0・1・2歳児の保育を創る2
リサイクルでトントン

0・1・2歳児の保育を創る2リサイクルでトントン

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リサイクルは今最も身近で面白い活動です。牛乳パックやペットボトルが思いもかけない遊具家具に大変身。子ども達,保護者達から感嘆の声が。


復刊時予価: 2,211円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-900801-X
ジャンル:
幼児教育
刊行:
対象:
幼児・保育
仕様:
A5判 112頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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刊行にあたって
はじめに
T 何だってリサイクル
(1) ハンカチ・タオルで遊ぼう
タオル人形
バスタオルが1枚あれば
(2) ビニール袋で遊んじゃおう
スーパーの袋の凧
洋服
こいのぼり
(3) 保育で使ったものを再利用して
京華紙のお花で
玉入れの玉で
布団やマットレスで
(4) フィルムパッケージ等を利用した箱積み木
(5) 靴下だって遊べちゃう(靴下人形)
(6) 大好き、水遊び、砂遊び鎧
(7) 身近な廃品を使って
大型封筒でパクパク人形
広告紙ではたき
ヨーグルトの空き箱でいも虫
空き箱・牛乳ビンのふたでチップ入れ
髪かざり
合体あそび
U 牛乳パック
(1) 捨てないで! 牛乳パックおもちゃもたのしいよ
(2) 牛乳パックで作る羽子板、マラカス
(3) 牛乳パックを使用した椅子とテーブル
V ペットボトル
(1) ペットボトルで感覚に働きかける遊びを
モビール・ストロー落とし・ボーリング
輪なげ・楽器・ジョーロ
(2) ペットボトルで自然を生かした遊びを
「棒さし」遊び
ボーリング
マイバッグ
風車・水遊び用シャワー・キラキラボトル
(3) 「棒とおし」と「手さぐり缶」
W ダンボール
(1) ダンボールで遊んじゃおう・1
大型バス
トンネルトンネル・上手に入るかな? コトン
自動車
(2) ダンボールで遊んじゃおう・2
おうち
電車
トンネル
(3) ダンボールで遊んじゃおう・3

はじめに

 リサイクルとは,「(資源の節約や環境汚染防止などのために)不用品・廃棄物などを再利用すること」<広辞苑>です。

 リサイクルは,今最も身近で面白い活動です。牛乳パックやペットボトルなど身近なものが,思いもかけない遊具や家具に大変身。子どもたちはもちろん,保護者たちからも感嘆の声が上がるでしょう。こうした生活用品を保育の場で活用するのもリサイクルの一つです。

 保育の場での生活用品リサイクルの意義は大きく二つあります。一つめは子どもたちの発想を広げ,遊びの世界を深めてくれる根本的な「保育の働きかけ」です。家庭で使ったペットボトルやフィルムケースが保育の場では何やら面白そうな遊び道具になっていて,しかも自由に手に取ることができるのです。子どもたちは身近なモノの“もう一つの顔”にハッとし,時には保育者の思惑を超え遊びを創り出すでしょう。生活用品のリサイクルは,こうした保育者とのキャッチボールの中で,子ども一人一人が持っている自主性やオリジナリティややさしさを引き出す力をもっていると思うのです。

 同時に,保育者の情熱は保護者にも感動をもって受け入れられるでしょう。牛乳パックの収集をしていたと思ったらあっという間に椅子やテーブルになり,楽しそうにままごとをしている子どもたちの姿を見たら,保育者の努力は親心に必ず伝わるはずです。モノさえあればいいのではなく,それをどう活かすかについての努力が大切であることは,今回の事例からもおわかりでしょう。

 こうしたリサイクルはもともと保育者の「裏芸」として始まりました。子どもからはもちろん多くの親たちからも,牛乳パックに座ったりする発想は自然にはでてきません。保育者が関わることで,ある時は手品のように保育の場に披露するのです。保育の何かを直接は知らなくても,子どもが楽しく<遊ぶ>ことで親たちも保育の面白さを感じることができるのではないでしょうか。それがひいては日々の保育への信頼や保育者とのコミュニケーションにつながっていくと思うのです。

 リサイクルのもう一つの意義は,保育の場での「資源の活用」です。昨今の状況では残念ながら遊具や製作素材に十分な予算が組み込めません。我が国の未来を創る子どもたちをもっと大切にしてほしいと願うのは,保育に関わる全ての人の願いでしょうが,現状は厳しいものがあります。そこで,園内外で余っているもの,集められるものに目を向けてみましょう。乳児がいる保育所では,ミルク缶や牛乳パックは日用品のはずです。タオルやビニール袋も捨てる前にちょっと頭をひねってみてください。帰宅したら台所を見渡してみましょう。必ずおもちゃ(になれそうなもの)が見つかるはずです。保育者の貪欲なアンテナが保育室の遊具の『質』を高めていけるのです。生活用品のリサイクルには遊びに大切な感性のアンテナが必要だということです。

 今回の事例が,そのままアナタの保育に生きるのはもちろん,「私だったら,こうする」というアイディアを生むためのヒントになれば幸いです。


   /鈴木 みゆき

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