- 特集 2学期の特選エクササイズ&研修講座
- 【巻頭】2学期の学級生活とエンカウンターの役割 /八巻 寛治
- 2学期の学級生活を充実させるエクササイズづくりの提案
- 自己理解を促進するオススメのアイデア /吉澤 克彦
- 他者理解を促進するオススメのアイデア /松井 賢二
- 子ども同士のリレーションを促進するオススメのアイデア /吉田 正太朗
- われわれ意識を育むことができるオススメのアイデア /平野 修
- 2学期の学級生活を充実させるエクササイズのバリエーション
- 朝の会で手軽に取り組めるエクササイズのアラカルト /藤井 弘
- 帰りの会で手軽に取り組めるエクササイズのアラカルト /豊福 聡
- 行事の前に雰囲気を盛り上げるエクササイズのアラカルト /生稲 勇
- 行事の後に成果を確かめ合うエクササイズのアラカルト /奥山 浩
- 仲間のよさを見つけるエクササイズのアラカルト /山宮 まり子
- クラスのまとまりを意識するエクササイズのアラカルト /松永 裕子
- 2学期の学級生活で役立つ特選エクササイズと展開
- 9 月
- 低学年・生活の中で自他を見つめる /橋 伸二
- 中学年・活動性とゲーム性を /佐藤 克彦
- 高学年・他者理解を深める〜2学期の生活に意欲を持たせる〜 /藤村 一夫
- 中学校・一文字プレゼントで,良さ発見 /田村 和弘
- 中学校・目指す自己像・学級像の設定から始める /桑野 淳二
- 10 月
- 低学年・「カムオン」で味わえる集団の帰属感 /小澤 美弥子
- 中学年・無言チームワークゲーム /太宰 明
- 高学年・意思決定能力を身につけよう /今市 清美
- 中学校・私のクラスの「よかとこ探し」 /山崎 明彦
- 中学校・認め合える関係が行事成功の鍵 /植草 伸之
- 11 月
- 低学年・あたたかいメッセージで気持ちを伝える /鈴木 紀子
- 中学年・理解を深めてお祭り大成功! /中島 咲子
- 高学年・少年少女よ,仲間をいだけ /佐原 威
- 中学校・How much?《価値観・自己理解》 /吉澤 克彦
- 中学校・私に適した職業は,な〜に? /柴田 祥宏
- 12 月
- 低学年・学級としての成長を確かめ合おう /石川 明代
- 中学年・みんなちがって,みんないい!! /山口 玲子
- 高学年・3学期に向けステップアップ /山口 真希子
- 中学校・「喜怒哀楽」の実施を通して /村岡 満幸
- 中学校・みんながんばっているんだ /長嶋 茂
- 第2特集 初心者・ベテラン知って得するエンカウンターのなあるほど研修講座
- コーナー1 エンカウンターをどこでどのように学べばいいの /八巻 寛治・吉澤 克彦
- 参考図書で学ぶには?/ 研修会に参加するには?/ 教えてくれる人を探すには?/ エンカウンターの情報を知るには?/ なぜリーダーと呼ばれているの?
- コーナー2 こんな工夫しています―校内での取り組み紹介
- 小学校 /表 八栄
- こんな取り組みをしています/ こんな実践例があります/ こんな成果でした
- 中学校 学活&道徳年間計画の中に /中村 雅芳
2学期の特選エクササイズ&研修講座特集のねらい
2学期の学級生活の課題は,それまでの子ども同士の関係を生かしてどのように充実させるかにあるといわれています。1学期に培った学級内の人間関係を深めたり広めたりするなど,子ども同士のかかわりが活発になる時期です。学校行事や児童会・生徒会行事など様々な活動を通して仲間意識が育まれてくる時期でもあり、ホンネとホンネでかかわれるようになるため個性同士がぶつかり合うことがあったり,相手を意識しすぎて自分をうまく出せずに孤立してしまたりする子などが見られ始めるのもこの時期です。また,クラスの荒れやいじめ,不登校などの子どもの変化が見られるのもこの時期であると言われています。「みんな違ってみんないい」のように,個性を尊重しながらも支持的な雰囲気の安定した集団に変容させていくことが求められます。
このような時期だからこそ,問題が生じる前に,開発的な教育相談の一技法である「構成的グループエンカウンター」を意図的・計画的に実施し取り組む必要があるのではないかと思います。
学級の再出発「新たな出会い」としての9月。この時期は,子どもたち一人一人が夏休み中に体験してきたことを生かして頑張ろうというやる気をもったり,1学期に積み残した課題をやり遂げようとする意欲をもったりする節目の時期です。子ども個々の集団への適応についての不安や緊張を和らげ,学級の中での自分の存在感や所属感を確認させることが課題になります。
行事に向けての雰囲気が盛り上がるようになる10月は,子どもたちの間に,お互いに認め合う関係を深めて(リレーションを促進して)いくことが課題になります。各自が個性を発揮しながらも,相手のよさを認め(他者理解),心のふれあいを目指す積極的な人間関係づくりが求められるわけです。
11月は,様々な行事を通して互いのよさに気づいたり,ホンネで語り合ったりするなど個性を発揮する時期です。クラスが何となく落ち着かず,荒れが表面化するのもこの頃が多いとの報告もあります。「人のふり見て我がふり直す」のように他者理解を通して自分自身を見つめること(自己理解)が求められます。
12月は年の瀬を迎え何となく落ち着かない時期です。クラスで取り組んできた成果を生かして友達のよさや自分のよさを振り返る時期です。われわれ意識を確認しながらも新たな自分のよさを発見するなどの活動も考えられます。
本号では,こうした2学期の学級づくりに生きる構成的グループエンカウンターの役割とエクササイズをご紹介いただきました。
また第2特集では,校内研修としてエンカウンターに取り組んだ学校の様子をご紹介いただきました。
編者 /八巻 寛治 /吉澤 克彦
-
- 明治図書