学習指導要領早わかり解説小学校新道徳授業の基本用語辞典

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新指導要領道徳は,平成12年度より,全面実施となる。本書は,新指導要領道徳のキーワード50を取り出し解説,指導(授業)への生かし方・ポイントを簡明に述べる。


復刊時予価: 2,387円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-869705-9
ジャンル:
道徳
刊行:
対象:
小学校
仕様:
B6判 136頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

もくじ

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まえがき
第T章 道徳教育の質的転換を図る
1 問題の所在
2 新学習指導要領が求めるもの
3 体験活動を生かす
4 家庭や地域の人々との協力
5 未来へ向けて自らが課題に取り組み,共に考える
第U章 新たな道徳教育(授業)を創造する
1 「共によりよく生きる力」の育成
2 総合的な学習における道徳学習
3 「発見・創造型学習」の構想
4 「発見・創造型学習」の条件
第V章 小学校道徳授業の基本用語解説
1 教育活動全体を通じて行う道徳教育
2 各教科における道徳教育
3 特別活動における道徳教育
4 総合的な学習における道徳教育
5 教育基本法・学校教育法の根本精神
6 人間尊重の精神
7 生命に対する畏敬の念
8 生きる力
9 豊かな心
10 個性豊かな文化の創造
11 未来を拓く
12 ボランティア活動
13 自然体験活動
14 内面に根ざした道徳性
15 道徳的な心情・判断力・実践意欲・態度
16 計画的・発展的な指導
17 補充・深化・統合
18 道徳的価値の自覚
19 道徳的実践力
20 道徳教育の全体計画
21 道徳の時間の年間指導計画
22 道徳教育の重点目標
23 2年間を見通した指導
24 小学校道徳「内容」の構造
25 内容項目間の関連を密にした指導
26 他の学年段階の内容項目を加える
27 創意工夫ある指導
28 基本的な生活習慣
29 善悪の判断
30 社会生活のルール
31 自主性
32 協力し合う態度
33 自立心
34 国家社会の一員としての自覚
35 悩みや心の揺れ,葛藤等を取り上げる
36 成長を実感する
37 課題や目標の発見
38 ティーム・ティーチング
39 校長や教頭の参加
40 他の教師との協力的な指導
41 体験活動を生かす
42 魅力的な教材の開発や活用
43 児童の発達段階や特性を考慮した指導
44 学校や学級内の人間関係や環境を整える
45 指導内容を日常生活に生かす
46 地域教材の開発・活用
47 保護者や地域の人々の積極的な参加や協力
48 子供の実態を指導に生かす
49 指導の道徳性
50 道徳の授業における評価

まえがき

 平成14年度の新教育課程の全面実施に向けて,移行措置が示された。そして,道徳教育は特別活動などとともに,他に先駆けて,平成12年度から全面実施されることになった。

 今次の学習指導要領の改訂に先立つ中央教育審議会や教育課程審議会などにおける論点のひとつは,心の教育の充実であった。それは,裏返せば,心の荒廃を示す現象がしばしば生じていることへの厳しい現実認識に基づいていると考えてよい。

 いわゆる「学級崩壊」が取りざたされ,「ムカツク」「キレル」が日常語化しつつある子供たちの現実は,たしかに厳しい。そして,そうした状況に対する容赦のない原因追及の目は,学校や教師に,そしてしばしば心の教育を中心的に担ってきた道徳教育に向けられている。昭和33年に道徳の時間を特設して以来,道徳教育は一体何を成し得たのか,と。

 むろん,ほぼ四半世紀にわたって道徳教育の実践と研究を重ねてきた当事者の一人として,そうした批判は謙虚に受け止めたいと思う。その上で,あえて反論するならば,当事者とは一体どの範囲までを指すのか。批判者自身にも,応分の責任はなかったか。そして,それぞれの立場で子供たちの心の教育に対して一体を何を成し得たか。

 実際の問題として,子供たちは学校外からも影響を受ける。現状では,むしろその影響力の占める比重が圧倒的に強いといえる。そして,多くを述べるまでもなく,子供の心の教育という面から見てそれは必ずしも好ましい状況にはない。学校というシステムだけでその全てを受け止め,事態を好転させるのは至難の業と言ってよい。

 とすれば,心の教育の充実を図るためのキーワードは,当事者性であろう。すなわち,学校も,家庭も,地域社会も,そしてそこにいる大人の全てが,子供の教育の当事者として応分の責任を果たすことである。

 本書では,新学習指導要領に盛り込まれたキーワードを解説する。したがって,学校で子供の教育に直接的にかかわる者の当事者意識の在りようについて言及する性格にある。

 本来,学習指導要領は教育にかかわる基本的な方向とミニマムエッセンスを示すものである。したがって,豊かな教育の展開のためには,実際の指導をイメージした発展的・創造的解釈が必要である。それが,学校で子供の教育に携わる当事者としての基本的な責任の取り方である。そのために,本書では,字句の解釈に留めず,指導への生かし方にまで言及した。

 本書が契機となって,教育の最前線としての教室で,明るい未来を切り拓く心の教育,とりわけその中核としての道徳教育が豊かに展開されることを切に願う。


  2000年2月   編著者 /上杉 賢士

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