新中学校道徳指導細案

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子どもが自ら生き方を考える新しい道徳授業づくりのヒント

『新中学校道徳指導細案』では、人間としての生き方についての自覚を深めることをテーマに「豊かな人間性」を培わせたい。生徒が道徳授業から生きる力をはぐくむことで自らを律し、他と協調し、思いやる心や感動する心を資料から考え・感じ取る授業実践例を提示。


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ISBN:
978-4-18-882020-9
ジャンル:
道徳
刊行:
4刷
対象:
中学校
仕様:
B5判 196頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
第1章 新しい道徳授業の創造のために
T 人格の形成と道徳教育
U 道徳の時間の教育課程上の位置付け(道徳の時間の目標)
1 計画的,発展的に指導する
2 学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育を補充,深化,統合する
3 道徳的価値及びそれに基づいた人間としての生き方についての自覚を深める
(1)自覚とは
(2)道徳的価値の自覚とは
(3)人間としての生き方についての自覚とは
4 道徳的実践力を育成する
V 新しい道徳指導を進めるために
1 生徒の内面的な自覚を促す指導方法を工夫する
2 信頼関係や温かい人間関係の確立を促す
W 道徳の時間の指導における配慮事項
第2章 道徳授業充実のために
(1)道徳教育の着眼点
(2)年間指導計画作成のポイント
(3)学習指導過程の創意工夫のポイント
第3章 中学校道徳授業 内容項目別実践例
1 健康で充実した生活のリズムを  1年 1−(1)
2 困難を乗り越え,自分の道を切り拓く  3年 1−(2)
3 「クロスプレー」  2年 1−(3)
4 夢に向かって負けない心  3年 1−(4)
5 進路学習に生かしていく「充実した生き方」の授業  2年 1−(5)
6 「時と場」を考えて  3年 2−(1)
7 込められた「思い」に気付くことで「思いやり」の心を育てる  3年 2−(2)
8 信頼・友情  1年 2−(3)
9 「アイツ」  1年 2−(4)
10 人が人に学ぶとき  2年 2−(5)
11 「感謝の気持ち」を素直に表現する  2年 2−(6)
12 今ある生命を精一杯に生きる  2年 3−(1)
13 「自然との共生」をはぐくむ  2年 3−(2)
14 「愛」とは  3年 3−(3)
15 ルールを守ることの大切さを知る  2年 4−(1)
16 ボランティア活動から何を学ぶか  2年 4−(2)
17 話合い活動を取り入れた道徳の時間〜公平・公正,差別や偏見のない社会〜  2年 4−(3)
18 集団の中で目標を達成するために  1年 4−(4)
19 働くことの喜びを感得する  1年 4−(5)
20 「たったひとつのたからもの」  3年 4−(6)
21 「愛校心」の道徳授業って難しい!?  2年 4−(7)
22 「すばらしい郷土」〜熱い思い・静かな誇り〜  1年 4−(8)
23 国とのかかわり方を考える  2年 4−(9)
24 真の国際人とは  3年 4−(10)

―はじめに―

 21世紀の扉が開かれてすでに10年近くになる。いわゆる知識基盤社会化やグローバル化の流れはますます加速されるかのようである。社会の構造的な変化の中で大人自身が変化に対応する能力を求められているという指摘もうなずける。このような変化の激しい状況において,確かな学力,豊かな心,健やかな体の調和を重視する「生きる力」をはぐくむことは,新しい学習指導要領においても引き継がれた。

 「生きる力」が,自らを律しつつ,他人とともに協調し,他人を思いやる心や感動する心などの「豊かな人間性」を重要な要素としていることは言を俟たない。そして,このような人間性の育成を図るのが,心の教育であり,その基盤に道徳教育が存する。考えてみれば,教育は,人格の完成を目指して行われるものであり,「豊かな人間性」をはぐくむことは学校教育の基本に置かれるべきものである。

 ところで,中学校における道徳教育は,要(かなめ)として道徳の時間を設け,各教科等における道徳教育との密接な関連を図りながら,計画的,発展的に道徳的価値や人間としての生き方についての自覚を深め,道徳的実践力を育成することとされている。道徳の時間については,中央教育審議会答申(平成20年1月17日)では,「道徳的価値に裏打ちされた人間としての生き方について自覚を深める指導を重視する」ことや,「法やきまり,社会とのかかわりなどに目を向ける,人物から生き方や人生訓を学んだり自分のテーマをもって考え討論したりするなど,多様な学習を促進する」ことが求められている。

 翻(ひるがえ)って,これらのことをわれわれはどのようにとらえればよいのであろうか。道徳の時間が設けられて半世紀を経過する。草創期からこれまでに多くの先人たちの結晶ともいうべき優れた理論や実践が,並々ならぬ試行錯誤と努力のもとに蓄積されているはずである。そうした積み重ねのもとに現在の道徳授業があり,その上に立ってわれわれはこれからの道徳教育の方向性を展望しようとしている。次代を担う若き教師のためにも,いたずらに奇を衒うのではなく,これまで道徳の時間においてどのような指導が求められ,どのような実践が行われてきたのか,現在の到達点を示しておくことは十分に意義のあることと思われる。

 この『新中学校道徳指導細案』は,道徳の時間の指導における各学校の工夫の手掛かりとなるように,道徳教育の最前線で展開されている多様な指導の事例を収録するように努めて編集したものである。したがって,道徳の時間の特質を押さえることを共通理解としつつ,各執筆者の創意工夫を基本的にはそのまま生かして収録した。その方が,各学校の参考になり,より多くのものを提供することができると考えたからである。

 各学校においては,これらを参考とされ,生徒が充実感をもてるような指導が展開されることを切に期待するものである。


  2010年3月   /谷田 増幸

著者紹介

谷田 増幸(たにだ ますゆき)著書を検索»

前文部科学省初等中等教育局教育課程課 教科調査官

兵庫教育大学大学院学校教育研究科 教授

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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