食育−学校でつくる食生活の基礎・基本1
学校でつくる食育のカリキュラム

食育−学校でつくる食生活の基礎・基本1学校でつくる食育のカリキュラム

好評3刷

食育の具体的なカリキュラムを目標に応じて具体的に紹介する。

いま「食」にかかわって人間の生活や健康をはじめ、さまざまなゆがみやひずみが生じてきている。本書では学校教育における食育の必要性について論じたあと、食育のカリキュラムや全体計画作成の考え方や手順、総合的な学習における実践、指導体制に言及した。


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ISBN:
978-4-18-962116-4
ジャンル:
総合的な学習
刊行:
3刷
対象:
小・中
仕様:
B5判 148頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2018年1月22日
『新学習指導要領の展開』
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もくじ

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まえがき
T なぜいま,学校で「食育」なのか
1 生きる力としての食べる力
2 家庭の養育能力の低下への対応
3 食育基本法の施行と学校の役割
U 食育の「カリキュラム」とは何か
1 カリキュラムの考え方
2 「食育」をどう考えるか
(1) 「食に関する指導(食育)」の考え方と目標
(2) 食に関する主な指導内容例
(3) 食に関する年間指導計画
V 食育の「全体計画」作成のポイント
1 なぜ,食育の「全体計画」が必要なのか
2 「全体計画」作成の手順
3 「全体計画」作成上の留意点
W 「総合的な学習」における食育の可能性
1 「ねらい」に見る食育の視点
2 例示されている課題と食育との関連
(1) 横断的・総合的な課題
(2) 子どもの興味・関心に基づく課題
(3) 地域や学校の特色に応じた課題
X 食育の「指導体制」をどうつくるか
1 子どもの食に関する実態を把握する
2 食の視点から地域の特色を理解する
3 学校の内外に食育のための推進体制をつくる
4 ティーム・ティーチングによる指導体制
Y わが校の食育のカリキュラム・プラン
1 「食生活の改善」に視点をおいたカリキュラムの実際
(1) カリキュラム開発の考え方と特色
(2) 学年のカリキュラムの見方と留意点
(3) 3年の単元「おやつ」のカリキュラム
(4) 4年の単元「資源」のカリキュラム
(5) 5年の単元「和食」のカリキュラム
(6) 6年の単元「作法」のカリキュラム
(7) カリキュラム運用のポイント
2 「食習慣の改善」に視点をおいたカリキュラムの実際
(1) カリキュラム開発の基本的な考え方
(2) 実践例:食の自立
(3) 実践記録から
(4) 実践を進める上での留意点
3 「健康づくり」に視点をおいたカリキュラムの実際
(1) 本校の健康教育の概要
(2) 本校での学校給食の改善
(3) 本校における給食をとおした食育
4 「食の安全」に視点をおいたカリキュラムの実際
(1) 「食の安全」の位置付け
(2) カリキュラムの題材例
(3) 授業展開
5 「給食の時間」に視点をおいたカリキュラムの実際
(1) 教育課程における学校給食の位置付け
(2) 「給食の時間」の指導の実際
6 「教科等との関連」に視点をおいたカリキュラムの実際
(1) 地域の特性を生かして
(2) 本校カリキュラムの特色と主な取り組み
(3) 5年社会科「自然を生かした暮らし」との関連を図った実践
(4) 社会科・食育学習指導案
(5) 食に関する年間指導計画例
7 「総合的な学習」に視点をおいたカリキュラムの実際
(1) 本校の総合的な学習の時間「くすのきタイム」のカリキュラム
(2) 「考えよう 私の健康メニュー」の単元構想
(3) 実践例:「おやつ」
8 「家庭との協力」に視点をおいたカリキュラムの実際
(1) 「食育」の意義の共通理解を図る
(2) 教育活動への保護者の参加
(3) 成果の実感
9 「地域との連携」に視点をおいたカリキュラムの実際
(1) 地域の特性と食に関する学習
(2) 「食育」の必要性と本校でのカリキュラムづくりの試み
(3) 学校経営方針の中で「食育」を強調する
(4) 地域への協力の呼びかけ
(5) 本校の特色の一つ「酪農」を生かした「食育」の実践事例
(6) まとめ─「食育」は「命」の実感から─
10 「新教科・食育」(小学校)におけるカリキュラムの実際
(1) 本カリキュラム誕生の背景
(2) 教科「食育」としての実践
11 「新教科・食育」(中学校)におけるカリキュラムの実際
(1) 中学校における「食育」の特色
(2) 中学1年「家族の健康を考え,心をこめた料理を作ろう」の実践
(3) 中学2年「賢く選んで,健康的に食べよう」の実践
(4) 中学3年「食卓から日本と世界の食を探ろう」の実践
Z 資料:「食育基本法」(解説付き)
1 食育基本法制定の趣旨
2 食育基本法の主な内容
3 食育推進基本計画の策定

まえがき

 食べるという営みは,人間にかぎらず,いかなる生き物にとっても不可欠な行為である。生きていくための最低限の要件であり,このことが正常でないと,人としての健全な成長や発達は保証されない。また食べることは,もっとも安全で安心できるものでなければならない。このことはだれもがいだいている共通の願いである。人間の基本的な生活には,学ぶ,遊ぶ,楽しむ,仕事をする,寝るなどさまざまな行動があるが,「食べる」ことはいずれにおいても基盤となっている。食べることは体づくり,健康づくりの基本である。すなわち,食べる力は, 生きる力を構成する重要な基本的な要素である。「食べることは生きること」である。

 すべての人間にとって共通である食べる行為は,人によって,家庭によって,地域によって, 国によって,さらには民族によって,それぞれに違いがある。食材や食べる物,食べる方法, 調理の仕方一つをとっても,けっして一様ではない。地域性と深くかかわっている。所変われば品変わるである。これらの違いがいま「よさ」として見なおされようとしている。また,食べるという行為には歴史性がある。時の変化とともに,変わってきた部分と頑固に守ってきた部分がある。とりわけ伝統という重みがある。それは食が一つの文化として確立されてきたからである。すなわち「食べることは文化」である。

 ところが,いま「食」にかかわって,人間の生活や健康をはじめ,文化や歴史,産業などさまざまな分野においてゆがみやひずみが生じてきている。食に対する安全や安心の問題が社会問題になったり,子どもにまで生活習慣病が話題になったりするきわめて深刻な事態を迎えている。そのため,これまでは取り立てて課題にならなかった「食に対する指導(食育)」が学校教育の新たな課題としてクローズアップされてきた。食育は子どもを含め,現代社会を生きるすべての人間に課せられている重要課題である。

 今後,各学校・地域においては,平成17年に食育基本法が施行され,その後食育推進基本計画が策定されたことにより,各分野での食育の実践が一層加速されるものと思われる。平成18 年度は「食育元年」と命名される重要な年になる。


 本シリーズ『食育─学校でつくる食生活の基礎・基本』は,こうした社会状況を踏まえて, 特に学校教育における食育の考え方や実践の方法等について提案することをねらいに企画されたものである。本シリーズは,次の4巻から構成されている。

 第1巻 『学校でつくる食育のカリキュラム』

 第2巻 『今必要な食育プログラムと教材開発』

 第3巻 『学校給食を活性化する食育実践』

 第4巻 『食材づくりと食育の話材』


 本書『学校でつくる食育のカリキュラム』(第1巻)では,学校教育における食育の必要性について論じたあと,食育のカリキュラムや全体計画作成の考え方や手順について紹介し,さらに総合的な学習における実践の可能性や食育の指導体制のあり方についての基本的な考え方や方向を示した。

 これらを踏まえて,「わが校の食育のカリキュラム・プラン」を食生活や食習慣の改善,健康づくり,食の安全,教科や総合的な学習との関連,家庭や地域との連携など具体的な視点から各学校のカリキュラムの実際について紹介している。合わせて,「食育」を新教科として研究開発された学校の取り組みの内容についても紹介している。巻末には,平成17年に制定された「食育基本法」について解説を加え,資料を添付した。


 いま子どもを健康に育てるということは,将来の社会づくり,国づくりを担う人間をつくることにつながる。食育の充実は,一人一人の国民としての人格を形成し,国家・社会の形成者を育成することに直結する重要な営みである。本書が各学校・地域で有効に活用され,食育の実践がさらに充実することを心から願うものである。

 本書の刊行に当たっては,全国各地の大勢の先生方のご協力をいただいた。たいへんお忙しいなかをご執筆いただいた先生方,貴重な資料のご提供をいただいた教育委員会や学校に対して,この場を借りてお礼を申し上げたい。

 また,本書の企画の段階から,貴重なご指導とご助言をいただいた明治図書出版の樋口雅子編集長,原稿の編集の労をとっていただいた原田俊明さんには心から感謝の意を表したい。


  平成18年11月   /北 俊夫

著者紹介

北 俊夫(きた としお)著書を検索»

福井県に生まれる。

東京都公立小学校教員,東京都教育委員会指導主事,文部省初等中等教育局教科調査官を経て,現在岐阜大学教授。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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