- はじめに 〜ブログをはじめませんか?〜
- ChapterT ブログで情報発信! の予備知識
- 1 ブログを使った情報発信はここが違う!
- 1.1 Easy! Webでは大変だった更新が簡単にできる
- 1.2 Timely! 簡単な更新で時期を逃さない情報発信
- 1.3 Messege! 思いを伝える場になる
- 1.4 Community! 双方向が期待できる
- 2 こんな問題にどう対処するの? 学校におけるブログ留意点
- 2.1 知っておきたい著作権
- 2.2 個人情報の注意点
- 2.3 「全員」を保証できない現状
- 2.4 更新の頻度
- 2.5 教師がどれだけ目をかけるかという問題
- 2.6 担当者の異動と情報発信の維持
- ChapterU とにかく開設! ブログの作り方
- 1 あなたが本当に必要なのはブログ?
- 1.1 「日付順」に情報を記録していくことがブログの基本
- 1.2 情報の「フロー」と「ストック」を区別する
- 1.3 どんなやりとりを期待するか?
- 2 ブログを作成してみよう! 〜学校の導入プラン〜
- 2.1 導入ストーリーをイメージしよう
- 《プラン1》学校のホームページをブログにしよう!
- 《プラン2》自分の学級の様子を保護者にブログで発信しよう!
- 《プラン3》まずは個人ブログでお試し気分から!
- 2.2 どこにブログを設置するか?こちらも3通り!
- A)ブログサービスを利用する
- B)学校の公式Webサイトを公開しているサーバーに設置する
- C)校内のサーバーに設置する
- 3 ブログの基本,エントリーとカテゴリ
- 3.1 さっそく投稿してみよう!
- 3.2 写真・画像をアップしてみよう!
- 3.3 カテゴリを工夫しよう!
- 4 ブログならできる,こんなこと!
- 4.1 ひとこと感想を交換する ――コメント機能
- 4.2 お互いの「いいところ」を引用しよう ――トラックバック
- 4.3 最新情報を自動で発信! ――RSS
- 4.4 読書紹介もブログなら画像つき! ――ISBNコードの活用
- 4.5 携帯電話からも投稿&閲覧! ――モブログ
- ChapterV どんなブログがあるの? 全国における教育ブログ先駆的事例
- 1 授業でブログを使う
- 事例1-1 わたしたちとユニバーサルデザイン(小学校)
- 事例1-2 デジタルポートフォリオそして学習交流サイトとしての活用(小学校)
- 事例1-3 ネット上での人と人とのつきあい方を学ぶ(小学校)
- 事例1-4 ブログを使った情報の発信・交流(高校)
- 2 学級通信としてブログを使う
- 事例2-1 学級通信の補助として(小学校)
- 事例2-2 紙面の学級通信を補うブログ(小学校)
- 3 学校通信としてブログを使う
- 事例3-1 幼稚園におけるブログ活用(幼稚園)
- 事例3-2 学校の「今」を伝える校長ブログ(小学校)
- 事例3-3 学校ブログで毎日が授業参観(小学校)
- 事例3-4 ブログで楽々!学校ホームページ毎日更新(中学校)
- 4 教育関係者のブログ実践
- 事例4-1 教育用ブログの開発(企業)
- 事例4-2 教育実践ポートフォリオで自分を磨こう(教師)
- 事例4-3 教員研修の場としての活用(教師)
- 事例4-4 教育プロジェクトでのブログ活用(小学校)
- 事例4-5 教育活動の一環としての水族館長からのブログ(水族館)
- ChapterW そこが知りたい! ブログQ&A
- Q1 日記とブログの違いは?
- Q2 既に学校のWebサイトがある場合は?
- Q3 さまざまなブログサービスがあるけど,どこが便利?
- Q4 ブログを多くの人に見てもらうためのコツって?
- Q5 ブログに妙なコメントが!どうしたらいい?
- Q6 どのくらいの人が見にきているのか知りたい!
- Q7 もっと簡単にどこからでも投稿できるようにしたい!
- Q8 ブログの活用方法の研修はどうやったらいい?
- Q9 仲間内のサークルでブログを使いたい!
- Q10 学校ブログを続けるには?
- 付録:ブログにおける用語解説
○はじめに○
〜ブログをはじめませんか?〜
学校のウェブページを公開するところが多くなった。試しに自分の出身校を検索してみると,現在はほとんど存在するのではないだろうか(ちなみに,札幌の私の出身幼稚園,小学校,中学校,高等学校はすべて充実したウェブページを公開している)。しかし,なかなか簡単に新しいページや内容をアップすることはできない。ITに堪能な教師以外の教員が気軽に更新することが難しいからだ。
そんな中,ブログが登場した。
ブログとは,「ウェブ」と「ログ(記録)」を合わせた言葉。ネット上に記録や日記を気軽に積み重ねていくものだ。これまでウェブで発信するとなると,それなりの知識も必要で,精通している人間じゃないと大変だったが,ブログの登場でワープロで文字を入力するのと同じくらいの手間になった。つまり,これまでインターネットでの情報発信に縁のなかった人たちも参加するようになってきた。そのため,企業や特定の団体,芸能人・有名人が情報発信の場としてブログをたちあげたり,動物・趣味・はては韓国ドラマまで,各種ブログを見ることができる。気軽さゆえ,その数は爆発的に増えている。
そんな中,教育の世界にもブログは広まりつつある。これまで電子情報ネットワークによる情報発信や情報交流はそれなりに敷居が高かった。扱うのが難しい分「インターネットで交流」「情報発信」それ自体が目的化していた。しかしこれは本末転倒な話だ。何について交流するのか何を発信するかが問題であって,本来このようなツールや場は透明になるべきだ。ブログの登場でようやくそのような敷居が少し低くなってきた感がある。つまり,そこで何をするのかに集中できるようになってきたと言ってもいい。ますます技術は進んでいくだろうし,使いやすくなっていくはずである。そんな今だからこそ,本書を世に出した。まだまだ難しいと感じるか,これなら私にもうちの学校にもやれそうだと思うか,ぜひご判断いただきたい。
本書では,第1章で,まずブログを学校教育で活用する利点をあげる。しかし,簡単で便利なブログではあるが,そのことによって起こる問題も考えておく必要がある。そこで次に留意点をおさえている。それらを踏まえた上で,第2章ではブログの作り方についてくわしく解説する。このへんでそろそろ「先進的に開設・活用しているところは実際にどうやってるの?」ということが気になるはずだ。そこで第3章では「授業で使う」「学級通信として使う」「学校通信として使う」「教育関係者のブログ実践」にわけて全国における教育ブログ先駆的事例を紹介する。最後に第4章でQ&Aをつけてある。
本書作成に際して,(社)コンピュータソフトウェア著作権協会専務室の太田輝仁さんに特に著作権のアドバイスをたくさんいただいた。また,根気強く原稿を待ってくださった編集部の真鍋恵美さんに心から感謝したい。彼女がこの企画を私に持ち込んでくれ,世に出ることが実現した。
本書がこれから学校や教師自身がブログを使おうとするそのアシストになれば幸いだ。
編者を代表して 2006年4月 /中川 一史
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- 明治図書