- はじめに
- 第1章 学級活動と構成的グループエンカウンター
- 学級活動と構成的グループエンカウンターの共通点や相違点
- 学級活動に構成的グループエンカウンターを活用(援用)するには
- 学校行事とグループエンカウンター
- 「教育課程部会 豊かな心をはぐくむ教育の在り方に関する専門部会(第7回)議事録・配布資料」から 特別活動の現状と課題,改善の方向性(検討のたたき台)より一部抜粋
- 育てるカウンセリング
- カウンセリングと生徒指導
- サイコエジュケーション
- 学級活動の年間指導計画
- 第2章 エンカウンターで学級活動・3年
- ○1学期の学級活動とエンカウンター
- [1] 4月
- A 学級活動(1) 係活動をはじめよう
- B 学級活動(2) 大スクープ! 友だち密着取材
- [2] 5月
- A 学級活動(1) クラスのシンボルマークをつくろう
- B 学級活動(2) うれしい話の聞き方
- [3] 6月
- A 学級活動(1) 雨の日の遊び〜みんなで考えた遊びをしよう〜
- B 学級活動(2) 温かい言葉かけチャンピオンをさがせ
- [4] 7月
- A 学級活動(1) 1学期のお楽しみ会 いいところみつけゲーム
- B 学級活動(2) クラスのいいところベスト5を決めよう
- ○2学期の学級活動とエンカウンター
- [1] 9月
- A 学級活動(1) 心のキャッチボールで楽しいアイスクリーム作り
- B 学級活動(2) 互いのよさを知ろう
- [2] 10月
- A 学級活動(1) ○年○組きらきらロード★〜みんなで増やそう みんなの輝き〜
- B 学級活動(2) みんなでつくろう「仲良しマップ」
- [3] 11月
- A 学級活動(1) ジャンケンエクササイズ(ふれあいを促す)
- B 学級活動(2) 指先エクササイズ(ふれあいを促す)
- [4] 12月
- A 学級活動(1) 今年の3大ニュース 私バージョン(他者理解を促す)
- B 学級活動(2) 今年の漢字 私バージョン(他者理解を促す)
- ○3学期の学級活動とエンカウンター
- [1] 1月
- A 学級活動(1) 冬休みの「楽しかった!」「うれしかった!」ベスト3
- B 学級活動(2) いいとこのばし! 今いちなおし! 新年の目標を作ろう
- [2] 2月
- A 学級活動(1) 私はわたしよ! スペシャルバージョン
- B 学級活動(2) これぞ3年生の一日のすごし方!
- [3] 3月
- A 学級活動(1) 自分への手紙〜一年間を振り返って〜
- B 学級活動(2) 別れの花束〜ありがとうの花束づくり〜
- 第3章 エンカウンターで学級活動・4年
- ○1学期の学級活動とエンカウンター
- [1] 4月
- A 学級活動(1) 学級目標について考えよう
- B 学級活動(2) バースデーカード
- [2] 5月
- A 学級活動(1) 運動会・おうえんビンゴ
- B 学級活動(2) 係への「きらきらメッセージ」
- [3] 6月
- A 学級活動(1) なかよしスゴロク
- B 学級活動(2) 大切なあなた
- [4] 7月
- A 学級活動(1) みんなで心を一つに
- B 学級活動(2) いごこちのよい学級
- ○2学期の学級活動とエンカウンター
- [1] 9月
- A 学級活動(1) 私はわたしよ! 帰りの会バージョン
- B 学級活動(2) 夏休みの思い出をインタビューで
- [2] 10月
- A 学級活動(1) ○○すれば,クラスがすきになる〜クラすきの木〜
- B 学級活動(2) Good jog!!(グッジョブ!!)
- [3] 11月
- A 学級活動(1) 思いは同じ? 互いに認めて!
- B 学級活動(2) 作戦会議! 力を合わせて!
- [4] 12月
- A 学級活動(1) ○年△組を漢字で表そう!
- B 学級活動(2) 今年の重大ニュースでビンゴ!
- ○3学期の学級活動とエンカウンター
- [1] 1月
- A 学級活動(1) 新年の思いを伝えよう
- B 学級活動(2) 振り返ろう! 分かち合おう!(係活動)
- [2] 2月
- A 学級活動(1) 聞いてみよう! 当ててみよう!
- B 学級活動(2) ペアでよいところさがし
- [3] 3月
- A 学級活動(1) ○○係の思い出新聞
- B 学級活動(2) メッセージの贈り物
はじめに
先頃,文部科学省から発表された「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると,小学校に限らず,「小・中・高等学校における,暴力行為の発生件数は平成20年度で,約6万件と3年連続で増加しており,小・中学校においては,過去最高の件数に上る」との報告であった。
暴力行為の状況としては,小・中学校で4桁の勢いで発生しており,「器物損壊」,「生徒間暴力」,「対教師暴力」,「対人暴力」の順に多いという。
私は,約30年前の校内暴力を知っている年代なので,あの頃の再来かとハラハラしながら報告を読むと,陰湿ないじめ事件が絡むような集団での暴力行為というよりは,個人ごとの暴力行為が多いようである。なぜそのようなことになってしまうのか疑問であるが,マスコミの分析を読むと,耐性の欠如や自分の気持ちをうまく相手に伝えられない不安や,自分を認めてもらえない不満などが,根底にあるのではないかと感じる。
では,その子どもたちだけが特定の課題や問題で事件や事故を起こしているのだろうか。詳細は不明だが,どうやら不安や不満をうまく解消したり,他の人とのコミュニケーションの不足を補ったりできないようである。
それらの課題を解決するには,何の授業で行うことが効果的なのだろうか。心の問題なら道徳だろうか。将来に対する不安を解消するなら特別活動だろうか。学校現場で悩み,苦しむ,そのような子どもたちの実態に即応できる授業が,すぐにでも展開できるものがなかった。生徒指導や教育相談関係の資料等では様々提示されてきたが,学習指導要領に位置づけられては来ていなかったのだ。
われわれ教師にとって,授業を進めるために必ず必要になる「学習指導要領」の中に無かったために,「やりたいけどやれない」「何の授業でやるつもりかと指導された」と,嘆く声を聴いたこともあったほどだ。
しかし,今回の学習指導要領の改訂で,道徳や学級活動で,エンカウンターやソーシャルスキル等のカウンセリングの手法や技法を取り入れて実施することが可能であると明文化されることになったである。
本双書『新教育課程対応 エンカウンターで学級活動12か月 小学校低学年・中学年・高学年』はそうした状況の変化に対応するために刊行したものである。特別活動を愛し,実践してこられた全国の先生方の取り組みにお役に立てば幸いである。
平成21年 師走 吉日 編著者 /八巻 寛治
-
- 明治図書