子どもの確かな成長をはぐくむ幼稚園の行事2
誕生会・入園式・卒園式
新時代の保育の設計を提案する

子どもの確かな成長をはぐくむ幼稚園の行事2誕生会・入園式・卒園式新時代の保育の設計を提案する

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パターン化しがちな,誕生会・入園・卒園式ですが,儀式的な行事を子どもの成長の機会ととらえ,「子どもが主人公」となる式をどう創るか,多様で豊かな実践を提供しました


復刊時予価: 2,178円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-961608-7
ジャンル:
幼児教育
刊行:
対象:
幼児・保育
仕様:
B5判 106頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
T 幼稚園の行事
■行事について再考する
・行事についての“あれ・これ”
・行事は今日的課題になり得る
・行事を精選する場合の留意点
■誕生会について
・なぜ幼稚園で誕生会?
・お祝いしてくれるお友達がいること
・子どもが主体的に働きかける
・誕生会に親が参加する意味
■入園式等,儀式的な行事について
U 誕 生 会
園全体で行う誕生会
■季節・行事を生かした誕生会
・園全体で行う誕生会のねらい
・誕生会の進行の一例
・全体での場の設定例
・具体的な工夫,アイディア,大事にしたいこと
■大人主導から子ども主導の誕生会へ
・4月の3歳児
・2学期の誕生会
・3学期の誕生会
・3月の誕生会
■みんなの誕生会―1年間のアトラクション
・みんなの誕生会
・アトラクション
・幼稚園って,楽しいところだね!幼稚園っていろいろな先生がいるんだね!
・年長企画その1 年長さん企画誕生会
・年長企画その2 プレゼントの買い出しにも行かなくっちゃ!
アイディアいっぱいの誕生会
■誕生日の友達にスポットライト・スライドで紹介する
・誕生会の日案づくり
・誕生会
・みんなで作った「かんむり」のプレゼントに
・スライドで誕生の子にスポット
・誕生の子からお母さんにありがとう
・誕生会を終えて
■お友達の歌でお祝い
・きっかけは遊び歌
・誕生会の日案(1月)
・誕生会当日
・空き箱をねらえ
・ケンちゃんの誕生会だもの
・友達が先生がいるから楽しい幼稚園
保護者も参加する誕生会
■お父さんお母さんをまきこんであそぼう
・これじゃあだめだ,誕生会を前にして
・ピカピカ大作戦
・壁や窓はやめてね
・明日はお父さんお母さんが来るの
・イス2つ
・親子で楽しむ誕生会の日案
・決心を聞いてみると
・プレゼントはお祝いの言葉
・あのさ,6歳になった気分どう?
・お父さんは飛行機作りの名人
・誕生会がきっかけ,親子で遊び道具を作る
・いろいろ試行錯誤がおもしろい
・手話のお母さん! 引き続き遊びに来ます
子どもがつくる誕生会
■3月・思いをこめてプレゼントづくり
・ずっと待っていたのね
・さまざまなプレゼントが
・おやつ作りもしたら最高だね!
・近くのスーパーにお買い物
・いよいよ「おやつ」作り
・ここから入らないでね
・最後の誕生会
・どういう順にしようか
・やってみたいなー
V 入園式・進級式・卒園式
入 園 式
■年少・年中組に分けた入園式
・今年の入園式はどうする?ある日のミーティングから
・入園式前日になりました
・当日 最初の雰囲気づくりが大切です
・お部屋の中へ
・お母さんと手をつないでね
・年少児入園式(ホール)
・年中児入園式(保育室)
・フミアキ君はどこですか
・あしたも待っていますね
・入園式の翌日
・きのうのおじいちゃんは?
・そして,1か月
■3歳児を迎える入園式〜1日入園〜
・早く幼稚園に行きたい 入園を楽しみにする
・多少の緊張感・1回目の1日入園
・2回目の1日入園 こんにちは元気いっぱい
・親も子どもも待ちに待った入園式
・まとめ
進級の日
■今日から年長さん
・なぜ組替をするの
・ぼく緊張してるんだ
・年中の担任から新しい名札をつけてもらって
・待っていたわよ年長組へ
・ステキなエピソード〜ぼくと一緒に行こうよ
・気持ちをほぐすために〜保育者の演出・工夫を
修 了 式
■お分かれ会の工夫〜どんなことができるかな〜
・修了式までのスケジュール
・お分かれ会をしてあげよう〜年中組が中心に
・どんなことができるかな〜役割を決めよう
・教職員に知らせよう
・お分かれ会まであと4日
・たんけんごっこ
・バスケットゴールに2回入れてみよう
・折り紙で輪つなぎをしよう
・年長児に支えられて〜張り切る年中児
・修了生の入場〜園歌のアレンジにのって
・修了生の退場
・修了証書の授与
・おわかれのことば
・会場の装飾
・修了式が終わって―たのもしくなった4歳
卒 園 式
■一人ひとりに送る言葉
・なんで日曜日に
・大切にしたいのは「思い」
・当日までに
・オリジナルの歌とは
・卒園証書はお手紙つき
・園長先生からのプレゼント
・さよならにたっぷりと時間をかけて
・いよいよお別れね

はじめに

 なぜ入園式や卒園式などの一年に一度の儀式的な行事と,誕生会のように月に一度,しかも必ずしも園全体の行事ではなく,クラス単位のときもある行事が一冊の本なのかといぶかる意見もありました。

 本書では儀式的な行事も,誕生会も「子どもの成長を祝う節目として行う行事」という点に着目しました。

 入園式とか卒園式,つまり儀式的なこの行事を考えるとき,教師には頭にこびりついた「式」というものの内容や形式のパターンがあって容易にはずすことができません。そのくり返しを園の伝統とよんで深く反省する機会もなく,マンネリ化,パターン化して,今までどおりの型に子どもをあてはめて行われる傾向にあります。

 「子どもが式の主人公」「子ども主体の儀式」をモットーに儀式を子どもの次元におろして考えてみたいと思い,その実践を考察してみました。

 入園式は,その子にとってはじめての集団生活のスタートの日,今日からはじまる人やものとのかかわり,安定できる雰囲気などがその子の成長発達の大きな節目になります。卒園式は小学校という新しい世界に飛びたつ飛躍台・節目の日・そしてむかえ入れたり,送りだすのを祝ってくれる友達の成長の節目の日でもあります。

 誕生会は園では毎月行われる行事ですが,その子にとっては一年に一度の「主役の日」・待ちわびたよろこびの日です。その日が「心ゆさぶられ・喜びと楽しさあふれる特別の日」になる企画実践は,祝う側の子どもを含めて成長発達のまた保育の節目となり飛躍台となると考えてみました。

 本書編集にあたり日頃のうんちくを傾けた貴重な実践や深い洞察に支えられた理論の裏づけをもった実践例をよせられた方々と,道案内に徹してあと押しをし,的確な方向に編集くださった編集長の仁井田康義氏に心から感謝の言葉をお送りしたいと思います。


  2001年1月   /井上 初代

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      明治図書

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