おいしい 保育所の食事づくり
栄養士・調理員・保育士・看護師の連携で

おいしい 保育所の食事づくり栄養士・調理員・保育士・看護師の連携で

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保育所にかかわる栄養士を中心に、望ましい食事内容、食事の助け方や動機づけ、家庭にあわせた補完などを詳述。調乳〜離乳〜幼児食等きめ細かな具体例が役立つ。


復刊時予価: 2,849円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-960110-1
ジャンル:
幼児教育
刊行:
6刷
対象:
幼児・保育
仕様:
B5判 200頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
T これからの保育所の食事を考える
1 食の大切さと専門職の必要性―園長の立場から
2 健康状態と成長過程から見える子どもの姿―看護師の立場から
3 家庭での食生活の実態とその課題―栄養士の立場から
4 先輩栄養士から後輩栄養士へー栄養士の立場から
U 子どもに合わせた食事づくり
1 食事計画
1 食事計画を考える
1 安全と衛生
2 子どもを主体に考える職員間のチームワークづくり
2 食事計画の実際
1 兼任栄養士の仕事
2 専任栄養士の仕事
3 調理担当者の仕事
4 受け入れ
3 食事計画の展開
1 基本的なすすめ方
2 具体的な3園の実践例
・A園 保育と食事を結びつけて
・B園 子どもの食べ方を見て
・C園 家庭の食事内容を把握して
2 食事をつくる
1 母乳で育てることを大切に
2 調乳・離乳の準備
3 離 乳 食
1 離乳食のすすめ方
2 離乳の開始
3 離乳食づくり
4 離乳食の献立例
5 作る側・与える側の役割
6 ベビーフード
4 年少幼児食(3歳未満児)・幼児食(3歳以上児)
1 献立を組み立てる
2 食品の使い方と調理
3 盛り付けと配膳方法
4 おやつ
5 行事の日の食事
6 延長保育と補食・夕食
V 食事の環境づくり
1 子ども用テーブルといす
2 食べる道具としての食器具の選び方・使い方
W 子どもの成長発達に合わせた具体的なすすめ方
1 かしのき保育園の実践から
2 看護師の立場から
3 栄養士の立場から
4 口腔機能・食事行動の発達を助ける遊び
X 食育
1 毎日の保育の中で
2 教材を使って
3 調理保育のすすめ方
4 お・い・し・い絵本
Y 家庭と地域へ向けて
1 家庭とのかかわり
1 連絡ノート
2 献 立 表
3 おたより
4 サンプルの展示
2 地域とのかかわり
1 親子で保育園見学・食事
2 育児栄養相談
3 高齢者を招待して世代間交流
4 料理教室
5 保育園に老人デイサービスセンターを併設
Z 子どもの栄養上の問題
1 具合の悪いときの食事
1 下痢
2 発熱
3 口内炎
2 気になる子どもの食事
1 食物アレルギー児への対応
2 肥満児への対応
[コラム]
・離乳食の始めはなぜペースト状なのでしょう
・肉はなぜ,鶏のささみから始めるのでしょう
・赤ちゃんの好きな味
・赤ちゃんの歯と食べ物
・野菜ぎらいの子ども
・生野菜は,なぜ食べにくいのでしょう
・赤ちゃんの舌はどんな風に動いているのでしょう
[巻末資料]
・離乳の基本(厚生省)
・各社乳汁の成分比較
・各年齢ごとの食事に関する視点と与え方

はじめに

 食習慣(食文化)の基礎を育てる成長期の乳幼児にとって,食生活は育児の原点でありなによりも大切にしたいことです。家族形態(核家族・少子化)や子育ての常識の変化,仕事と育児の両立のために保育時間の延長がすすむと共に,大人中心の生活が優先され,保育所に子どもを預ける親子の姿がずいぶん変わりました。食生活に対する親の関心度の低下,食事づくりが苦手な母親が多くなり,食事観も多様化して,人間の土台を作って食べる台所と食卓の機能がくずれています。また,この時期は,お母さんの手づくり料理を1番喜び,家族と同じメニューを一緒に食べたがる時期であるのに孤食と個食がますます増加しています。子どもたちの姿から見えて来るものは,食事を待つ表情や食べるときの意欲の変化,自分から食べようとする摂取量の減少,保育所のうす味より家庭で食べなれている加工食品,惣菜,外食の味を好み,おいしさに対する食物感覚(五感)も変わりつつあります。また,アレルギーだけでなく体力の低下,体質の弱い子の増加などが最も気になることとしてあげられます。これらはすべて親の食問題が子の食問題として表れていることです。

 保育所ではこのような子どもたちのための生活背景を考えて,栄養士の仕事を進めていかなければなりません。子どもたちには「食べることが楽しい」「しっかりかんで,味わっておいしく食べる」「自分で上手に食べるようになる」などの経験をとおして,心や体の成長と共に食事行動の発達をとげ,人間として自分に合った健康で文化的な食べ方(食事力)を身につけてほしいと思っています。家庭には家族の影響が大きいこと,子どもたちにとって本当に楽しい食事とは「作ってもらって食べること」であり,母親(父親)が作ってくれた舌の味がしみつくように,心で食べる大切さを,保育所時代にできる限り伝えていくことが求められているのではないでしょうか。

 本書は,各専門職の人たちが,栄養士を中心に,“今,求められている保育所の役割をどのように考え,すすめたらよいのか”という思いを基にして,望ましい食事内容,食事の助け方や動機づけ,家庭に合わせた補完,これからの地域活動などを大事に考えて,ありのままをまとめたものです。

 特に経験のあさい保育所の栄養士・調理担当者・保育士・看護師の方々に参考にしていただけたら幸いです。

 最後に,本書の刊行を引き受けて下さった明治図書の仁井田 康義・平野真弓両氏,そして,お忙しい中執筆していただいた方々に心より感謝申し上げます。


  2002年6月   編著者

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      明治図書
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      2022/12/1

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