- はじめに
- あると便利なもの、いろいろ
- 1 ロケットになって月旅行
- 2 海へ行こう!
- 3 どこにある?
- 4 どっち?いくつ?
- 5 お店やさんごっこ
- 6 ボーリング
- 7 くじびき
- 8 しっぽとりゲーム
- 9 バスごっこ
- 10 駐車場ごっこ
- 11 せんたくバサミゲーム
- 12 これだれの?
- 13 ふくろの中はいくつ?
- 14 ボールはどこ?
- 15 だれがボールもってる?
- 16 足は何本?
- 17 だれかな?
- 18 指あそび・こんにちは!
- 19 くらべっこ
- 20 どんどん高く
- 21 手品でーす!
- 22 グリコ・チョコレート・パイナップル
- 23 ピョン、ピョン、ピョン
- 24 3 4の人はすわって
- 25 お手伝いしようゲーム
- 26 何だった?何本だった?
- 27 パクパクおなかすいたよ
- 28 手あそび
- 29 指あそび
- 30 三角になろう
- 31 赤い三角、青い丸
- 32 どこに置くのかな?
- 33 開くとなーに?
- 34 わたしはだれでしょう?
- 35 なんだろう?
- 36 △□○は何?
- 37 あか、あお、きいろ
- 38 つないで、つないで
- 39 まる、さんかく、しかく
- 40 おかしの箱でパズルだよ
- 41 「じぶん」をかこう
- 42 汽車ごっこ
- 43 どこがかわったかな?
- 44 ペットボトル・オンパレード
- 45 トランプあそび@
- 46 トランプあそびA
- 47 どのリボンが長いかな?
- 48 リボンで遊ぼう
- 49 穴、穴…ひとつ
- 50 ふた…どれのふた?
はじめに
1 遊びが原点
幼児期の子どもにとっては、遊びが原点です。「おもしろそう、やってみたい」と思うこと、これが一番大切です。本書は、遊びの中で、また、実際の体験を通して、数、形、大きさといった数量的なものを認識し、理解できるようにするのが目的です。
3〜6歳の子どもにとっては、「学習する」「勉強する」といった意識は必要ありません。何よりも楽しくて、夢中になることが大切です。子どもたちは、遊びを通し多くのことを吸収していきます。
ドリルやプリントで3+1=4といった計算問題を数多くやるより、ままごとで3人遊んでいて、もう1人、男の子が入ってきたら「3人家族に、お父さんが1人入って、4人家族だね」といったほうが、ずっと具体的ですし、加法の内容も理解できます。そのまま発展して、「さあ、みんなのうちは、何人家族?」と聞けば、数と数字の結び付きの学習にもなります。
2 ゲームや遊びの中で
子どもの生活の中で、「学ぶ」と「遊ぶ」は境界がありません。子どもは、遊びの中で多くのことを学びます。
子どもたちを、机の前に座らせて、プリントやドリルを何枚もやらせようとすると、必ず拒否反応を示します。「つまんなーい」「やーだ」
プリントをやるどころか、消しゴムのかすをまとめて、お団子を作っています。そのほうがずっと楽しいし、興味あること、おもしろいことを一番先にするほうが、子どもにとっては自然です。
これが野原で、草の中をかけめぐり、虫取りに行くと、表情が生き生きと輝いてきます。「ぼく、6ぴきもつかまえたよ」とか「ぼくのバッタの方がおおきいぞ」「ううん、ぼくのほうがおおきい」バッタの大きさを比べたり、捕まえた虫を満足そうに数えたり、こうしたなかで数について、また、大きさの比較について、子どもたちは吸収し、学んでいきます。
3 保育する人の視点
保育者が、ほんの少し視点を変え、数量的な意識をもつだけで、日常生活や遊びの中に数を数えたり、大きさを比べたりする場面はたくさんあります。
例えば、ゲームやダンスをするために、4人組になるとしましょう。なかなかうまく4人組になれません。「1,2,3,3人、ここは1人足りないね」「1,2,3,4、5人、ここは1人多いね」といえば、3人なら、4人に1人足りなくて、5人なら、1人多いといった過不足について子どもは気付きます。
子どもにただ1から100までを無理矢理おぼえさせることは、好ましくありません。これからの長い算数の学習の入口です。だからこそ、答えを求めるより、失敗しながらも、自分で試行錯誤しながら工夫したり、考えようとすることが大切なのです。与えられた問題をこなす計算力は、後からいくらでも身に付きます。
本書を参考に、子どもたちとたくさん遊んで、学んでください。
1998年夏 /和田 ことみ /和田 琴美
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- 明治図書