スペシャリストが提案する新授業2
服部幸應の“かしこい食育”
子どもたちがもっと健康になるためのヒント集

スペシャリストが提案する新授業2服部幸應の“かしこい食育”子どもたちがもっと健康になるためのヒント集

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やさしくわかって、すぐに使える!食育が100倍楽しいヒント集

『食育』のスペシャリストの服部幸應先生が、15年以上前から食育推進活動を通して、医学的また科学的な見地から研究してきた結果を解説。子どもがもっと健康になるためのヒントがいっぱい! 巻末にはかんたんレシピ集も収録。食育には欠かせない1冊です。


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ISBN:
978-4-18-924510-0
ジャンル:
総合的な学習
刊行:
対象:
小・中
仕様:
A5判 112頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

もくじの詳細表示

はじめに
メニュー1★子どもに身に付けさせたい「食育」3本柱
◆食育の3本柱
「選食能力」
「躾」
「食料問題」
メニュー2★「食育」指導者への提言
◆知っておきたい食にまつわる子どもの実際
◆子どもを取り巻く生活環境の変化
◆子どもの身体の変化その1
◆子どもの身体の変化その2
◆肥満事情とその背景
◆子どもへ与える食における努力目標
◆「キレる」子どもと食の関係
◆赤信号の6つの「こ食」
◆日本の子育て事情
メニュー3★子どもへの食育指導のアイデア
◆給食時間にできる食育
指導者のみなさまへ
子どもへ徹底したい「マナー」
「偏食指導」とその工夫
「咀嚼」指導
8歳までに人格形成を確立しよう
「選食力」の身に付け方
適切な「食事の量」に気付かせよう
学校給食の献立からの考察
学校の「食育」指導の基礎基本
食育推進基本計画から
◆子どもに伝えたい食における重要テーマ
朝食の必要性
「牛乳」に関する調査結果
アルコールの害
食に関する様々な情報の伝え方
「砂糖」の有効的な使い方
「もったいない」
◆体験重視の「食育」で楽しく
調理教育における展望
「味覚教育」の必要性とアイデア
◆基盤には子どもとの信頼関係
メニュー4★子どもが興味を持つ「食の話材」
◆諸外国の食材
◆禁煙教育の必要性
◆和食の魅力を伝える
◆食における将来の展望
◆食材と指導時期の関係
◆子どもとおやつ
◆今後の社会における食育
メニュー5★簡単でおいしいアイデアレシピ
◆子どもの好き嫌い克服アイデア
レシピ1 にんじんとブロッコリーの炒め物
レシピ2 ピーマン・イン・ドリア
レシピ3 ひじきハンバーグ
◆チャレンジ! 家庭で行事食アイデア
レシピ4 桃の節句には「ひしもちずし」
レシピ5 お祝い事にはやっぱり「お赤飯」
◆忙しい朝におすすめアイデア
レシピ6 簡単メニュー3種
レシピ7 焼きおにぎりスープ
◆簡単!手作りおやつアイデア
レシピ8 子どもに与えたいおやつ3種
◆子どもが喜ぶお弁当アイデア
レシピ9 DHAたっぷり「あじのつくね焼き弁当」
付録:食育基本法

はじめに

 19年前(平成元年),私の学校に入学した学生に,1週間の食事日記を提出させてみました。すると,ダイエットしていたり,朝食をとらない学生も多く,大変バランスの悪い食生活でした。「それでは食のプロになれないよ」と言って聞かせて2年間の指導がはじまりました。そして2年後に再度食事日記を提出させてみたところ,学生の食生活習慣はほとんど進歩していませんでした。それどころか,改善されていたのは,6%という低い値だったのです。しかし,理想の献立を立てるという試験結果は80〜100点と,頭ではちゃんと理解できていても,すでにこの年齢では,幼い頃からの食生活習慣を変えることができないというわけだったのです。そこで他の学校にも同様の調査をしてみましたが,やはり6%程度だったのです。

 つまり,知識を持ち得ることはできたのですが,それが実生活に生かされていないのです。では,いつ頃から習慣を付けるべきか研究に入っていったのです。


 さて,先生方の食生活はいかがでしょうか? 子どもたちと一緒に給食を食べている時はいいのですが,家庭での食生活は,子どもたちに見せることができるものでしょうか?

 はっきり申し上げまして,10代の後半から生活習慣を変えようとすることは大変に難しいことなのです。「わかっちゃいるけど……難しい」なのです。20歳位になってしまっては,急に食生活を変えようとしても遅いというわけです。

 では人間にとって,いつ頃から生活習慣の指導が効果的なのか。0歳〜3歳は親子のスキンシップ。次に3歳〜8歳までは,家族ができるだけ多く食事を共にすることが大切になるのです。40年前は年間800回位(3歳〜8歳),朝・昼・晩と家族が一緒に食事をとっていたのですが,現在ではたったの300回程になってしまいました。また,3歳頃からの食卓の問題点は,テレビなのです。家族が相互の交流を充実させるためにも,食事中はテレビを消してほしいのです。小学生に家庭の食事風景を絵に描いてもらったところ,92%の絵にテレビが食卓と共に描かれていたのです。この様な状況では,なかなか箸使い,あいさつ,偏食などの躾がしにくくなります。親が子どもに注意がいかなくなってしまうのです。ですから幼い内なのです。「食卓を通しての人間教育」ができる時期は!

 「食育」とは心の成長が大事な時に,食卓を通じて,食に対する環境づくりをしてあげることなのです。それを考えるとまず,0歳〜3歳までは親と子のスキンシップが重要で子守歌や絵本などに接する回数,また3歳〜8歳では,食卓で家族が一緒に過ごした回数によって,その後の成長(精神)は比例して良くなるのです。特に8歳までに健全な精神を育んでおくことが必要なのです。また20歳までは健康の源をつくる骨密度のピークの時期で,身体にとって一番大事な時期であり,特に7歳〜18歳は一年で5pも骨が成長する時でもあります。

 以上のことを考えると,幼年期においては「食育」という名にかけて,しっかり家庭で指導していかなければ,後々取り返しのつかないことになってしまうのです。ですから,一般の先生方,また栄養教諭や家庭科の先生方は,ご自身の食生活の経験則で指導するばかりでなく,「食育」に関する正しい知識を得て,子どもと一緒に保護者にも指導にあたっていただきたいと思います。

 私は15年前(平成2年)より食育推進活動を通して,医学的また科学的な見地から食育の研究をしてきました。

 これから「食育」を実践する先生方,また保護者の方々にきっとお役にたてると思います。

 未来輝かしい子どものために,私たち大人がしっかり「食育」を推進していかなければ,将来輝かしい日本にならないからです!


  2007年2月   /服部 幸應

著者紹介

服部 幸應(はっとり ゆきお)著書を検索»

1945年東京都生まれ。学校法人服部学園服部栄養専門学校理事長・校長。

昭和大学医学博士学位修得。医学博士。

「食育」「健康と食」をテーマにした講演を精力的にこなす一方,テレビ・ラジオ番組の出演や企画・監修も行う。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 食育指導を子供たちにしたいと思いながらも、重い腰が
      上がらないでいました。
      とにかく、何が一番大切なのか、これを読んでわかった
      気がします。
      とってもわかりやすい文章で、さっと頭に入ってきました。
      わが子と同様にクラスの子どもたちがもっと健康になるように、
      教師としてできることから始めたいと思います。
      2007/5/9ママ先生

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