まえがき
本著を手にされた
「あなた」
「夢」っていいと思いませんか。
「夢」に向かってチャレンジしている人は,魅力的だと思いませんか。
本著は,「夢」をテーマにした『らくらく道徳授業パック』です。
私が定義する『らくらく道徳授業パック』とは,授業でそのまま使える教材
・そのまま使える絵本
・そのまま切り取って黒板に貼れる写真
・そのまま切り取って黒板に貼れる文字
・ワークシート ・学習指導案 ・発問計画 ・板書計画 等
がほとんどそろっている本のことと,私が定義しました。教師にとって,とても便利で,使いやすい本です。
本著を追試すれば,「夢をもって,あきらめずに,前向きに生きることの素晴らしさ」を誰もが,簡単に子どもに教えることができます。また,この授業が子どもにとって「記憶に残る授業」になると確信しています。
なぜ,今,「夢」をテーマにした道徳授業が必要になってきたのでしょうか。
それは,現在社会が,いじめ,非行,ひきこもり,ニート(定職をもたない),怠学等,多くの問題をかかえているからです。これらの問題を打開するためには,誤った子どもの価値観や意識を変えることができる授業が必要なのです。それが「夢」をテーマにした道徳授業なのです。
夢について語っている人は,小学生であれ,中学生であれ,青年であれ,高齢者であれ,年齢を問わず目が輝いています。なぜでしょうか。それは,夢について語る時,学力や体力,金銭的条件等,何の制限や制約などがなくみんなが平等な土俵に上がっているからです。
夢には,3つの学びがあります。
1つ目は,「あきらめないで生きることの大切さ」を学ぶことができます。
2つ目は,「前向きに生きることの大切さ」を学ぶことができます。
3つ目は,「楽しく生きることの大切さ」を学ぶことができます。
1つ目の「あきらめないで生きることの大切さ」ということは,どんなことがあっても1つの目的意識をもち続けることです。1つの目的意識をもち続ければ,他の誘惑や邪念に惑わされることなく,あきらめないで生きることができます。
2つ目の「前向きに生きることの大切さ」ということは,不撓不屈の精神も含まれますが,1つの目的に関して挫折しても,柔軟的に新しい目的を見いだし,その新しい目的に向かって生きることができます。
1つ目と2つ目は,文言から判断すると一見同じように思えます。しかし,上記で述べたように相反する面をもっていますので,人間が人間としてよりよく生きる為の必要十分条件だと思います。
3つ目の「楽しく生きることの大切さ」ということは,「あきらめないで生きることの大切さ」と「前向きに生きることの大切さ」を達成させるための1つの手立てです。目的がいくら素晴らしいものであっても,苦痛だけが伴い,楽しさや喜びがなければ長続きはしません。
例えば,授業の指導法や学級経営に関しても同じことがいえるのではないでしょうか。教師に指導法を開発することの喜びや学級をまとめていく喜びを見いだすことができれば,継続的に取り組むことができ,目的を達成させることができるのではないでしょうか。
本書の五つの魅力について,以下に述べてみます。
魅力1 インパクトのある魅力的な自作資料を掲載しています。
道徳の時間に用いる資料には,力や魅力,インパクトがなければなりません。
本資料は,2つの魅力的な資料からできています。
1つ目は,戦火の中,最後まで看護師になるという夢を追い続けたカンニーさん。
2つ目は,2004年アテネオリンピック女子柔道52キロ級の準決勝,このクラスの女王といわれていたサボン選手にラスト1秒で大逆転した横澤由貴選手。
この2つの資料を融合することにより,インパクトのある魅力的な道徳資料にできあがっています。
魅力2 写真やイラスト,掲示用文字等は,そのまま切り取って,黒板に掲示できます。
今までの道徳の資料パックとの違いは,写真を拡大したり,画用紙に掲示用文字(「夢は,何ですか?」)を書いたりする必要がないことです。本著を切り取ったり,貼り合わせたりするだけで,そのまま黒板に掲示できます。
魅力3 様子をリアルに伝えるため,写実的な絵本を用いています。
2004年アテネオリンピック女子柔道52キロ級の準決勝,このクラスの女王といわれていたサボン選手にラスト1秒で大逆転した横澤由貴選手の試合の様子をリアルに伝えるため,写実的な絵本を用いています。
子どもは,視覚から情報を入れることを好みます。このことを考慮すれば,様子をリアルに伝えるために,写実的な絵本を用いることは有効だと思います。
また,この絵本を拡大し,紙芝居風に用いると,更に効果的です。
魅力4 直ぐに授業で使える工夫がされています。
以下の工夫をしています。
(1) 発問や指示,質問,助言などの文言やタイミングやコツ等を掲載しています。
(2) ワークシートを掲載しています。
(3) 場面ごとの細かい板書計画を掲載しています。
(4) 子どもが食いつく意外性のある導入や終末の工夫をしています。
(5) 「ねらい」や「対象学年」なども掲載しています。
魅力5 「学習指導案」を掲載しています。
道徳の研究授業をするにあたって,特に苦労するのが次の2点です。
(1) どの資料を使うか。
(2) 指導案をどう作成するか。
(1)は,主に副読本を使うか,道徳自作資料を使うかのどちらかになると思います。
(2)は,慣れない教師にとっては,特に苦痛になると思います。
特に,道徳自作資料を使った場合は,自分で全て指導案を作成しなければなりません。その作業は意外と大変です。それを軽減するためにも,「学習指導案」が必要だと感じました。
これで,あなたも大船に乗ったつもりで道徳の研究授業に取り組めます。
本著の道徳自作資料をあなたの学級の実態に応じて,改作・オリジナル化されても結構です。
私は,「道徳自作資料の部屋」というホームページを開設しています。
URLは,http://www.synapse.ne.jp/ooe/ です。
電子メールアドレスは,ooe@po.synapse.ne.jp です。
パソコンをおもちの方は,本書を追試した感想などを電子メールでお送りくださればありがたいです。
/大江 浩光
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