- はじめに
- T章 実践のまえに
- 認識の経過づくり
- U章 実践1 知識を集める遊び、再現する遊び
- 家族と人間社会
- 交 通
- 人 間
- 動 物
- 植 物
- 時間・天候・季節
- 素 材
- V章 実践2 課業としての遊び
- 家 族
- 人間の体
- 動 物
- 植 物
- 交 通
- 季 節
- W章 テーマと計画
- X章 遊具・教具
- 手作り遊具の作り方
- 1 1日の生活(絵カード)
- 2 家族の持ち物(絵カード)
- 3 夜の家(絵)
- 4 入 浴(絵カード)
- 5 表 情(絵カード)
- 6 表 情(3分割カード)
- 7 体(絵カード)
- 8 手の動き(絵カード)
- 9 着せ替え人形
- 10 寝ている子ども(4分割)
- 11 鉄棒,板切り(絵)
- 12 遊び,母子(絵)
- 13 野 原(絵)
- 14 動 物(3分割カード)
- 15 動 物(絵カード)
- 16 動 物(絵カード)
- 17 野 菜(絵カード)
- 18 果 物(絵カード)
- 19 花(絵カード)
- 20 乗り物(絵カード)
- 21 色遊び(ケースシート)
- おわりに
はじめに
幼児期の子どもたちにとって,遊びは一番大切なものです。毎日くり返される遊びのなかで,子どもたちは様々なちからを獲得していきます。知的にも,自然や社会について沢山のことを吸収していきますが,こまぎれの知識だけではなく,それぞれのつながりや,そのつながりの中にある法則に気づいたときの子どもたちの驚きや喜びはとても大きいものです。これらの経験が積み重なっていくうちに,自分のちからに対する自信となり,自分を取り巻く世界に対する信頼ともなっていきます。
そのために特別な経験や学習を必要とするわけではありません。毎日の生活や遊びの中で,ちょっと立ち止まって観察したり,つながりを考える機会があることによって得られます。しかし,“遊んでいればその中で何か学んでいる”と子どもまかせにするのではなく,大人の意図的な援助も必要です。
春に石の下や草の中から沢山の丸虫を探していた4歳の男の子が,夏がすぎ秋になったときにはいくら探しても見つからない,と訴えにきたことがあります。保育者が「今は,もういないのよ」と答えると,その子は「虫にも何月何月があるんだ!」と言いました。季節による人間の生活の変化と同様に,虫にも生活のサイクルがあることに自分で気づいたのです。
こういう子どもたちの知る喜び,発見する喜び,不思議だと思う姿に感動し,大人の役割の大切さに気づいた保育者たちの実践と子どもたちの姿をお伝えできたらと思います。
著 者
参考にしたい本です。