基幹学力の授業 国語&算数15
あなたの授業―言語力・思考力を育てているか

基幹学力の授業 国語&算数15あなたの授業―言語力・思考力を育てているか

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「言語力」「論理的思考力」を育てるための授業事例満載!

新しい学習指導要領の国語、算数のキーワード「言語力」「論理的思考力」に焦点を当て、それらを育てるための授業づくりの条件や、具体的な実践事例を豊富に紹介。間近に迫った移行措置のスタートに合わせて、必ずチェックしておきたい情報が満載です!


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ISBN:
978-4-18-887525-4
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B5判 72頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第
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もくじ

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国語
提起文 国語授業で言語力を育てているか
どのような力をどのように育てるか /青木 伸生
特集1 どのような言語力を育てるべきか
思考力を中核として読解力・表現力を育てる /松本 修
学習過程における知的性向としての言語力のとらえ方 /萩原 敏行
「通教科」的な言語力をどのように育てるか /中村 和弘
特集2 私の授業で育ててきた言語力
思考方法獲得により豊かな言葉の獲得を /小林 康宏
子ども一人一人の持っている言葉へのこだわりを大切にする授業をめざして〜言葉を自由に使いこなせる場と子どもの意欲を大切に〜 /田ア 伸一郎
「書く」を柱に《日常的》に育む〜「100の作文指導レシピ」を用いて言語力を〜 /森川 正樹
「明日」の国語授業を創る
物語 この授業で「言葉の力」をつける
『人物関係図』の活用で全体を一枚に表現する!〜「桃花片」の物語マップづくり〜 /松岡 俊宏
説明文 この授業で「言葉の力」をつける
自分なりの読みを活かして、説明文を読み解くために〜説明文の構造理解と得た情報を活用して説明文にのぞむ〜 /松浦 弘文
書く この授業で「言葉の力」をつける
描写力で鍛える書く力 /菊池 英慈
聞く・話す この授業で「言葉の力」をつける
落語から「伝え合う力」を学ぶ /小林 圭
古典・詩・俳句 この授業で「言葉の力」をつける
自分の考えの形成や交流につなげる多様性! /遠藤 裕一
漢字 この授業で「言葉の力」をつける
漢字が「書ける」「読める」+「選べる」 /広山 隆行
ミニ連載 高知からの発信B
国語と算数教師ともに生きる熱き日々 /藤田 究・田中 元康
リレー連載
私の学級づくりと「言語活動」 /星 芙美・真家 裕美
二十代先生の国語授業日記 /宇田 愛
若き国語教師への手紙 /大内 敏光
国語授業は学校を変える 研究主任奮闘記 /嶋ア 舞子
国語授業は故郷を変える 指導主事奮闘記 /長野 文恵
連載
にへいちゃんの国語教室通信 /二瓶 弘行
青木伸生の国語教室創造記 /青木 伸生
提言
基幹学力としての言葉と言葉を関係づける力 /佐藤 明宏
グラビア
図書館紹介 :構成 /青木 伸生
本の紹介をしよう 1年生 :構成 /青木 伸生
算数
提起文 算数授業で論理的思考力を育てているか
基幹学力の視点で論理的思考力を育てる算数授業 /山本 良和
特集1 論理的思考力が育つ算数授業の条件
教材研究では「どうして」の対象と質に留意する /池田 敏和
典型的な論理的思考活動ができること /金本 良通
学級という名の脳ミソづくり /守屋 義彦
特集2 論理的思考力を育てる算数の授業
きまりを見つけることを通して追究する目を育てよう /佐藤 純一
とらえたい2つの論理的思考―演繹的な考えの理解を促す帰納的な考え― /盛山 隆雄
『なぜ?』を考えることが論理的思考を育てる /工藤 克己
2÷3=1/3? それとも2/3? それとも2/6?〜それぞれの思いを図にしながら〜 /藤田 究
思考を関係付ける /佐々木 寿洋
子どもの追究心を揺さぶりながら育てる /永野由 美子
この教材で学級開きを!
1年 10までの数 /中田 寿幸
2年 電話のボタンの数(たし算とひき算) /夏坂 哲志
3年 たし算とひき算 /植松 仁
4年 「198をたすと?」(トピック) /小松和 久
5年 数感覚を養おう! /尾崎 伸宏
6年 「生活と関連した題材で」(トピック) /江橋 直治
コラム
子ども発見! /三田 美乃里・山下 洋
面白教材・教具 /竹尾 智登志
ICTを使った算数的活動 /松村 髞N
リレー連載
編集長リレー連載 /山本 良和
連載
田中博史の算数 /田中 博史
提言
子どもの活動性に培う授業を /坪田 耕三
算数の授業は算数語を学ぶ場 /藤井 斉亮
リレー連載
国語教師から算数教育へ /真鍋 佳樹
グラビア
算数授業の中の子どもたちの「目」 :構成 /山本 良和

国語 [提起文] 国語授業で言語力を育てているか

 どのような力をどのように育てるか
      筑波大学附属小学校 /青木 伸生(写真省略)


一 一年生の言語力

 一年生の子ども達と過ごしてきて、一年が経とうとしている。一年生の子ども達の成長はめざましい。まさに日進月歩である。四月、たどたどしく自分の名前を書いていた子どもが、筋の通った作文を書き上げた。細々とした、か弱い声でやっと自分の名前を自己紹介していた子どもが、今では手を挙げて、根拠をもって自分の考えを主張している。どの子も、教室の隅々にまで届く子で教科書を音読する。諳んじることのできる詩もたくさんある。たくさんの漢字も覚えた。

 小学校に入って、初めて授業を受けてきた子ども達にとっては、何もかもが新しい言語活動である。

 確かに、四月の頃と比べたならば、できるようになったことはたくさんあるかもしれない。しかし、それが、一年生として育てるべき言語力を満たしているかというと、あらためて見直さなければならない。しかも、この一年間に身につけた言語力が、次の、さらに言えばこの後の小学校で伸ばすべき言語力に、いかにつながっているのか。


二 どのような言語力を育てるべきか

 年度末を迎えようとしている。各学年それぞれの子ども達の育ちを、今ここであらためてとらえ直してみる必要があるだろう。

 とくに、言語力は、新学習指導要領でも言われているように、国語科という一つの教科にとどまらず、各教科を通して育てるべき重要な力である。授業を通して、実生活に生きて働く言語力を育成することこそ、生きる力をはぐくむことである。その根幹となる国語の授業で、どのような言語力を育てるべきかが十分に吟味されていないのでは、はなはだ心もとない。

 話をもう一度一年生の子どもに戻して考えたい。

 小学校に入学してくる子ども達は、文字の読み書きに関しては個人差が大きいであろうが、すでに相当の語彙をもち、多くの子どもが基本的な会話のやりとりはできよう。この子ども達に、どのような言語力を育てるべきか。まずは国語で育てるべき言語力について考えたい。

 それまでの言語経験に個人差が大きい一年生では、国語の授業が、言葉との再会の場である。ひとりの子どもの中でも、それまで知っていた言葉の世界を、あらためて整理する場である。「き」という言葉は、「木」という漢字で書くことを知る。そしてこの「木」は「もくようび」の「もく」と同じ字であることを知る。言葉と言葉がつながって、新しい言葉の世界をかたちづくる。新しいものに興味を抱く彼らは、時間をかけつつも、新しい文字・言葉の世界を自分のものにしていく。

 同時に、様々な文や文章を読み、日本語の言葉の響きやリズムを体の中にしみこませていく。

 こうして次々と言葉の世界の扉を開いていった子ども達ではあるが、教師側の立場で考えてみると、国語の授業の中で、用意するべき扉はいったい何枚あればよかったのか。そして、それぞれの扉には大小の差はないのか。

 子どもに扉を開けさせる教師の側に、開けるべき扉の全体像がどのように映っているかによって、扉全体の数も、一つ一つの扉の大きさも変わってきてしまう。ちぐはぐな扉の配列は、子どもの言語力の育成にはつながらないし、やがては子ども自身が、扉を開けようすることを止めてしまうのではないか。

 今号の特集一では、小学校国語科の授業で、どのような言語力を育てるべきかを考えたい。

 一年生で育てるべき言語力を考えたとき、その学年であるからこそ育てておきたい力というものがあるかもしれない。またその一方で、国語科という教科の特性を考えたとき、その学年のみならず、その後の六年間にスパイラルに育てていくべき力というものもあろう。いずれにせよ、育てるべき言語力を見渡すことが、今年度をふり返り、来年度への指針となるに違いない。


三 どのように言語力を育ててきたか

 どのような言語力を育てるべきかは、どのように育てるべきかと切り離すことができない。現場教師は、日々の授業の中で子どもを育てている。

 用意するべき扉は見えていても、それを子どもにどのように開かせるかは、教師の力量によるところが大きい。しかも、基幹学力という考え方からみると、この開かせ方は、大変重要な視点である。なぜなら、一度扉を開けた子どもが、次の扉も開けてみたいと思うかどうかは、開けさせ方ひとつにかかっているからだ。子どもに、いかに興味関心をもたせ、意欲を高めて次の扉に向かわせるかは、重要な問題なのだ。

 授業で一つの物語を読み終えた子どもが、教室を出てから、自ら物語を読もうと手にするかどうか。説明文の学習で「このように」という言葉の大切さを知った子どもが、自分の文章の中で「このように」を適切に使おうとするかどうか。

 さらにいうならば、国語の授業で使ってみた「もしも」や「たとえば」が算数の授業の中でも使えると実感して、自分の発言の仕方を工夫してみるかどうか。

 教室で学んだことが、教室の外で生きて働く力とならなければ、実生活には使えない。国語科で学んだことが、他の教科で活かされなければ基幹学力として育っていないことになる。

 今号の特集二では、授業の中で、いかに言語力を育ててきたかを具体的に述べていただきたい。本特集が、今年度をふり返り、来年度に向かう指針となれば幸いである。

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