- はじめに
- 第一章 たのしい運動遊び
- 1 運動遊びの基本
- 2 運動遊びのすすめかた
- 第二章 春の運動遊び
- 1 基礎体力づくり
- (1) 基礎体力づくりのポイント
- 子どもたちの身体のどこを刺激しているか/ 単純な動きの獲得/ 毎日のようにすこしずつ行う/ 身体を支える腹筋、背筋を中心に
- (2) 基礎体力を養う簡単な運動遊び
- 「イチ、二、サン」で遊ぼう/ 「ウルトラマン」になって遊ぼう/ 「だるまさんになって遊ぼう」/ 「トンネルごっこ」で遊ぼう
- 2 マット遊びをしよう
- (1) マット遊びの必要性
- (2) 前転をするためのポイント
- でんぐりがえりと前回りと前転/ 前転は起き上がりから/ マットは横に使おう/ 手の位置と足の位置に注意する/ おヘソを見ることが大切
- (3) 前転をしよう
- うまく回れない子どもには保育者が援助してあげよう/ 一人で回る/ 「イチッ、二、サン」で回る/ 前転もみんなですればカッコイイ!「サーカス回り」/ マットを縦方向にしてみよう
- 3 とび箱遊びをしよう
- (1) 開脚とびだけが「とび箱」ではない
- とび降り遊びをしよう/ とび乗り遊びをしよう/ 踏み切り遊びと「おしりダンス」/ とび箱の上で前転をしよう/ とび箱をとんでみよう/ 「とび箱用サーキット」をしよう/ とび箱遊びの注意点と援助の方法/ いろいろなとび箱遊びの注意点と援助の方法/ いろいろなとび箱の使い方と扱い方
- 4 鉄棒遊びをしよう
- (1) 鉄棒遊びは何から始める?
- 鉄棒遊びと季節について/ 鉄棒遊びの特徴/ 鉄棒の握り方について/ 鉄棒遊びを円滑にすすめるためのポイント
- (2) ぶらさがり遊び
- 両手でぶらさがる/ 両脚でぶら下がる(ヒザの裏で鉄棒をはさむ)/ 手と脚でぶらさがる
- (3) 「ツバメ」(腕立て支持)で遊ぶ
- 正しいツバメ/ 「ツバメのおしりふり」をしよう
- (4) 「前回りおり」をしよう
- 第三章 夏の運動遊び
- 1 夏の運動遊びをすすめるために
- (1) 梅雨の時期の運動遊び
- 梅雨の時期のオニごっこ/ 「お山座りオニごっこ」をしよう/ 発展するオニごっこ/ 「チビっコ取り合いボール」をしよう
- 2 水遊びを楽しもう
- (1) 自分の子どもの頃を思い出すことが基本
- 園庭のみずたまりをなくそう
- 3 砂場遊びのいろいろ
- (1) 本当にくぐれるトンネルをつくろう
- 「○○くみフジサン」をつくろう/ 「大きな夢のトンネル」をつくろう/ 砂場と水のよい関係
- 4 プール遊びのポイント
- (1) 水を恐がる子にどうかかわるか
- みんなの身体は水に浮く?(ペットボトルの実験)/ 準備運動のすすめかた
- (2) 楽しくプールに入ろう
- 「ワニ歩き」「ラッコ歩き」で遊ぼう/ 「フーフーサッカー」で遊ぼう/ 「グルグルワニさん」で遊ぼう
- (3) 水に浮き、水に中を進む(園生活での最終的な目標)
- 第四章 秋の運動遊び
- 1 運動会を楽しむポイント
- (1) 運動会への取組み方
- 2 かっけこ遊び
- (1) 子どもはかけっこ大好き
- 子どもはもっと早く走れる/ 「速く走れる魔法の線」で遊ぼう
- 3 たのしい障害物ゲーム
- (1) 障害物競走は危険がいっぱい
- 競争ではなく楽しいゲームにしよう/ 新聞紙で障害物ゲームをしよう
- 4 おもしろ組体操
- (1) 子どもたちとつくる組体操
- 「グループメーキング」で遊ぼう/ 「忍者ごっこ」で遊ぼう/ 「先生、お寿司できたよ」/ リズムにのって/ 子どもがつくったおもしろ組体操
- 第五章 冬の運動遊び
- 1 冬の運動遊びのポイント
- (1) 風の子もしっかり準備運動しよう
- 冬=まとめの季節/ 軽い運動を長い時間続ける
- 2 室内でできる運動遊び
- (1) 今までしてきた保育をさらに深める
- お山座りオニごっこを利用して遊ぶ「宝とりゲーム」/ 「チビッコ取り合いボール」を深めて
- 3 ゲーム遊びのいろいろ
- (1) サッカー遊びについて
- 「サッカーゴルフ」で遊ぼう/ オリジナルのルールをつくって遊ぶ
- (2) 「しっぽ取りゲーム」「帽子取りゲーム」で遊ぼう
- ゲームの導入/ 「しっぽ取りゲーム」「帽子とりゲーム」の基本/ 「しっぽ取りゲーム」「帽子取りゲーム」の発展
- (3) 迷路を使って遊ぼう
- 迷路をつくろう/ 迷路でオニごっこをしよう/ 「迷路ジャンケンゲームで遊ぼう」
- 季節ごとの運動遊びの大まかな流れ
- 保育tips集
はじめに
保育の現場で10数年実際に子どもたちとかかわってきて、疑問に思う点がありました。それは、運動遊びや運動のための遊具(マットやとび箱)が保育の中でうまく利用されていないのではないかということです。
幼児期は人間形成の基盤をつくる大切な時期であるということはよく耳にします。しかし、それが子どもたちの情緒面や精神面ほどには運動面や身体の発達については触れられていない現状を残念に思います。
そこで本書は、保育の現場で少しでもこのような問題を解決するために幼児の運動遊びをできるだけ分かりやすく簡単にまとめたものです。特別なことをする必要はありません。ふだん子どもたちがしている運動遊びに少し工夫を加えて、より楽しく運動遊びをすることによって子どもたちの活動量も自然に増え、丈夫な身体づくりにつながります。
また、本書は幼稚園でも保育所(園)でも活用できるように4歳児、5歳児を中心に考えていますが本編の中でも述べているように、ひとつの遊びやゲームがどのような要素から成り立っているか考えていけば最後には簡単な運動になるので3歳児以下の子どもでも十分に遊べるものがあると思います。
なお、本書の内容はほとんど私が実践してきたものですが、今までお世話になった恩師、澤野勇先生や強力していただいた大慈保育園、トベラ保育園、みどり保育園、なすみ保育所、加古川エンゼル保育園、ベイカ保育園、姫路若葉保育園、立花愛の園幼稚園の園長先生および保育所のみなさん、そしてなにより元気な子どもたちぬきには語れません。ここにあらためてお礼申し上げます。そして、この素晴らしい機会を与えて下さった富山大学の竹井史先生そして明治図書編集部の皆様に感謝申し上げます。
1998年 4月 /岩澤 秀章
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- 明治図書