知的授業力アップ提言集1
教育の重要課題を授業する

知的授業力アップ提言集1教育の重要課題を授業する

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山積する教育課題の中から4つを取り上げ最先端の授業を提案。

「最先端科学技術を授業化する」では、地球の水、緑の地球、ロボットを授業化するなど。「子どもの危機管理を授業化する」では、食の安全性、健康診断、健康の授業化、好きなアイドル調査から、「教師のリスクマネージメント力」「到達度の表明は教師の気概」等提唱。


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ISBN:
4-18-863138-4
ジャンル:
授業全般
刊行:
対象:
小学校
仕様:
A5判 144頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 最先端科学技術を授業化する
一 地球の水
二 緑の地球 ――グリーンケミストリー――
三 最先端のものづくりを子どもたちに教える
四 ロボットを授業化する
五 もの≠ニの出会いで感動させ、もの≠飽きるまで触らせる
U 子どもの危機管理を授業化する
一 子どもたちにはシンプルな一言を教える
二 食の安全性を求めた人類史を授業化する
三 健康診断の前から手を打つ
四 健康を授業化する
五 好きなアイドル調査から ――多くの生活場面を想定する――
V 教師のリスクマネージメント力を付ける
一 学級は問題の集合体である
二 それでもいる困った保護者への対処の仕方は「気持ちを受け入れる」しかない
三 時間を守れる教務主任 守れない教務主任 ――向山洋一氏はいつも早めに終了した――
四 仕事時間内にできる仕事をこなす
五 毎年繰り返して提案する文書を保存する
W 到達度の表明は教師の気概である
一 到達度の表明は教師の気概である
二 理科の到達度は「わかったか」「調べられたか」「いくつできたか」
三 具体的な評価基準を作ると授業が明確になる
四 小学五年生でつける学力は「判断力」「情報処理力」「全体を把握する力」
五 基礎学力調査資料私案四年(四年理科)
六 文部科学省発表の理科学力テストを分析する
七 子どもたちの中に隠れている問題を表に引っ張り出す
八 理科における習熟度別学習システムの当面の問題点
九 到達度を明確にすると子ども一人一人と向き合う授業となる
一〇 一単元全体を貫くもので評価基準を作る
一一 絶対評価の導入で誰でも納得できる具体的な指導となる
一二 パフォーマンステスト ――生物――
あとがき

まえがき

 教育の重要課題はたくさんあるが、本書では次の課題を取り上げる。


 1 最先端科学技術と日本人の気概

 2 子どもの危機管理

 3 教師のリスク管理

 4 到達度評価


 以上、どの課題を取り上げても非常に大きなものばかりである。

 「最先端科学技術と日本人の気概」では、次のものを授業化した。


 1 地球の水不足問題

 2 二酸化炭素による地球温暖化問題

 3 ものづくりとしてのロボット


 授業化するに当たって、一番先に考えたことは、子どもたちに「解決方法を示すこと」であった。

 例えば、地球の水不足問題。地球には海水はたくさんあるが、動植物の大半が必要としている真水は思ったよりもはるかに少ない。その真水がどんどん汚染されている。どんどん使われている。飲み水まで回らない。

 この水不足にいち早く警告を発したのはNASAであると向山洋一氏から教えてもらった。

 子どもたちが大人になって解決しなくてはならない課題だ。そのような重い課題があると子どもたちに知らせただけでは、子どもたちの夢はどうなる。よい夢が見られない。

 だから、解決方法を示すことにより、子どもたちに「大変な問題が生じているが、解決方法もあるのだ。きっと、あなたたちは解決できるのだ」ということを教えたい。

 しかも、解決方法が日本の技術しかないということも子どもたちに示すことができればこれまた「日本人の気概」を教えることができる。

 日本の技術が地球を救う。

 何とすばらしいメッセージだろう。

 このようなメッセージならば、きっと子どもたちは興味を示し、地球環境教育を学び、日本人としての誇りをもつだろう。そのような授業を行うことが本書の目的である。

 地球の水不足を解決する方法として、上原春男氏が発明した海洋温度差発電も紹介した。これは「上原サイクル」で、発電する過程で海水を真水に変えてしまう装置なのだ。

 東京都の石原慎太郎都知事は、沖ノ鳥島でこの海洋温度差発電を行い、灯台を設置するというプランを二〇〇六年に発表した。中国が主張する「沖ノ鳥島は島ではなく、岩礁だ」という論を打破することがねらいである。

 また、解決方法として、日本の「ナノテク」を紹介した。髪の毛よりも小さいものを作り出す技術である。このような「ナノテク」で海水をろ過することができる。

 TOSS授業技量検定の授業において、「海洋温度差発電」や「ナノテク」が取り上げられてきた。その突破口となったのが本授業である。

 本書で取り上げた最先端の技術の授業化は、ものが頼りであった。お話だけでは授業としては弱い。

 私が、授業化するに当たって、それぞれの企業の方々にお会いし、ご指導を受けた。その印象であるが、企業の方々は、皆さん、教育に対して協力的であった。

 「ぜひそのようなすばらしい技術があることを子どもたちに教えたい。そして日本人としての誇りを持たせたい」と言うと、「企業秘密」であるはずの技術や製品を教えてくれたり、見せてくれたりした。

 なおかつ、お願いすると、条件付で貸してもくれた。だから、「授業で使いたい」と、教師はもっとお願いしよう。企業も自分たちの技術を知ってもらいたいと思っている。


 教育現場では、絶対評価が導入されてきた。到達度をどのように示し、どのように達成させるのかが学校力の問われるところとなる。

 品川区で、「6・3・3制」に代わって「7・3・2制」が始まった。小中一貫教育の実施である。この制度も到達度をどうするのかが大きな問題である。

 教育は大きく変わってきている。


   /新牧 賢三郎

著者紹介

新牧 賢三郎(あらまき けんざぶろう)著書を検索»

1953年6月生まれ,1978年3月東京学芸大学大学院修士課程修了,1997年4月東京都大田区立洗足池小学校。

月刊「教育トークライン」編集長。

TOSS中央事務局 TOSS大田の会サークル所属

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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