- 学年別シリーズ発刊について
- まえがき
- I 一年生の教育と学級づくり
- 一 一年生の子ども
- 二 学級の力
- U 学級づくりと学級会活動
- V 学級づくりと学級会活動の実際
- 一 一学期の指導―新しいなかまをつくろう
- 1 新しい友だちや先生(四月)
- (1) 新しいなかまの顔
- (2) 並び順や生活班
- (3) 朝の会や帰りの会
- 2 遠足やきまり(五月)
- (1) 連休のくらし
- (2) くらしのきまり
- (3) 遠足の学習
- 3 遊びやお話(六月)
- (1) 遊びの工夫
- (2) みんなのこまること
- (3) 友だちの話
- 4 係のしごと(七月)
- (1) わたしのしたいしごと
- (2) 夏休みの計画
- 二 二学期の指導−わたしたちの学級をつくろう
- 1 友だちのくらし(九月)
- (1) 夏休みの発表
- (2) 教え合い
- (3) 家のようす
- 2 運動会(十月)
- (1) 運動会の用意
- (2) わたしたちのけいこ
- (3) 運動会の日
- 3 読書(十一月)
- (1) すきな本
- (2) 本屋さん
- (3) 本作り
- 4 遊び道具作り(十二月)
- (1) 友だちのはげまし
- (2) かるた作り
- (3) かるた遊び
- 三 三学期の指導―楽しい学級をつくろう
- 1 大きくなったわたし(一月)
- (1) わたしの小さいとき
- (2) 通学のし方
- (3) 冬のかけ足
- 2 みんなの役に立つこと(二月)
- (1) 影絵芝居作り
- (2) めずらしいもの
- (3) 研究畑
- 3 発表会(三月)
- (1) 楽しみ会
- (2) 新しい一年生を迎える
双書・学級づくりと学級会活動について
「学級」という集団は、学校が教科の授業を効率的に行うために、便宜的につくったものです。それ故に、どちらかといえば、「学級」を学校や教師の立場から考えてきた傾向が強いといえるようです。
しかし、これからは子どもの側に立って、「学級」を考えることにより、学級づくりのあり方を根本的にとらえなおす必要があるようです。
学級づくりは、子どもたちの間に、人間的な相互理解をきずき、時には励まし合い、時には助け合っていく、学級としてのなかまづくり、集団づくりがねらいとなるものですがその学級づくりは、主として「学級会活動」を基盤として展開されるものです。
もちろん、子どもの側からみれば、学級会活動という特定の時間だけでなく、毎日の学校生活時間の大半を占める教科の授業から受ける影響も大きいわけですが、学級会活動が子どもたちの自発的、自治的活動を軸に展開することを考えれば、それは「扇の要」のごとき役割をになっているものであり、学級会活動はそれ自体にとどまる活動ではなく、子どもたちの学級集団の毎日の生活のためにあるものだということになります。
それ故に、「学級」を子どもの側に立って考えなおす場合、学級会活動を週一時間の時間として位置づけるだけでは不十分であり、毎日の朝、昼、放課後に開かれる短時間の学級会活動が基底的位置を占めるということが望ましいといえることになります。
学級会活動が今日、形式化、形骸化しているという指摘を受けるのは、右の毎日の短時間の学級会活動への着目と学級づくりの観点からの掘り起しによって、生気を注入することを怠っているものと考えられます。
この双書では、学級づくりとしての学級会活動を個人の実践記録としてまとめ、これからの実践の指針としたいと考えたものです。
一九七九年一月 /教育情報センター編集室
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