり定着させることである。音読は黙読と比べて,文の意味や仕組みへの注意が向きにくくなり,空読みになりやすいので,文の意味や仕組みを考えさせながら,ゆっくりとしたペースで読む活動をさせる必要がある。言い換えると空読みをさせないための音読が必要といえる。
3つ目の目的は,2つ目の目的で音読し,意味と仕組みのわかった文章を自分のものにすることである。2つ目の活動と同じ文章を用い,できるだけナチュラルスピードで読むという練習をさせる。
4つ目の目的は,音読から,再生活動につなげることである。これは,一番難易度の高い音読活動といえる。3つ目までの目的で定着した英文を,生徒が自分の力で再生できるようにする。再生は音声を通してのみでもよいが,筆写と組み合わせてライティングにつなげるのも効果的である。
本書ではこれらの4つの目的の活動をまんべんなく取り入れたつもりである。また,クラス全体,ペア,1人で行う音読など,授業形態にもバリエーションを持たせた。ゲーム的な活動も取り入れ,生徒が楽しんで音読活動ができるように工夫してある。
さらに,紹介した音読活動の中には,音読しながら語彙の定着を促進するよう,工夫してあるものも少なからずある。「音読はしたけれど,その英文が自分のものにならない」ということのないように,さまざまな活動に工夫を取り入れてある。
音読は,英語の語彙を覚えるのにも,文法を習得するのにも効果的であり,英語力の基礎を作るうえで重要な活動である。生徒が音読活動を楽しいものと感じ,自宅学習のときでも,自主的に音読をするようになれば,幸いである。
2011年8月 /岡田 順子
注:空読みとは,文の意味や仕組みを理解しない状態で,音のみをオウム返しのように繰り返す音読のこと。
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