- まえがき
- プロローグ…新しく広がる地平線
- T 保育を明るく美しく
- ―広く世界を見わたしながら―
- 1 『児童の世紀』を振り返って〜“The Century of the Child”
- 2 日常性へのクエスチョン・マーク〜Why? & Why not?
- 3 緑ゆたかにエコロジカルな園庭へ〜Kindergartenへの回帰
- 4 園を,子育てサロンへ〜Open-systemへの提案
- 5 日常生活は「会話」から〜キー・ワードは dialogue
- 6 保育者の“個性”を生かす〜personalityの時代へ
- 7 「生活文化」をゆたかに〜保育内容としての living culture
- 8 集合の魅力とプレッシャー〜 grouping を工夫する
- 9 四季の行事を心ゆたかに〜子ども時代の festival
- 10 “美”を保育のテーマに〜sense of beauty
- 11 “食事”を園生活の中心に〜なごやかな lunch time
- 12 私たちの生き方として〜 humanism をテーマに
- U 明るい生活空間をデザインする
- ―生活文化としての居住空間へ―
- 1 オアシス(oasis)としての園庭へ
- 2 玄関ホールとクローク・ルーム(cloak-room)
- 3 広い窓(wide window)からの借景
- 4 テラス(terrace)の効用
- 5 壁面のセンス(wall decoration)
- 6 独立した食事の部屋(dining room)
- 7 照明(lighting)を楽しむ
- 8 コーナー(corner)の工夫
- 9 合理的な赤ちゃんの部屋(baby room)
- 10 スタッフ・ルーム(staff room)の充実
- V スカンディナヴィアの保育風土から
- ―ノルディック・デモクラシーに学ぶもの―
- 1 北欧の緑のなかの子どもたち
- 2 1世紀前の北欧
- 3 子孫は無限の水平線を与える
- 4 ノルウェーの子育てと保育政策
- 5 スウェーデンの保育政策と課題
- 6 北欧の幼児保育における注目点〜フィンランドとノルウェーの場合
- W 子育ての思い出を聞く
- ―アメリカ・イギリス・スウェーデン―
- 1 アメリカ・赤ちゃんとの“会話”
- 2 アメリカ・子どものしつけ方
- 3 イギリス・思いきり楽しむバースデイ・パーティー
- 4 スウェーデン・なつかしいクリスマスのにおい
- エピローグ…「比較保育論」のすすめ
まえがき
世紀が改まろうとするとき,私たちは何かしらの飛躍を期待し,また,どのような飛躍があるのかを胸に描こうとします。そして,今までのそれよりも,視界が大きく広がる高みへの上昇を願います。
しかし,そのことは周囲の状況のよい方向への変化と,自らの努力によるセンスと知性の向上を条件とします。
この,自らを含めた飛躍という大いなる課題に立ち向かうとき,私たちは広く世界に目を向けた,比較文化論的なものの見方の有力であることに気がつきます。惰性的な視覚からの脱出に,キラリと光るインスピレーションを与えてくれるからです。
世紀の転換の時期に際して,本シリーズの8冊めのタイトルの中に,“新しい地平線”と“比較保育論”といった言葉を入れるのは,このような考え方からです。
保育の世界に生きる者として,視界が大きく広がり,魅力的なテーマがどんどんわき出してくることを期待するのです。
世界を広く見渡しながら,明るく美しい保育のありようを,さわやかに,おおらかにデザインしていきたいと思っています。
/荒井 洌
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- 明治図書