うちの子って変!? 子どものつぶやきから始まる親子性教育

うちの子って変!? 子どものつぶやきから始まる親子性教育

好評8刷

恥ずかしくて聞けなくなる年頃までに行いたい性教育の土台作り。

様々なことに興味・関心をもつ幼児期は、自分や家族の身体に関する関心も高まる。そこで子どものつぶやきを生かした「性」に関するコミュニケ―ションがお勧め。幼児期にとってはそれが一番の「性教育」となります。親子だけでなく子どもに関わる全ての方にも推薦の書!


紙版価格: 2,090円(税込)

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ISBN:
978-4-18-906730-6
ジャンル:
幼児教育
刊行:
8刷
対象:
幼児・保育
仕様:
A5判 144頁
状態:
品切れ中
出荷:
未定

もくじ

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はじめに
1 子どもの成長に合わせた親子の関わり方
子ども期を考える
子ども期前半10年
子ども期後半10年
伝わる話し方って?
ミキちゃんのきもち
おどしと代償
ほめていますか? ほめられたときはどうしていますか?
カラダを使ったコミュニケーション体験
親子性教育講座での伝え方
私だって児童虐待予備軍!?
あるお母さんのつぶやき
もしかして通報された?
児童虐待の種類と捉え方
不安になったら,どうすれば?
子どもを愛するとは?
2 子どもがつぶやく「性」の疑問・不思議Q&A
シーン1:テレビを見ていて・ドキッ!
1 「ママ〜,ボクと一緒だねぇ?」(ママとベッドシーン?)
2 「ママとパパみたい!」(ママとパパはいつもラブシーン?)
3 「ママ! あのふたり,結婚しているぅ!」(ラブシーン=結婚?)
4 「ママ〜,ラブラブ〜♪」(ラブシーン=ラブラブ?)
5 「あ〜っ……」(ラブシーン=恥ずかしい?)
6 「…………」(無反応!?)
7 「ママ〜,チュ―したら赤ちゃんができるんだよね?」(キスは何のために!?)
8 「男と女が手をつないでいたらラブラブなんでしょ?」(ラブラブって何?)
9 「ママ〜,ボクにもよるよう買って!」(ママのおむつ?)
10 「パパ〜,エッチってなあに?」(エッチなこと?)
◆コラム1:大人からのアクションパート1
シーン2:お風呂で・エッ!
1 「どうしてママにはおちんちんがないの?」(おちんちんって男だけなの?)
2 「パパとボクのおちんちんがちがう!!」(パパとは違うオトコ?)
3 「何がついてるの?」(不思議なモヤモヤ?)
4 「どこでイタイイタイしたの?」(包帯のヒモ?)
5 「ママけがしてるよ!」(ママかわいそう)
6 「パパのオッパイは出ないの?」(オッパイは同じ!?)
7 「あれぇ,変なの」(キレイなおててで)
8 「ママ,どうしてこんなところに線が引いてあるの?」(お腹のキズは親子の証明!)
9 「お〜出てきた,出てきた!」(勃起!?)
10 「パパのおちんちん,なんでフワフワ浮いちゃうの?」(父親の性器はおもちゃ?)
◆コラム2:大人からのアクションパート2
シーン3:絵本や雑誌で・ギョ!
1 「私はママのどこからうまれてきたの?」(素朴な疑問?)
2 「妹はまだなの? 早くしないとドロボウが来ちゃうよ」(私の妹はまだぁ?)
3 「ねぇパパ,ボクはやっぱりママと結婚する!」(ママと結婚!?)
4 「この子,本の赤ちゃんとちがう!」(きもち悪い!)
5 「ママとパパも結婚でチュ―したの?」(結婚=チュ―?)
6 「ねぇママ,人間も交尾するの?」(人間の交尾!)
7 「パパの新聞,オッパイ新聞だ〜!」(スポーツ新聞ってエッチ?)
8 「あれ〜ママのおっぱいとちがうよ」(週刊誌の袋とじ)
9 「これはネ,ヒミツのお宝だから内緒!」(お宝の絵本の正体は?)
10 「ねぇママ,かわいい絵本買ってもらっちゃった!」(かわいい絵本の正体は?)
◆コラム3:大人からのアクションパート3
シーン4:トイレで・ウーン!
1 「パパぁ,ティッシュどこ?」(トイレットトレーニング不足?)
2 「お兄ちゃんみたいに,立ってするもん!」(私だってできるもん!)
3 「どうしてボクのおちんちんは小さいの?」(違っていて当たり前)
4 「なんでボクのオシッコは噴水なの?」(噴水の原因)
5 「男子トイレには女の人が入ってくるよ!」(男子禁制の聖域?)
6 「ママ,オシッコいらない!」(オシッコが嫌い!)
7 「おもらしじゃなくて,勝手に出てくるの! ママのバカ!」(排尿の高等技術の習得?)
8 「どうして,お家のようにしたらダメなの?」(入園期ならでは)
9 「おちんちんイヤイヤ言うよ」(熟練には時間が必要?)
10 「ねぇ〜,ママと一緒になったでしょ?」(おちんちんがなくなる!?)
◆コラム4:大人からのアクションパート4
シーン5:いろんな場面で・オロオロ!
1 「パイパイあげたよ」(母親の真似)
2 「ママ,あの人きのう結婚したんだね?」(妊娠=結婚!?)
3 「あの人たちのお腹にはお菓子が入っているの?」(食べ過ぎのカップル?)
4 「おじちゃんは大好きだけど,カノジョにはなれない!」(おじちゃんの恋人?)
5 「お医者さんごっこしているの」(ハラハラお医者さんごっこ)
6 「ママぁ,ボクもパパが欲しい!!」(父の日なんていらない!)
7 「先生,これは悪いことなの?」(セックスごっこ@)
8 「テレビでやってたエッチごっこだよ!」(セックスごっこA)
9 「なるほど〜,これが女の子かぁ?」(興味津々なオムツ替え!?)
10 「ママ〜,ボクにもオッパイちょうだい!!」(赤ちゃんがえり)
11 「何しているの? 動かないね?」(動物園にて)
12 「だって〜,きもちいいんだもん!」(事実と真実)
3 子どもの世界のジェンダー
靴屋でのシーン
パパのきもち たくましくあれ!!
うちの子心配! 将来,負け組!?
保育園での出来事 みんな違うんだね
性のグラデ―ション 私の中には男と女が混在している!?
性の多様性への気づき
おわりに

はじめに

 ボランティアグループ「ハートブレイク」が電話相談「思春期のこころ&からだ・性の相談」を始めて11年が経過しました。この間,相談員として数多くの思春期の若者と電話で話をしたり,講演会の後に直接悩みを聞いてきました。そんな「思春期の悩み」,とりわけ性の問題の多くに関わってきた私たちが,今回あえて「幼児期の子どもを持つ親」「幼児期の子どもたちに接する大人」をターゲットとした本を手がけようとしたのには深い理由があります。

 まず第一に,電話相談で悩みを聴くたびに「思春期の若者たち」対「大人」のコミュニケーション不足を感じることがあるからです。

 電話相談のなかには思春期特有のいろいろな悩み・疑問があるのですが,そのほとんどが身近な大人に聞けばすぐに解決しそうなケースです。

 もっとも,ほとんどの悩みは親や先生,時には友人が解決してくれているのでしょうが,私どもの相談に多い「性」の悩みに関しては「話せる大人が周りにいない」と感じているようです。もしかすると,彼ら自身で「性に関することは,身近な大人には聞けないこと」と決めてかかっているのかもしれません。

 それではなぜ若者たちは,性に関する悩みや疑問を親や先生に聞けない状態になっているのでしょうか。知らず知らずの間にしみついた「性は恥ずかしいこと」という思いがあったり,「大人は性の悩みにはまともに答えてくれない」という経験があったからなのでしょう。「性に関しての若者たちと大人たちのコミュニケーション不足」,それを作り出しているのは,実はわれわれ大人のほうなのでしょう。

 幼児期には,子どもたちの「なぜ?なぜ?攻撃」に一生懸命対応しながら子育てをしている親や専門家(保育士・先生)が,性に関する事柄には無意識のうちに「これ以上聞かないで!」を伝えてしまっているのです。そこで,子どもたちが思春期になってから対処しようとするのではなく,幼児期のうちから「性」に関することを話し合えるきっかけ作りとしての本を出したかったのです。


 第二の理由は,性の自己コントロールの基礎ができていない若者が増えていると感じているからです。

 「我慢を乗り越えての満足感」「清潔と快感」「欲望のコントロール」「自分や相手への思いやり」……。これらは,幼児期からの生活そのものが基礎となっているのはご存知の通りです。しかし,生活様式の変化にともない,これらの基礎ができないままカラダだけが早く成長してしまい,いろいろな問題が起こってしまっているのが現状です。例えば,初交年齢の低下に起因する「若者の性感染症の増加」や「10代の人工妊娠中絶の増大」などがその一例でしょう。

 これら「思春期における諸問題」の発生を少しでも減少させるには,幼児期に関わる方々の意識を少しずつでも変えていく必要があると考えています。思春期における対処療法だけではなかなか解決できないことであっても,幼児期からの対応によりコミュニケーションのとれる人間に育てていくことで改善が期待できると確信しているのです。

 本書をお読みいただいた皆さんに,いわゆる「幼児期の性教育」をすぐに実施してくださいと願っているのではありません。「性教育」は「人間関係の教育」と「知識・情報の教育」という二本の柱から成っていると言われます。このうちまずは「人間関係の教育」に力を注いでいただきたいのです。その結果,コミュニケーションがしっかりとれる子どもたちが増え,性に関しての悩みが出てきたときに,正しい知識を得ようと努力するに違いないからです。

 「性に関する自己決定力を育む」……少し難しそうに感じますが,子育てのなかで誰でも簡単にできることがたくさんあるのです。そして,それらは子育ての最初である「赤ちゃん期」から始まっているのです。

 肩に力を入れることなく,気楽に取り組んでください。「子どもたちとのコミュニケーションを楽しむ」ことこそが,家庭での性教育なのですから。


 取材で訪れた保育園・幼稚園の先生方に聞くと「困ったことってあまりない」「性に関して問題はない」などの返事が返ってきます。はたして本当にそうなのでしょうか。そこで「こんなときは?」と質問をすると「ダメ」の一言で解決してしまっている様子が浮き彫りになってきます。躾(しつけ)やマナーに関してはしっかりと幼児教育をされているのに「性」に関しては意識していないのかもしれません。

 取材を進めるうちに「そういえば,こんなこともあった・あんなこともあった」などと,派生的に次々と事例が出てきました。

 意識するとしないのでは,問題の芽を見つけるのに大きな差が出るのは明らかです。何かが起こってから対処するのではなく,今から子どもたちの心の中をのぞいてみましょう。そのためにもすてきなコミュニケーションを見つけてみませんか。

 最後に,本書掲載写真は,ハートブレイクスタッフおよび関係者の方々からご提供いただきました。これらの写真は本文とは関係がないことを申し添えます。


  2006年12月

   ハートブレイク代表 /黒瀬 久美子

   ハートブレイク思春期研究所所長 /黒瀬 清隆

著者紹介

黒瀬 久美子(くろせ くみこ)著書を検索»

ハートブレイク代表

保健師の久美子と金融機関勤務の清隆は昭和52年に結婚。共働きの生活で両親や保育所の協力を得て一男二女の育児を経験。その後「ハートブレイク」の活動が二人にとって共働のものとなり,平成11年に清隆は金融機関を任意退職し専従者となる。同時期に「ハートブレイク思春期研究所」を設立し活動の幅を広げる。セクシュアリティや性教育をキーワードとした講演活動は2人合わせて1000回を超え,対象は生徒・学生に留まらず,幼児からシルバー世代までをカバーする。最近では幼児や親子に対する性教育・知的障がいを持つ方たちやその支援者への関わりにも力を入れて活動を続けている。

ハートブレイクちょっと心の休息を

平成7年の阪神淡路大震災後に設立され「子ども達の不安や悩みを少しでも和らげたい」という思いで電話相談を始めたボランティアグループ。現在はEメール相談も加えながら活動を続けている

黒瀬 清隆(くろせ きよたか)著書を検索»

ハートブレイク思春期研究所所長

保健師の久美子と金融機関勤務の清隆は昭和52年に結婚。共働きの生活で両親や保育所の協力を得て一男二女の育児を経験。その後「ハートブレイク」の活動が二人にとって共働のものとなり,平成11年に清隆は金融機関を任意退職し専従者となる。同時期に「ハートブレイク思春期研究所」を設立し活動の幅を広げる。セクシュアリティや性教育をキーワードとした講演活動は2人合わせて1000回を超え,対象は生徒・学生に留まらず,幼児からシルバー世代までをカバーする。最近では幼児や親子に対する性教育・知的障がいを持つ方たちやその支援者への関わりにも力を入れて活動を続けている。

ハートブレイクちょっと心の休息を

平成7年の阪神淡路大震災後に設立され「子ども達の不安や悩みを少しでも和らげたい」という思いで電話相談を始めたボランティアグループ。現在はEメール相談も加えながら活動を続けている。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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