- はじめに
- T 子どもの心に響く資料提示
- [1] 資料を知ろう
- [2] 子どもを知ろう
- [3] あなた自身を知ろう
- U 実践・資料提示のアイデア
- [1] ペープサート
- 1 ペープサートを使用するメリット・ポイント
- 2 ペープサートの作り方
- 3 ペープサートを使ったアイデアあふれる授業
- 4 ペープサートを使ったその他のバリエーション
- [2] 複数の場面絵
- 1 場面絵を使用するメリット
- 2 場面絵の作り方
- 3 複数の場面絵を使った授業
- 4 複数の場面絵を使うその他のバリエーション
- [3] パワーポイント
- 1 パワーポイントを使用するメリット・ポイント
- 2 Microsoft PowerPoint(パワーポイント)を活用しての資料の作り方
- 3 パワーポイントを使ったアイデアあふれる授業
- 4 パワーポイントを使ったその他のバリエーション
- [4] 演技
- 1 資料提示を演技で行う
- 2 演技で資料提示するメリット・ポイント
- 3 演技で資料提示するためのポイント
- 4 演技を活用したアイデアあふれる授業
- 5 その他のバリエーション
- [5] テレビ・ビデオ
- 1 テレビ・ビデオを活用するメリット・ポイント
- 2 テレビ・ビデオの準備
- 3 テレビ・ビデオを使った授業
- 4 テレビ・ビデオを使ったその他のバリエーション
- [6] 紙芝居
- 1 紙芝居を使用するメリット・ポイント
- 2 紙芝居の作り方
- 3 紙芝居を使ったアイデアあふれる授業
- 4 紙芝居を使ったその他のバリエーション
- [7] 板書
- 1 板書を活用するメリット・ポイント
- 2 板書の書き方
- 3 板書で行う資料提示をした実践
- 4 板書の活用のその他のバリエーション
- [8] 歌
- 1 歌を使用するメリット
- 2 歌の選び方
- 3 歌詞を使った授業
- 4 その他のバリエーション
- [9] 写真
- 1 写真を使用するメリット
- 2 どんな視点で写真を用意するか
- 3 写真を使った授業の実際
- 4 その他のバリエーション
- [10] パネルシアター
- 1 パネルシアターを使用するメリット
- 2 パネルシアターの作り方
- 3 パネルシアターを使ったアイデアあふれる授業
- 4 パネルシアターを使ったその他のバリエーション
- [11] 読み聞かせ・語り聞かせ
- 1 資料提示への熱き思い
- 2 子どもの心に正対する資料提示
- 3 資料提示に心を込める道徳授業(1年)
- おわりに
はじめに
道徳授業で,「資料提示がよければ授業の半分は成功したようなものだ」とよく言われる。ここでいう「資料提示」とは,資料そのものの良し悪しも含めてのものであるが,本書は資料の内容そのものを吟味することを目的としていない。むしろ資料提示のバリエーションや,提示する資料を,どんな材料を使いどのように作るのか,その準備や配慮事項などについて詳しく紹介することを目的としている。これから道徳授業を学んでいこうとする先生方にとって力強い味方となるだけでなく,もっと資料提示のバリエーションを広げたいと思っている先生方にとっても参考書となることを願っている。
いくら優れた資料でも子どもの心に響かない提示であったり,35時間同じ手法の提示であったりでは,子どもの方もうんざりしてしまう。決して子どもに迎合するわけではないが,教師たる者,資料の特性を生かし,子どもの実態に即し,子どもが自分の課題として資料の内容を受け止められるような提示の工夫をすべきではないだろうか。そのためにも資料提示のバリエーションを知り,その準備や提示に当たって「ツボ」を心得ておく必要があろう。
資料提示の工夫というと,なにか大がかりで厄介なもののように思ってはいないだろうか。年に一度の公開授業のときだけ凝った資料提示をすればいいと思ってはいないだろうか。
本書で紹介する資料提示の工夫は,ごくごく日常的なものであり,ある意味「コロンブスの卵」的なものである。紙芝居に切り込みを入れ,ドアの陰から顔をのぞかせている主人公を出したり引っ込めたりすることで心の迷いを表現する。ペープサートの手をひもで作り,くるくる回すことで「イヤイヤ」をする登場人物の様子を表現する。ほんのちょっとした工夫で資料提示に幅が生まれ,子どもたちも夢中になって資料の世界に吸い込まれていくこと請け合いである。
子どもたちが楽しみながら,真剣に取り組める授業のために,教師が手応えを感じながら進められる授業のために,本書をお役立ていただければ幸いである。
編著者
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- 明治図書