- 読者へのお願い
- ――実践というカリキュラム・リソースづくりへの御参加を――
- 序章 なぜ,今,「食をとおして人間を学ぶ」なのか
- 1 総合学習とは人間らしく生きることの学習
- 2 人間―自然と文明の子を学ぶ三つの鉄則
- 3 なぜ,「食をとおして人間を学ぶ」なのか?
- 実践・参考
- [実践1] 「赤ちゃん誕生」から始まる「生命の学習」
- ――私の普段流の総合学習の展開法から―― さいたま市立桜木小学校 /大室 健司
- 1 はじめにちょっと
- 2 生命誕生をメインにした単元開発
- 3 さらに,「わたしと病気や障害」の学習を加える
- 4 おわりにちょっと
- 参考1 「先生もわからない」から一緒に学ぼう
- ――大室実践をめぐって――
- 1 子どものもつ「不思議」は重層的力動的
- 2 「意味場」の意味と背景の説明
- 3 生命の誕生をメインにした単元開発
- [実践2] 自然そのものとしての人間とはなんだろうか?
- コミュニティ・カウンセリング・センター /小椋 知子
- 1 開発単元とその実施
- 2 単元を実施するための読者へのアドバイス
- 参考2 自然総合単元が教師・子どもの「人間理解」に及ぼした影響
- ――小椋―木村・西尾実践をめぐって――
- 1 はじめに
- 2 「小椋―木村・西尾実践」の特徴
- 3 単元構成の検討
- 4 教材,学習活動,授業展開の検討
- 5 試行するにあたっての読者へのお願い
- 6 まとめ
- [実践3] 食事のマナーは,感謝や礼儀や思いやりから
- 多摩市立北諏訪小学校 /辻 泰成
- 北諏訪小学校の実践の考え方
- 1 単元のねらい・内容
- 2 単元の構成と実施
- 参考3 書くこと・読むこと・読まれることによる実践報告の交流
- ――辻実践をめぐって――
- 1 テキストによる実践報告をどう捉えるか
- 2 辻氏の実践報告を読んで
- 3 テキスト報告を通した交流の成立
- [実践4] 食べものはほんとうに安全なの?
- ――自分たちにできることとは?―― 札幌市立前田北小学校 /松田 俊明
- 1 単元のねらいと概要
- 2 単元の展開と分析
- 3 単元を終えた子どもの育ちについて
- あとがき
- 参考4 人間についての知識を子どもが創り出すには
- ――松田実践をめぐって――
- 1 安全な農薬を自分たちでつくるというアイディアが素晴らしい!
- 2 松田実践は“にんげん科”の入り口を通り過ぎてしまった?
- 3 単元の目標と計画と評価
- 4 実践報告者へのお願い
- 5 自作農薬での栽培を授業実践してみようとするときの参考として
- [実践5] 宮澤賢治を授業する
- 東京都練馬区立南町小学校 /平島 朱美
- 1 古めかしい「賢治」と新しい「子ども」
- 2 今,なぜ「賢治」なのか
- 3 賢治の望んだ生き方,世界・社会
- 4 授業で望んだこと
- 5 実践例
- 6 終わりに
- 参考5 単元の組み立てと子どもの学習の関連分析
- ――平島実践をめぐって――
- はじめに
- 1 教師の姿勢――自分と子どもの双方への挑戦として宮澤賢治を授業する
- 2 「共生」という単元目標の設定
- 3 「共生」を子どもの論理と心情のレベルへ降ろす
- 4 子どもに「フルに想像力」をはたらかせ,「心を吐き出し,共鳴しあわせる」
- 5 賢治の共生感を作品から感じとらせる
- 4年生の実践
- 6年生の実践
- おわりに
- [実践6] 私たちはこれから,どんな暮らし方をするのか
- 多摩市立北諏訪小学校 /辻 泰成
- 1 単元のねらい・内容
- 2 総括単元の構成
- 3 実施単元の展開と分析
- 4 活動を終えて
- 参考6 平和的に戦える共生的地球市民を育てる
- ――辻実践をめぐって――
- 1 辻実践の基本的立場について
- 2 単元の構成と各次の検討
- 3 「活動を終えて」をめぐって――実践的共生的な地球市民を
- 結章 実践研究から学んだこと
- ――“にんげん科”の課題――
- 1 実践研究から学んだこと
- 2 今回の交流の試みから生まれた研究問題
- 総合科目「にんげん科」の公設を目指したカリキュラムづくりへの参加のいろいろ
- あとがきにかえて
読者へのお願い
――実践というカリキュラム・リソースづくりへの御参加を――
本書は,さきに刊行した下記の本の訴えに共鳴された先生がたが,本の中の10個の総合学習単元のどれかを自分のクラス(あるいは学年)のために改訂・試行なさった,その実践研究を載せたものです。各実践には私たち会員のながーい参考意見文も付けさせていただきました。
すなわち,本書の目的は総合学習“にんげん科”の実践例を全学校の共有財産として,広い意味でのカリキュラム・リソースとして,蓄積し交流してゆくことにあります。
ですから,さきに刊行した「原本」にあるべきなのにないと思われる新単元の提案実践も期待してお待ちしております。
今回は,「食と食文化」のスコープ(領域)の10単元でしたが,今後は,それ以外の三領域(本書序章の図T−1のD)の単元開発も大いに歓迎いたします。
まずは,読者が本書の実践例とそれへの参考意見をご覧になり,すぐれた実践を試みられるように願っております。実践例が「原本」の10単元のうちのごく一部を取り上げたものですので,載っていない単元を知る意味でも下記の本も加えてご参照ください。
『総合学習「にんげん科」のカリキュラム開発〜食で学ぶ命・環境・異文化・生き方〜』明治図書,2000年
東京学芸大学教授科学研究会著(代表:名誉教授 多田俊文)
本書では,上に述べましたように,実践報告をされた先生方と読者との交流のために参考意見(論文?)を書かせていただいております。実践者への敬意を伝え,研究仲間としての本音での交流を願って書きました。「本音での交流」と書きました理由は,@多様にあり得る見解のなかの一つの本音であること,A実践なさった先生がそれをどのように解釈され反論されてもよい研究的な出会いを続けたいこと,B意見を書くことは,実は,その人自身の知識背景や論理や人間性までも読まれることを承知であること,C私たちは実践を寄せられた先生方に一生懸命に対応したいこと,にあります。
立ち会って見てさえいない実践について書く参考意見ですから,大きな限界があるのは十分に判っております。しかし,破れる限界も破れない限界もあるはずで,それは挑戦してこそ判ってゆくものと考えます。ともかく,まずは,こういう方法でもやれることはやってみましょう。
読者も以上をご理解のうえで,こうしたやり取りで実践をされ,仲間をつくって実践を拡げてくださり,それを文章に書くことで目を深められ,教育実践者(プロ)として生きられることを,切に願っております。
そして,その結果を毎年,“にんげん科”カリキュラムのリソースとして蓄積し,みんなで全国に拡げ,賛同者と参照・活用し合ってゆきたいのです。最終的には,全国の小・中・高校に総合科目「にんげん科」が公設されることを願いつつ。
いま,なぜ,「にんげん科」なのか? そのわけは序章にくわしく述べておりますからご覧ください。その上で私どもの地域仲間や地域会員になってくださり,授業を撮った映像までもインターネットでお互いに見せ合い討論したいものです。この点については「あとがき」で触れていますから,お読み願います。
先生方をはじめとして,多くの教育関係者,時には父母・地域の人々・研究者・芸術家ほかの方たちまで参加交流して下されば,「にんげん科」は地域と全国とに開かれて,いっそうよいものになると信じております。
平成18年8月
東京学芸大学教授科学研究会 (代表:名誉教授 /多田 俊文)
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明治図書
















