- 1 ケ−タイメ−ル〔1−(1)節度・節制〕
- 2 高校受験〔1−(2)高い目標〕
- 3 予定どおりの期末テスト〔1−(2)強い意志〕
- 4 俺が欲しかったもの〔1−(4)理想の実現〕
- 5 キッズコスメ〔1−(5)自己を見つめ,自己の向上を図る〕
- 6 俺の個性〔1−(5)個性の尊重〕
- 7 新しい友達〔2−(3)友情〕
- 8 あいつ〔2−(4)異性理解〕
- 9 のっさんへ〔3−(2)生命尊重〕
- 10 生命のバトン〔3−(2)かけがえのない生命〕
- 11 メダカが教えてくれたこと〔3−(2)かけがえのない生命〕
- 12 チ−ムワ−ク〔4−(1)集団の意義〕
- 13 バレなければ何をやってもいい〔4−(2)法やきまりの意義〕
- 14 あなたは悪くないんです〔4−(3)公徳心と社会連帯〕
- 15 僕は絶対に死なない〔4−(4)差別や偏見〕
- 16 ボランティアって何だ?〔4−(5)奉仕の精神〕
- 17 世の中はお金がすべて〔4−(5)勤労の尊さ〕
- 18 お袋に会いたい〔4−(6)家族愛〕
- 19 おばあちゃん〔4−(6)祖父母への敬愛〕
- 20 朝ちゃんへ 家族のこたえ〔4−(6)家族愛〕
- 21 僕たちの学校〔4−(7)愛校心〕
- 22 この街で生まれて、育って〔4−(8)郷土愛〕
- 23 車人形〔4−(8)郷土愛〕
- 24 日本の伝統文化〔4−(9)日本人としての自覚〕
はじめに
中学生になれば,人間として「なすべきこと」「してはならないこと」について,どの生徒も分かっています。そして,そのようにならない自分に気付き,迷ったり,悩んだりしています。道徳授業は,このよりよく生きることへの迷いや願いを掘り起こし,より高い価値の実現に向けて努力する手掛かりや課題意識を刺激する時間です。
生徒にとって待ち遠しく,魅力ある道徳授業は,指導に当たる教師の人間の生き方に対する心構えに左右されるところが大きいと言えます。なぜならば,教師は完全な理解者,実践者として模範的な立場であるとは言えないからです。教師も一人の人間として,「人生いかに生きるべきか」を悩み,迷う存在であるからです。ですから,道徳授業は,教師自身があるべき人間の生き方を模索しながら,「人間いかに生きるべきか」を生徒と一緒になって,共に語り,共に考える時間であると言えます。
そこで,本資料集では,生徒の身近な問題を取り上げ,教師と生徒が,共に語り,共に考えたくなるような読み物を,以下の3点に留意して作成しました。
@ 資料のなかに人間のありのままの姿を描き,「そうだな,そういうことってあるな」と思わせるようにする。
A 資料のもつ課題を自分の問題としてとらえて,「これは人ごとではないな」と考えられるようにする。
B 話し合う論点が浮き彫りになって,「こんな考え方もあるな。あんな考え方もあるな」と話し合えるようにする。
また,本資料の活用にあたっては,教師自身が資料を十分に分析をして,生徒が問題や内容の本質に迫れるように発問を駆使して,価値を深めていくことが大切です。生徒が教師や友人の発言を聞いて,疑問をもったり,共鳴したり,混乱したり,葛藤したりするなかで,人間としての生き方を掘り下げることができるようにするのです。資料のなかには,内容そのものが生々しすぎたり,一般化するのが難しかったりするものもありますから,その点については,教師自身で改善していくことが必要です。
さらに,生徒と共に語り,共に考える時間を作るためには,「教師であるあなたがやるから道徳授業である」ことを常に意識してもらいたいと思います。
終わりになりましたが,つたない資料に,優れた展開例をご提供くださいました各先生方に対しまして,心より感謝の意を表すとともに,出版に当たって多大なるご尽力を賜りました明治図書出版教育書部門編集部の仁井田康義氏に厚く御礼申し上げます。
2005年5月 /松原 好広
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- 明治図書
- いつもいろいろなテーマの本が出ていて為になります2018/8/730代・中学校教員