- はじめに
- 1章 子どもと大人の環境
- 心なごむ玄関
- クラスの受け入れコーナー
- 廊下の壁面を飾って
- 2章 保育室の中の環境
- 子どもの作品を美しく飾る
- 大人が心豊かになるために飾る
- 子どもの生活と遊びを保障するための空間づくり
- 3章 遊びを豊かにするための環境
- いろいろな道具を使う
- 積んで遊ぶ−平面から立体へ
- いろいろな物を使って数あそび
- 壁面の遊び
- テーブルの上での遊び
- 1人の遊びを保障するための空間
- 1人遊びを楽しむ
- 友だちといっしょ
- 夏の遊び
- 身体機能を助ける遊び
- 散歩
- 推薦の言葉 環境づくりについて思うこと /山本 嘉子
はじめに
この書は,保育実践を重ねてきた三人の仲間たちの子どもに対する思いと,私自身が参加・観察させていただいた幾多の保育園の乳児保育の環境をみて,子どもたちが落ち着いた家庭的な雰囲気の中で生活することを求めている姿を強く感じて生まれました。
部屋に観葉植物を置いたり,子どもと一緒に戸外に出たときに摘んだ四季折々の草花を子どもたちの目線のとどく位置に飾ってやることで,自然なかたちで子どもたちの中に優しさを育てたり,大人が植物に水をやる姿を見て育つ子どもたちは,大人が大切にするものに対して手あらな振舞いはしないものですと話してきました。そのことを何か形にしたもので皆さんに紹介しようと三人が実践してきた写真をスライドにして保育環境のありようを再度話しましたところ,多くの方から本にならないですかのお声がかかり,今日に至りました。
21世紀を迎えようとしていますが,子どもたちや親たちの置かれている環境や社会環境はますます大きく変化しています。
保育園も長時間(自主事業化)保育を求められるなかで,主観的条件,客観的条件をどのように考えなければならないか大きな課題になっています。現場にいる大人たちは,日々の保育にひるむことなく,つぶらな瞳に勇気づけられながら子どもたちの将来をみつめ,自然と共存のできる保育を考察してほしいものです。
森や野原,干潟地,河原,湖沼,河川で昔の人たちが遊んで来たことを少しでも保育の中に取り入れたり,継承したいものです。このたび,春夏編秋冬編の2部の編集にあたり,行事や日常保育の中で四季折々の草花や海のもの,山のものを取り入れながら子どもたちの情感を育てるために環境を考えてきました。この書に目を通された方の気持ちの中でさらなる発展をさせていただきたいと願っています。
この書を刊行するにあたり,共に仕事をしてきた職場の方やいつも励まし支えてくれた保護者の皆様と,明治図書の仁井田,平野両氏のご協力に感謝申し上げます。
1999年6月 編著者 /渡辺 幸子 /野崎 末子
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