- はじめに
- 第1部 3・4歳児 集団ゲームの教育的価値
- 第1章 集団ゲームの教育的意味
- 1 幼児教育の本来の意義
- 2 遊びの特徴
- (1) 遊戯的遊びの特徴
- (2) 象徴的遊びの特徴
- (3) ゲーム的遊びの特徴
- 第2章 集団ゲームの効果的指導法
- 1 指導者とは
- 2 集団把握の技術
- (1) プログラム展開に必要な条件
- ※年齢
- ※興味
- ※環境と施設
- ※目的
- ※性別
- ※人数
- ※時間
- (2) 隊形と指導者(保育者)の位置
- 3 指導者の留意点
- 4 まとめ
- (1) 子どもの遊びと環境を考える
- (2) 子どもの発達を促すかかわり方を考える
- 第2部 集団ゲームの実践例
- ◎言葉や指示を楽しむゲーム
- @はな,はな (3歳児)
- A飛んだ,飛んだ (3歳児)
- B大きなちょうちん (3歳児)
- C座りっこ (3歳児)
- Dゴロゴロ・ドスン (3歳児)
- Eトントン・どこ (3歳児)
- F好きですか・「ハイ!」 (3歳児)
- Gストップ・ポーズ (3歳児)
- Hドラえもんが言いました (4歳児)
- Iつくろ,つくろ (4歳児)
- Jさわって・さわって・さわって (4歳児)
- K食べた,食べた (4歳児)
- L出たり・入ったり・動いたり (4歳児)
- M手を上げないで,足上げて (4歳児)
- Nタイ・タコ (4歳児)
- Oタンブリンはどこ! (4歳児)
- Pあめ・かぜ・ゆき (4歳児)
- ◎逃げる,捕まえるを楽しむゲーム
- @先生は,ネズミよ! (3歳児)
- A先生は,鬼だよ! (3歳児)
- B先生は,カミナリさんだ! (3歳児)
- Cどっちに逃げる (3歳児)
- Dカミナリさん (3歳児)
- Eオオカミさん (3歳児)
- Fいろいろ・鬼ごっこ (4歳児)
- G宝のボール (4歳児)
- Hてんしとあくま (4歳児)
- Iアヒルとガチョウ (4歳児)
- J宝物を取り戻せ (4歳児)
- Kトン,トン,トン・おばけさん (4歳児)
- L引越しだ! (4歳児)
- M鬼さんどこに (4歳児)
- N前の子をタッチせよ! (4歳児)
- Oボールを渡せ! (4歳児)
- ◎技を競ったり,走ったりを楽しむゲーム
- @バケツに!!入れろ (3歳児)
- Aぼくらは冒険家 (3歳児)
- B回って・回って・しっぽ取り (3歳児)
- Cみんなで,おそうじ (3歳児)
- D大きなサイコロ (3歳児)
- Eまねっこ・イス取りゲーム (3歳児)
- Fフープで競争 (4歳児)
- Gタワーをつくろう (4歳児)
- H1本道でジャンケン (4歳児)
- Iボールの宅配ゲーム (4歳児)
- J島から・島へ (4歳児)
- K台風は目が回る (4歳児)
- L後ろ向き・玉入れ (4歳児)
- M赤・白玉入れ (4歳児)
- N1人玉入れ (4歳児)
- Oまねっこ・イス取り (4歳児)
- ◎物を隠したり,当てたりを楽しむゲーム
- @ニワトリとヒヨコ (3歳児)
- Aドロボウから家を守ろう (3歳児)
- Bコインはどっち (3歳児)
- C迷子は,だれだ!! (4歳児)
- D顔隠しかくれんぼ (4歳児)
- E渡したのは,だれだ (4歳児)
- F宝探し (4歳児)
- G音はあなたがもっている (4歳児)
- H靴隠し (4歳児)
- I私は,だれでしょう (4歳児)
- Jガラガラ・決闘 (4歳児)
- ◎カードゲーム(数)を楽しむゲーム
- @カードを探そう! (3歳児)
- A自分のイスを探せ! (3歳児)
- Bみんな集まれ! (3歳児)
- Cお友達カード (4歳児)
- D入れ替えゲーム (4歳児)
- Eサイコロの目を出し,家族をつくれ! (4歳児)
- F家族を探せ! (4歳児)
- G数が多い方が勝ちだよ (4歳児)
- Hストップ・タッチ (4歳児)
はじめに
多くの大人(保育者)から見ると,幼児の遊びは生活であり仕事なのです。また,幼稚園先生や保育園先生は子どもの目線で物を見て,子どもの心で接しなくてはいけませんと言われます。言葉として,考え方として間違ってはいないと思いますが,私自身には少し納得のいかない言葉なのです。
本当に幼児の遊びは生活なのでしょうか。ましてや,子どもたちは仕事だと思っているのでしょうか。
大人(保育者)が本当に子どもの目線や心をもって接すると言うならば大人(保育者)は子どもたちの何を知っているのでしょうか。
第一に知らなくてはならないことは,子どもの遊びが生活であり仕事だと言うならば,遊びそのものの特徴や特性を知らなくてはなりませんし,子どもの目線や心になってと言う部分は大人(保育者)は,子どもの発達の筋道をしっかり知らなければならないと考えます。
つまり,子どもにとって遊びとは何か,遊びを通して子どもたちが何を知得しているのかを明らかにしなければ,子どもの目線も心も知ることにつながらないものなのです。
また,子どもたちは生活として遊ぶ中から勉強(学習)をしていると信じ,遊びを強制的に近い方法で教え込む姿さえ見えることもあります。
私は,こんな疑問をもちなぜ子どもの遊びが大切なのか,子どもが遊びを通して何を知得しているのかを明らかにするために「幼児が熱中する集団ゲーム5歳児編,3・4歳児編」「子どもの発達を考えたボール遊び5歳児編,3・4歳児編」(いずれも明治図書)の4冊を書きました。
この4冊の続編として,今回さらに子どもと遊びの関係を新たにし「続・幼児が熱中する集団ゲーム3・4歳児編,5歳児編」2冊をまとめてみました。
また,この本では幼児教育の本来の意味とは何か。子どもたちが勉強(学習)する筋道を考えてみました。
子どもたちの学習の方法としてドリルや大人(保育者)が提示したカードを繰り返し暗記することが学習することだと信じている大人(保育者)たちに,子どもの知能発達だけではなく社会性や道徳性の発達を促すためには,大人(保育者)はどのように考えればよいか,また,そのためには,どのような環境を整えなればならないのか,そして,その発達を促すゲームを通して子どもたちに何が生まれているのかを明らかにしました。
一人でも多くの大人(保育者)がこの本を手にされ,先に述べた子どもの遊びが,なぜ生活なのか。どうすれば子どもの味方になり遊びをとらえることができ,そしてそのことが子どもの勉強(学習)につながっているのだと言うことがお分かりになることを願っています。
/水野 豊二
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- 明治図書