- はじめに
- 本書の使い方
- 水と遊ぼう
- Scene1 みつけよう! 感じてみよう!
- ☆雨が降ってきたよ
- ☆雨があがった!
- ☆水って不思議
- ☆川っておもしろい!
- Scene2 ためしてみよう! つくって遊ぼう!
- @雨,いただきま〜す
- A雨の音くらべ
- Bジョーロの絵描きやさん
- C水中絵描きやさん
- D水の引っ越し
- Eホースで水平ロケット
- Fそして,ジュースやさん
- G色水すべり台
- H手づくりシャワー
- I手動!流れる魚釣り
- J手づくりジョーロ
- K百面相!おばけ退治
- Lシャボン玉をつくろう
- Mメロンソーダはいかが?
- <水太郎くんのおしゃべりコーナー>/ <水のことば>
- 砂や土と遊ぼう
- Scene1 みつけよう! 感じてみよう!
- ☆砂場って楽しい!
- ☆いろんな土であそぼう
- Scene2 ためしてみよう! つくって遊ぼう!
- @砂場のワンダーランド建設
- A地面を彫って当てて
- B砂絵・泥絵
- Cさらさらの粉づくり
- D砂場で宝探し
- Eお菓子アラカルト
- Fカレーにお寿司,フライをどうぞ!
- G砂の音楽会
- H瓦粘土 使ってよし!
- <土太郎くんのおしゃべりコーナー>/ <砂や土のことば>
- 草花や木と遊ぼう
- Scene1 みつけよう! 感じてみよう!
- ☆春を感じて お庭の探検
- ☆夏のおわり 冬のはじめ
- Scene2 ためしてみよう! つくって遊ぼう!
- @たんぽぽのヒミツ
- A葉っぱの舟とひこうき
- B草花のアクセサリー
- Cクローバー,木蓮の実のジュース
- D香水やさん
- E押して たたいて 色染め工場
- F茎ずもう
- G枝であそぼ☆
- H葉っぱの模様でお楽しみ
- Iドングリあそび
- <リーフちゃんのおしゃべりコーナー>/ <草花や木のことば>
- 風と遊ぼう
- Scene1 みつけよう! 感じてみよう!
- ☆風が吹いたら
- Scene2 ためしてみよう! つくって遊ぼう!
- @そよ風とあそぼう
- A今日はチャンス!袋凧
- B風をつくろう
- C走れ!?こいのぼり
- <風太郎くんのおしゃべりコーナー>/ <風のことば>
- 光と遊ぼう
- Scene1 みつけよう! 感じてみよう!
- ☆太陽の光
- Scene2 ためしてみよう! つくって遊ぼう!
- @発泡トレイのステンドグラス
- Aステンドカラーシールで福笑い
- B好き透き☆お手紙
- Cミラー光線で おばけをやっつけろ!
- <光ちゃんのおしゃべりコーナー>/ <光のことば>
- 石と遊ぼう
- Scene1 みつけよう! 感じてみよう!
- 石・石・石
- Scene2 ためしてみよう! つくって遊ぼう!
- @石ころ白黒あそび
- A石ならべアート
- Bホットな石で,温泉づくり
- C石ころスゴロク
- <石太郎くんのおしゃべりコーナー>/ <石のことば>
- 雪と遊ぼう
- Scene1 みつけよう! 感じてみよう!
- 雪が降ったよ 積もったよ
- Scene2 ためしてみよう! つくって遊ぼう!
- @雪のリビング
- A雪玉積み上げ〜む
- B霧吹き絵
- Cアイスデザートをどうぞ
- <雪太郎くんのおしゃべりコーナー>/ <雪のことば>
- 資 料
- 自然素材 くみあわせ遊びヒント/ 自然素材の活躍☆今と昔/ 自然造形作家のアート/世界の遺跡から/ 自然と友達になる歌/ 自然と友達になる絵本
- おわりに
はじめに
あれは小学生になりたての頃だったでしょうか。小さな庭のうっそうとした茂みの中,堅い葉っぱが頬を触り,蜘蛛の巣に触れないように顔をよけ,足下にいろいろな草花を見つけ…。なんだか秘密の世界を見つけたような気がしました。隣の空き地には大きな岩がゴロゴロあり,その一番高い岩のてっぺんにいかに早く駆け上がるかを友達と競い合っていました。秋の日,空が茜色になると赤とんぼの軍勢がやってきて,木の杭の先にとまったとんぼの目を真剣に回そうと息をひそめました。時々,縁に触れて思い出すこんな場面が,私の心をなんとも穏やかで広々とした気持ちにしてくれます。と同時に,自然はなんと多様な表情を私たちに見せてくれているのか,と思うのです。もう相当前の話ですが,不思議とその時の感触,感情,音や匂いがよみがえります。このような体験はきっとみなさんが持っていらっしゃることでしょう。
本書では,自然と遊ぶ中で感じたこと,知らず知らずのうちに学んでいることを意識してとらえ,そこで経験されていることを7つの自然素材を窓口に整理してみました。特に幼児期の子どもは感性のアンテナを敏感に張りめぐらせ,心も大きく動きます。心が動いた分,心が動いた方向へ体も頭も動き出します。今まで何気なく見てきた子どもの遊びを丁寧に観察し,自然素材の性質からも遊びをとらえなおしてみると,遊びの楽しさの質,感じ方や学び方は子どもの数だけあり,環境によって変化することが見えてきます。そんな場面を少しでも取り上げて,幼児理解や保育の援助に生かすことができたらと思い,感じる力を育む,という観点から保育環境について考えてみました。
ある先達は次のように語っています。「月光を『地球の衛星による太陽光線の反射』と見るのが科学の目だとしたら,例えば『光のプレゼントが妙なる夜を限りなく彩る』と観るのが詩人の眼であろう。大切なことは,どちらも偽りではないことだ。」と。また,ある先達は,「これからの真の教育とは,“科学の中に詩”を,“数学の中に美とエレガンス”を感じる人々をつくりだすことだ。」と述べています。ここに,感性と知性は別々のものではなく,また,互いに必要なものであることを感じるのです。
本書が,子どもの豊かな育ちのために,そして,日々現実の保育に奮闘される方々のご参考になれば,存外の幸せです。
2008年2月 /石倉 卓子
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- 明治図書