- はじめに
- あると便利なもの
- 1 魚つり
- 2 帽子を作ろう
- 3 ビリビリ破ろう
- 4 ペタペタペッタン
- 5 ボールの投げっこ
- 6 びっくり扇子
- 7 紙飛行機
- 8 くっつきカエル
- 9 ケーブルカー、望遠鏡
- 10 トンネル、新幹線
- 11 いないいないバア
- 12 パクリン、ブルルンロボット
- 13 パパ人形、マラカス
- 14 パクパクアヒル
- 15 車にのって出発
- 16 掃除機
- 17 消防車
- 18 ごみ収集車、宅配便の車
- 19 掃除機、ガスレンジ
- 20 人気者がいっぱい
- 21 かに吉、グルグルへび
- 22 ハンバーガー、おにぎり
- 23 おすしやさんごっこ
- 24 洗濯物を干そう
- 25 財布とお金、パクパクきつね
- 26 虫、虫、とまれ
- 27 スタンプあそび
- 28 シールであそぼう
- 29 フェルトをはろう
- 30 ポヨヨンタコ、カニカニボール
- 31 粘土でクッキー
- 32 粘土のパンやさん
- 33 お絵かきあそび
- 34 しかけ絵本を作ろう@
- 35 しかけ絵本を作ろうA
- 36 クッキーを作ろう
- 37 ホットケーキを焼こう
- 38 サンドイッチを作ろう
- 39 フルーツパーテイ、お好み焼き
- 40 アイスクリームのバリエーション
はじめに
1 何かを作り出す楽しみ
この本は、新聞紙、牛乳パック、空箱などを用いて、簡単な工作や遊びを展開することがねらいです。
工作の楽しさとは、何でしょうか? それは自由にイメージしたものを、いろいろ工夫して自分で作ることにあります。与えられたものを指示通りに作るのでは、その楽しさは半減してしまいます。
自分でどんな材料を使って何を作るか。「ああやって、ここをこうやって、うーん、よし、やってみよう!」このわくわくする気持ちが工作を始める楽しさです。自分のイメージするものを、無から有へと作り出すことは大変なエネルギーが必要です。最後まであきらめないでやる根気も必要です。でも、それ以上に出来上がった時は、思わず「やったーやったー」と飛び上がるほどうれしいものです。
2 工夫したり失敗しながら…
自分で考えて、自分で作るとなるとなかなか思い通りにはいきません。例えばロボットを作るとしても、足を付けたが、うまく立たないとか、手が同じ長さにならないとか…そこでいろいろ工夫したり、失敗しながら子どもは、多くのことを経験して学んでいきます。
この本にも、材料、作り方を紹介してありますが、これはあくまで参考で、もっと自由に考えていただけたらと思います。
保育者が「ねえねえ、みんな何か作ってみようよ」と子どもたちに働きかけて一緒に作る時に、「先生はこんなの作ったよ」と、この本の中のものを一例として見せたらどうでしょう。その後は、子どもがそれぞれ自由に作ります。先生の作ったものをヒントにしてもいいし、全然違うものでもいいのです。山のような空箱やトイレットペーパーの芯や新聞紙の中から、子どもは思い思いに自分でイメージして作っていきます。
3 小さな芸術家
子どもたちといっしょに工作をしていて驚くことは、本当によく考え工夫して作っているということです。その発想の奇抜さ、独創性には、とても大人はかないません。
「何を作っているの?」と聞くと、にこにこしながら、「ないしょ、ないしょ」と完成するまで見せてくれません。
夢中になって作っている時のキラキラした目の輝きを見ていると、私の方まで楽しくなってきます。
工作が得意な子、ダンスが大好きな子、虫を集めて育てるのが上手な子、子どもの数だけ個性があるのです。好きなことに夢中になっている時は、表情が違います。どの幼稚園、保育園にもきっと小さな昆虫博士、音楽家、芸術家がたくさんいることでしょう。
4 創造性、自由な発想
「創造性のある子どもに…」とか「創造力を育てる」といった言葉をよく耳にします。「創造力」とか「自由な発想」って何でしょうか。創造力を育てるマニュアルがあったとしたら、それこそおかしな話です。
もし、幼児期から、与えられたものを指示通りにやり、与えられたものに疑問も抱かず、早く正しくやることばかりを訓練されたら、間違いなく創造性は失われてしまいます。そうしたパターンに慣れてしまうと大人になってから、いくら創造力をつける本を読んだり、セミナーなどに出たところで、まずは無理でしょう。
「創造力」とか、「自由な発想」には、何にも縛られない自由でゆったりとした時間があること、気持ちが解放されていること、そして、枠からはみ出した個性も十分認めるだけの保育者の心のゆとりが必要です。
子どもは、本来大人が及ばないほど自由で豊かな感受性を持っています。子どもが描く絵が、大人の絵よりずっと迫力があるのは、物の本質をとらえ、自分が感じたものをそのまま表現できるからです。そして、その感受性を伸ばしていくのが保育者の役割だと思うのです。
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- 明治図書