多様な展開で子どもの考えを深める 小学校高学年の道徳授業
公開授業に!授業参観に!

多様な展開で子どもの考えを深める 小学校高学年の道徳授業公開授業に!授業参観に!

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子どもたちと心を通わせ、その心をしっかりつかみはぐくむ道徳の授業。高学年の授業で「考える力」をどう育てるか、指導計画と編成、多様な授業モデルとその工夫を紹介する


復刊時予価: 2,277円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-860619-3
ジャンル:
道徳
刊行:
2刷
対象:
小学校
仕様:
B5判 120頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
1章 高学年の道徳授業で「考える力」をどう育てるか
1 新教育課程のキーポイントは道徳教育
2 道徳の時間の重要性
3 道徳の時間における考える力とは
4 指導過程における考える力を育てるポイント
5 高学年における考える力の育成のポイント
2章 高学年の道徳授業の指導計画と編成
1 高学年の発達特性と課題
2 指導計画作成における押さえたい四つの観点
3 資料の活用について
4 指導方法について
5 高学年の指導計画の編成と授業モデル
3章 高学年の授業モデル
1 心の揺れや葛藤を取り上げる授業
1 読み物資料+視聴覚機器 1−(4) 誠実な生き方
2 読み物資料+役割演技 2−(3) 友情・信頼・助け合い
3 一枚絵・場面絵 2−(4) 寛容・謙虚
4 教師の語りとポスターで資料提示 3−(3) 畏敬の念
2 共によりよく生きようとする力を育てる授業
1 保護者と共に展開する道徳授業 1−(2) 希望・勇気・不とう不屈
2 ひとのためにできることを 2−(2) 思いやり・親切
3 子どもの作文を利用して 2−(2) 思いやり・親切
4 文学作品を利用して 1−(2) 強い意志
5 ワークシート・役割演技で 4−(3) 公正・公平
3 生命を大切にする心を育てる授業
1 価値の明確化方式の道徳学習 3−(2) 生命尊重
2 校長が参加する授業 3−(2) 生命尊重
4 集団や社会における自覚を育てる授業
1 地球を救おう子ども会議 4−(8) 国際理解・人類愛
2 ティームティーチングで 4−(2) 規則の尊重
3 ゲストティーチャーを招いて 4−(4) 勤労,社会奉仕,公共心
4 よりよい自分づくりに向かう道徳学習 4−(1) 集団の中での自分らしい生き方

まえがき

 「道徳の時間をしっかり指導できるようになりたい」

 学校現場で子どもたちと正面から向き合っておられる先生方の率直な意見です。道徳の時間の大切さが改めて見直されています。

 先生方が,いま一番頭を悩まされるのが,子どもたちといかに心を通わせるかです。先生と子どもたちの年齢差は,そのまま世代間ギャップとなりかねません。

 一昔前であれば,子どもたちから世代間ギャップを埋めようとしてくれました。しかし,今の子どもたちは,逆です。先生が自分たちの世界に降りてくれることを強く望みます。そして,頑として,自分たちの世界を守ろうとします。

 もちろん,教育において子どもに寄り添いながら日々の生活や授業を行うことは,最も基本とすべきことです。それは,先生と心を通わせ合いながら,子どもたちがよりよい生き方を求めて日々の生活や授業を充実させてくれるようになるためにです。子どもたちのわがままを認め伸ばすためでは決してありません。

 では,どのようにして,子どもたちと心を通わせていけばいいのか。ここに道徳の時間の大きな役割があります。心を通わせる大きなポイントは,価値の共有です。「こうしなさい,ああしなさい」ではなく,「こうなりたいな,こうあればいいのにな」という共通した思いをもてるようにすることです。

 先生と子どもたちが直接話しをしても,なかなか聞いてくれない。しかし,好きな読み物などは静かに読んでくれます。なぜでしょう。読み物の世界と,あるいは登場人物と心を通わせているからです。先生と子どもたちが共に心を動かす読み物等を媒介として,先生と子どもたちとの心が通い合っていくのです。道徳の時間に使用する資料は,道徳的価値が押さえられています。道徳の時間は,資料を媒介として価値の共有化を図るのです。

 しかし,子どもたちは,資料に心を動かしてくれない,その後の話合いができない,などの悩みを聞きます。その悩みこそが大切です。どうして心が動かないのか。どうして話合いができないのか。そこを追究していくことによって一人一人の心が見えてきます。そして,授業の活路も見えてきます。

 その道先案内をするのが,本書です。本書を活用して,子どもたちの心をしっかりつかんだ道徳の授業を工夫してください。そのことが,日々の生活にも他の授業にも影響していきます。本書は,子どもたちと心を通わせるいわば福音書とも言えるものです。


   /押谷 由夫

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      明治図書

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