- はじめに
- 本書の使い方
- 第1章 保育に役立つ造形アイデア50
- 紙
- (1) 折り紙でつくろう
- (2) 画用紙であそぼう
- (3) 紙版画をつくろう
- (4) 色画用紙でつくろう
- (5) 新聞紙でつくろう
- (6) チラシでつくろう
- (7) 紙皿でつくろう
- (8) 紙コップを活かしてつくろう @
- (9) 紙コップを活かしてつくろう A
- (10) 紙パックでつくろう @
- (11) 紙パックでつくろう A
- (12) 段ボールを使ってつくろう @
- (13) 段ボールを使ってつくろう A
- 木
- (14) 木の板でつくろう
- (15) 木の枝でつくろう
- (16) 木の葉でつくろう
- (17) 木の実であそぼう
- (18) 竹でつくろう
- 石
- (19) 石であそぼう @
- (20) 石であそぼう A
- 粘土
- (21) 紙粘土でつくろう
- (22) 土粘土でつくろう @
- (23) 土粘土でつくろう A
- (24) 小麦粉粘土でつくろう
- (25) 油粘土であそぼう
- (26) 泥であそぼう
- 砂
- (27) 砂であそぼう
- 金属
- (28) モール・はりがねでつくろう
- (29) アルミホイルでつくろう
- (30) 釘を打ってみよう
- プラスチック
- (31) 洗濯ばさみであそぼう
- (32) ストローを活かしてつくろう
- (33) ペットボトルでつくろう
- (34) プラスチック容器でつくろう
- (35) スチレン版画をつくろう
- ゴム
- (36) 消しゴムでスタンプであそぼう
- (37) 輪ゴムであそぼう
- ビニール
- (38) ビニールでつくろう
- 布
- (39) ひも・毛糸であそぼう
- (40) 布でつくろう
- セロハン・マスキングテープ/トレーシングペーパー
- (41) 光であそぼう @
- (42) 光であそぼう A
- 絵の具
- (43) 色水であそぼう
- (44) モダンテクニック @
- (45) モダンテクニック A
- 画材
- (46) クレヨン・パスで描こう
- (47) 鉛筆・色鉛筆で描こう
- (48) 水性ペンを使ってあそぼう
- 用具
- (49) はさみを使おう
- (50) のりを使おう
- 第2章 造形指導の基礎知識
- 基礎知識
- (1) 幼稚園教育要領の改訂と造形表現
- (2) 保育所保育指針の改定と造形表現
- (3) 絵の発達について
- (4) 造形の発達(立体造形)について
- (5) 保育造形のあゆみ
- (6) 絵の具の種類や使い方
- (7) 色彩の表現
- (8) 環境づくりと援助
- (9) 指導案の書き方
- (10) 造形活動のQ&A
はじめに
教育基本法・教育三法が全面改定され,一昨年は幼稚園・保育所の現場にとって大きな局面を迎えた年となりました。2009年4月より施行されている新幼稚園教育要領には「生きる力の基礎を培う」ことを目的とし,子どもの育ちや社会の変化に対応するため,育ちや学びの連続性や地域社会との交流・連携の重要性が記されるようになりました。同時に,新保育所保育指針の目標である「豊かな人間性の育成」は,健やかな子どもの育ちを支えるという点では,幼稚園にも共通しています。そして,就学前の幼稚園や保育所での様々な体験が,小学校での教育の基盤としてつながっていくという点が強調されたのも大きな特徴です。
それでは,小学校での教育はどうでしょうか。小学校も新しい学習指導要領が2011年から完全実施されるため,授業時間数や学びの内容も変わっていきます。現在,一部の教科では,内容の部分または全体が学校の判断で先行実施することができるようになっています。
その対象となっている図画工作は,幼稚園・保育所の「表現」とのつながりがあり,他の教科との関連性をはかるとともに,就学前での体験を踏まえながら指導の効果を高めていくことが大切とされています。今回の改訂では,各学年で扱う材料や道具について明確化され,学年を軸にして材料や道具の適切な扱い方が弾力的に理解できるように配慮されています。
本書は,このような子どもの造形活動の現状をふまえながら,美術教育を専門領域とする教員が中心となって作成しました。著者は「あいち幼児造形研究会」の研究者で,愛知を中心として教育・保育者養成校で指導に携わる教員です。
大学・短期大学を卒業し,保育者として子どもの造形に関わる者が身につけておくべき基礎的な材料や道具についての知識や扱い方,造形教育の基礎が理解できるように工夫がされています。学生時代から図画工作や美術が何となく苦手と思っている保育現場の指導者が,アイデアブックのように活用することもできます。
教育・保育の現場からは,表現(造形)の指導援助をするのが不安なのでどうしたらよいか教えてほしいという相談を受けることも少なくありません。子どもの頃は,描いたりつくったりすることが大好きだったのに,なぜか年齢や経験を重ねると嫌になったり苦手意識が生まれてくるようです。本書を手に取った方が,造形活動のワクワク感や楽しさを思い出して,子どもたちといっしょに生き生きと活動ができることを心から期待しています。
平成22年4月 あいち幼児造形研究会 代表 /淺野 卓司
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