- はじめに
- T 新しい幼稚園の作品展の楽しみ方
- ■子どもにとってつくること,描くことの意味
- ■子どもにとっての作品展
- ○結果としての作品
- ○子どもの個性を見いだし展示する
- ○子ども発達を認め展示する
- ○美しく飾ろう
- ○空間のバランスの工夫
- ■保護者にとっての作品展
- ○子どもの作品の見方を伝える
- ○親にも思い出になる作品づくり
- U 子どもと共につくりあげる作品展
- 1 めばえ幼稚園「作品展示会」
- なぜ,この時期に?
- どんな作品とコーナーがあるの?
- 2 白百合幼稚園「作品まつり」
- 目的
- 活動
- テーマ
- 事前にしておきたいこと
- 作品展当日
- その後の様子
- 3 まどか幼稚園「生活展」(年少組)
- 年少組の生活展
- 行事当日までの準備
- 行事当日の様子
- 「生活展」を経験して
- 4 まどか幼稚園「生活展」(年長組)
- 年長組の生活展
- ダンボール遊びの様子
- 「生活展」のプログラム,クラスだより
- 5「造形展」への取り組みについて
- 「作品展」から「造形展」へ
- 「造形展」の目的
- 造形活動の流れと展示について
- その他の展示
- 展示の工夫について
- 運営上の工夫について
- 6 鬼が島へ行こう〜桃太郎をテーマとして〜
- 運動会後
- もっとこうしようよ!
- 鬼ごっこしよう
- 保育者として
- インパクトのある画面
- えーいやだよ!!
- 鬼が島へ船に乗っていこう!!
- 7 宇宙ってどんなところ
- 獅子座流星群
- 星をテーマにして
- いつ・どこで・だれが・何をした
- それぞれ違うイメージで!!
- ステンドグラス
- 色版画
- 8 みんなでつくると楽しいね
- 一人一人がチームの仲間
- みんなっていいなふれあいを楽しもう
- いらっしゃいませ!
- いかがですか?
- みんなでパーティー 楽しいね
- おばけパーティーにようこそ
- 9 みんなでつくりあげた作品展〜まほうのくに〜
- いろいろな種類のどんぐりを使ったペンダント作り
- ○○ってこんなふうになっているんだよ
- お店屋さんは大盛況!
- お店屋さんごっこ,劇遊びから,作品展へ
- 10 不思議な世界へようこそ〜運動会から作品展へ〜
- もっとほかに活用できないかな
- コンピュータを使っての面白動物の紙芝居作り
- ステップブックを活用して
- みんなで作る楽しさ
- ぼくたちの作品展
- 11 なりきって楽しもう〜おばけランド作りへ〜
- 4歳児の教育課程を振り返ってみよう
- 今度はぼくたちがおばけになりたい
- さあーおばけに変身だ!!
- これもなんだか使えそう
- ぼくたちのおばけ見にきて
- 12 グループで作って遊んで楽しんで〜パチンコ作り〜
- どんな作品展にしようか?
- クラスの思い
- 保育者の思いもドッキング
- テーマは?
- 設計図
- 金づち持ってきた人?
- パチンコ完成!
- 13 小さい子に作ってあげよう
- 3学期はこんな生活をしてほしい
- 環境のポイント
- 作品展の共同作品に期待すること
- 共同製作の作品
- 活動の様子
- 作品展を終えて
- 14 作品展きれいだね
- 3学期の生活
- 作品展のねらい
- 和紙の浸し染め
- 廃品を使って遊ぼう
- 積み木で基地ごっこ
- 今までの作品や経験を生かそう
- 15 まだまだ続くよ ブレーメン
- 入園
- お面作りを通して
- 父の日,夏まつり
- 運動会や生活発表会を経験して
- まだまだ続くよブレーメン
- 16 こんなのできたよ〜共同製作「ノッシー君と仲間たち」〜
- ノッシー君再び!!
- 廃材だって宝物
- 作品展に向けて
- 絵の具って面白い
- ノッシー君たちの洋服を作ろう
- 広がるイメージの世界
- 17 イエローインディアンのくにへようこそ
- ダンボールって面白い!
- インディアンの家づくり
- インディアンになろう
- いくぞ!ぼくらはイエローインディアン
- 世界でたった1つのインディアン人形
- 18 こんな動物がいいな〜運動会,生活発表会から作品展へ〜
- 先生の考えも聞いて
- ピンクライオンに変身だ
- ピンクライオンはパワーの源
- ピンクライオンのお話!?
- いろいろな廃材を使って楽しもう
- 19 初めての作品展
- いらっしゃい!いらっしゃい!
- わたし(ぼく)たち○○の仲間!
- あ〜 また取れちゃった!
- 今度はくつやさん!わたし(ぼく)はおきゃくさん!
- ♪八〜百屋のお店にならんだ品〜物見てみよう
- 作る楽しさ!
はじめに
作品展に展示される作品は,造形的な活動を子どもがおもしろがって,楽しんで,満足感をもって活動したその結果として生みだされたものの集大成といえます。
したがって,その結果のよしあし,例えば,自分の手でつくった技術のうまさ,手際のよさなどが評価の対象となりやすい「作品展には反対」という教育観が一方にあります。
他方,子どものそのときの思いを表現できたよろこび,イメージ思考の能力のフル回転の過程,手指などのたくみになっていく過程などを,親やみにこられる方々に十分わかっていただいたり,子どもの“ミテ,ミテ”を満足させ,充実感をもたせる機会にして,造形的な活動がさらに楽しいもの・好ましい生活にひろげていける,そこに着目して教育上意義があると考えて,積極的に行事にとりいれている幼稚園もあります。
ここでは,日常的なものをいじりまわす,素材をみたててものをつくる,自分の思いをあらわす,自分のほしい道具やおもちゃなどを自分の手でつくるなどの,あそびや生活などを作品展という晴れの日にむけて,まとめていく。それが大きな節目になって,一人一人が,またグループが,発展していくであろうと考え,それを仮説として各論を展開し,実践例にとりくんでみました。
さらに,みる側の子どもの作品への評価のしかたへの配慮,先生の作品展への教育的なアプローチへの配慮などをあわせて読みとっていただければ幸いです。幼児には作品展はそぐわないとされる方もふくめてご意見をいただければ大へん光栄です。
作品展の意義を過小評価していた私たちに,より以上の専門的発言をして,五大行事の中に入れる必要を原案として提案されたり,はげまして執筆を意欲的に進められる支えをしていただいた編集部の仁井田康義氏に,心から感謝の意を表したいと思います。
2001年7月 /井上 初代
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- 明治図書